月刊警察 2019年 7月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

ユダヤ教超正統派

イスラエルでは人口の75%がユダヤ教を信仰している。ユダヤ教徒は戒律などの程度によって大まかに世俗派,保守派,伝統派,超正統派に分類され,中でも約38万人いるといわれる超正統派は,カシュルート(食事上の規定)やシャバット(安息日)などの戒律を厳格に守り,多くが超正統派のみで構成されるコミュニティーに暮らしている。

18世紀以来の黒い帽子と黒い服を着用し,テレビやインターネットは一切排除。一家庭の平均的な子供の数は6人と多いが,「信仰を極め教学を学ぶことが仕事」とされるため,男性の就労率は5割以下(女性は7割)。生活費は政府からの援助金で賄われる。

イスラエルでは18歳以上の男女に兵役の義務があるが,超正統派は現在兵役を免除されている。これが世俗派や他の市民の反発を買い,政治問題にまで発展した。信仰と政治との結び付きが強いこともあり,2019年4月の総選挙後も兵役免除をめぐって政党間の意見が対立。連立政権の発足に至らず,9月17日に再選挙が実施される事態となった。

今後,超正統派の人口増加は確実とみられ,それに伴う社会保障費の膨張が国家予算を圧迫するという懸念も生じている。

クラウド型ゲーム

インターネットに接続されたクラウドサーバーが,ゲームの描画処理やユーザーの操作演算などを一手に担い,オンラインで精密なゲーム画面をストリーミング配信する新しいゲームサービス。

ゲーム操作に関わる全てのデータ処理は,サーバー上で行われ,データもクラウドに保存されるため,従来型の高性能なゲーム機は不要となる。ユーザーはスマートフォンやタブレット端末で,最新のゲームを安価に楽しめるという。

来年開始予定の次世代通信規格5Gは,通信速度が現行4Gの約100倍ともいわれ,普及により超大容量データの迅速なやりとりが可能になると見込まれる。

そこで米国のグーグルなどクラウド技術に秀でたIT企業が,次々とクラウドゲームの分野に参入を表明。5月には家庭用の従来型ゲーム機で競合してきたソニーと米マイクロソフトが,競争力の強化をもくろみ提携した。動画配信と同様,月額課金でサービスを提供するビジネスモデルの模索も始まっている。

業界推計では15兆円規模ともいわれるゲーム市場。クラウドゲームに舵を切る動きが活発化する中,今後は任天堂を含めた従来の勢力図が塗り替えられる可能性も出てきた。