月刊警察 2019年 2月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

テクノ法要

仏教寺院で執り行われる儀式に,テクノ音楽や照明,プロジェクションマッピングなどを取り入れた法要。浄土真宗本願寺派・照恩寺(福井県福井市)の朝倉行宣住職(51)が2016年から始めた試みで,2018年は寺院外のイベントなどを含め,十数回開催。12月には東京国立博物館「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展とのコラボレーションで,宗派を超えたテクノ法要イベントが行われ,話題を呼んだ。

朝倉住職は音楽制作やDJとしての経歴を持ち,「テクノ法要と言うと斬新に聞こえるが,歴史的な仏教寺院の荘厳も,その時代の最新技術で極楽浄土の世界観を表したもの。新しい表現に挑戦することは,実は仏教の伝統でもある」と話す。

照恩寺でのテクノ法要は「極楽浄土は光の世界」というコンセプトに基づき,読経の声明に電子処理を施して音楽と融合させ,堂内にコンサート照明のようなものを付け演出をしている。

主なターゲットは,寺離れが進む若い世代。新しい切り口から仏教を捉える傾向は徐々に広がりを見せ,仏教的なものを好意的に表す「ナムい」という新語も出現。また,伝統法要にアートやダンスを組み合わせた「寺フェス」なども企画されている。

外国人技能実習制度

外国人技能実習制度とは,開発途上国の人材育成に協力することを名目に,外国人材の受入れを行う制度で,資格者は研修を受けた企業などと雇用契約を結んで来日し,3〜5年間在留して技術や知識を習得する。

外国人技能実習生は2017年末現在,建設業や食品製造業,介護など74職種で全国に約27万4,000人。しかし,法務省入国管理局のまとめでは,200以上の監理団体や企業などで賃金不払や長時間労働といった違法行為が確認され,2010〜2017年の8年間で174人が死亡していたことも判明。労災認定された作業中の事故だけでなく,自殺や交通事故死,他殺なども含まれ,過労死や不審死が疑われるケースも少なくないという。

低賃金で長時間労働を強いる実態に,海外から強い批判の声が上がったが,国内産業界にとっては人手不足の打開策として切実なニーズもある。安倍内閣は2018年11月,新在留資格(特定技能)を設けた改正入管法案を臨時国会に提出,12月に成立した。

実習生の社会保障など課題は多いが,政府は今後5年間で最大34万5,150人の受入れを見込む。2019年4月には新たに出入国在留管理庁(仮称)を発足させ,外国人受入れの環境整備,在留者の生活支援などを行っていく構えだ。