月刊警察 2019年 9月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

大気質指数

アメリカなどで導入されている大気汚染の状況を測る指標で,Air Quality Index(AQI)の訳語。大気中に含まれる特定の微粒子の量とその危険度を示す。主な観測対象は排気ガスなどに由来し,肺や器官に害を及ぼす可能性がある「PM2.5」と呼ばれる微粒子。

汚染の程度は「0」〜「500」の指数と6段階の「危険度レベル」とで表され,指数100以上が大気汚染の状態となる。以降,段階的に有害度が増す。

・0〜50:Good(良好)

・51〜100:Moderate(穏やか)

・101〜150:Unhealthy for Sensitive Groups(敏感な人にとっては健康に有害)

・151〜200:Unhealthy(有害)

・201〜300:Very Unhealthy(かなり有害)

・300〜500:Hazardous(危険)

2010年代前半には中国の北京をはじめとする大都市圏で大気汚染が深刻化し,世界的な注目を集めた。北京の在中アメリカ大使館では敷地内における観測結果を大気質指数で公表。2013年1月には500を超え,750に達した日もあったといわれる。これを受け中国では対応を強化し,現在では一部を除き比較的低い数値にとどまっている。

ホワイト国

日本は,安全保障貿易管理の枠組みの中で,大量破壊兵器及び通常兵器の開発などに使われる可能性がある貨物の輸出や技術提供などを行う際,経済産業大臣の許可を義務付ける「キャッチオール規制(補完的輸出規制)」を設けている。この輸出管理制度の中で,日本が優遇措置を執っている安全保障上の友好国を「ホワイト国」と呼ぶ。

北米やヨーロッパ,オーストラリア,アルゼンチンなど27カ国が該当していたが,アジア唯一の対象国だった韓国が2019年8月,ホワイト国から除外されることとなった。これは韓国の輸出管理において戦略物資の不正輸出摘発が多発しており,核兵器や生物・化学兵器の製造に転用可能な物資が取引されていたためである。これらの物資は,北朝鮮やイランに流れた可能性もあるとみられている。

今後,韓国との輸出入には,日本政府の個別許可が契約ごとに必要となる。日数がかかる上,不許可となるケースもあり得る。対象は現在規制されている半導体材料3品目から,電子部品や工作機械など1,000品目以上に拡大するともいわれ,韓国で半導体に次ぐ主要産業である石油化学製品や自動車産業も多大な影響を受けることになりそうだ。