月刊警察 2018年 12月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

デジタル課税

インターネットを通じ提供・販売されたサービスやコンテンツの売上高に課せられる税及びデジタル経済圏を対象とした課税制度の通称。

今年10月,イギリスのハモンド財務大臣が,大手IT企業を対象とした新たなデジタル課税を,2020年4月から導入すると公表した。新税制では,IT企業がイギリス国内のサービスで得た売上高に対し,税率2%を課す。

具体的な課税対象は,世界での年間売上高が5億ポンド(約720億円)以上の企業で,GoogleやFacebook,Amazon.comなどのIT企業が対象になるとみられる。これによりイギリス政府は年間4億ポンド(約570億円)の税収を確保できる見通しという。

EUも含む20か国・地域(G20)では,事業拠点がない国においてインターネット上でサービスを提供するIT企業に対し,どのように課税するかが議論になっており,導入されれば先進国で初の事例となる。

デジタル課税の導入には,デジタルコンテンツの提供区分や位置付け,また国外にサーバーを置く海外事業者によるサービスをどのように扱うかなど,少なからぬ検討事項があるが,イギリスの構想は,課税対象の該当基準が世界売上高に応じるものと報じられている。

バイオハッキング

一般にハッキングとは,コンピューターシステムに不法侵入して,データ盗用などを行うといった意味合いで使われているが,バイオハッキングは自らの生体環境を意図的に変え,身体パフォーマンスを上げて生活の効率化を図ることを指す。

具体的には,認証が必要なポイントを簡単に通過できるよう,ICチップなどの電子チップを身体に埋め込む取組などが進んでいる。

スウェーデンでは,この3年間でおよそ3,000人が米粒大のマイクロチップを手の皮下,親指と人差し指の間に挿入。カードキーや身分証がなくても会社やジムのドアを通過することが可能になった。また,同国の国営鉄道会社SJは,昨年認証チップのスキャンを導入し,車内での切符確認や料金徴収に利用している。

アメリカ・ウィスコンシン州の自動販売機メーカー,Three Square Marketでは従業員85人のうち約50人がマイクロチップの埋込みに同意。手をかざすだけでパソコンへのログインや,コピー機の使用,買物などができるという。

個人の行動監視につながるなどの懸念はあるが,スウェーデンのバイオハッキンググループBioNyfikenは,「スマートフォンやスマートウォッチの機能を体内に装備することが今後の目標」と話す。