月刊警察 2019年 5月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

押し貸し

同意なく一方的に金銭を貸し付け,法外な利息付きの返済を強要する違法請求行為の通称。いわゆる闇金融による悪質な手口の一つで,個人の銀行口座に突然送金し,「貸した」という既成事実の下に,執拗に返金を迫る。

過去に融資を受けるなどし,闇金融側に口座番号を知られている者が狙われやすい。入金額は大金でなく,数千円から一万円程度であることが多いため,当初は見過ごしやすく,放置されることで事態が悪化する。

本来は賃借契約が成立していないため,入金された事実があっても返金義務はない。しかし,強硬な取立てに応じてしまったり,一度利用された口座が他者の返済窓口として流用され,結果として口座が凍結されたりすることもあるという。

押し貸しが発生した場合,該当口座を開設している銀行であっても,振り込み側の承認なしに照会や返還をすることはできない。そのため,弁護士に相談するなどの対応が望ましいとされる。

介護脱毛

将来,介護されることを見据え,あらかじめアンダーヘアを脱毛しておく40〜60代の女性が増えているという。医療脱毛専門院「リゼクリニック」が昨年末,30〜50代の男女450人を対象に行ったアンケートでは,介護経験者の65.2%が自分の老後に備え「介護脱毛は必要」と回答した。

同院新宿院の大地まさ代院長は,「要介護者は免疫力が低下しているため,デリケートゾーンの毛に排泄物が付着し,炎症や感染症の原因となることもある。排泄介助の際は丁寧な清拭が必要だが,脱毛によって介護者,被介護者,双方にメリットが大きい」と話す。

現在では,一般的にレーザー脱毛が主流で,多くの脱毛機器は毛根の黒いメラニン色素に反応し施術するため,白髪になると効果が期待できない。レーザー照射時は痛みも伴うため,体が元気なうちに,という駆け込み需要もあるようだ。

デイリーハッスル

日常生活で引き起こされるささいなストレス要因。例えば,家族の言動により不愉快になるなどの慢性的かつ細々とした出来事がこれに当たる。

心理学におけるストレス要因の区分は,①天災や戦争など世間的な大事件,②就職や結婚,家族の死など個人の一大イベント,③デイリーハッスルに分類される。デイリーハッスルは常態化しやすく,無意識のうちに鬱積し不調の原因となり得るため,現代社会のストレス管理の対象として注目されている。