Valiant2004.9月号

■社会保険庁
 中央省庁に直属し、独立官庁のような性質を持つ機関で、厚生労働省の外局。本庁は東京・霞が関にあり、地方支分部局として各都道府県に地方社会保険事務局がある。またその出先機関として社会保険事務所がある。国民年金や厚生年金、政府管掌健康保険などの手続や保険料徴収、年金給付などを行う。
 損害保険ジャパン前副社長の村瀬清司氏が、社会保険庁長官に民間人として初めて就任した。これまでは同庁出身のキャリア官僚が就任していたが、4割近い国民年金保険料の未納問題の放置、保険料の無駄遣い問題などを受け、厚労省大臣は、同庁の改革を目的に民間人を起用した。就任会見で村瀬氏は、年金問題等の根幹原因である同庁の本格的改革に意欲を見せた。

■司法取引
 米国特有の制度。検察側と被告側がする取引で、被告側が有罪を認める代わりに、検察側が刑を軽くしたり、他の訴えを取り下げるなどする。刑事事件で最後まで争うには多くの費用と時間が掛かるため、それを節約し、裁判の早期決着を図るのが目的。
 米政府は、北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさんの夫で、元脱走米兵であるジェンキンスさんに対して、脱走など四つの罪で訴追する構えは崩していない。ベーカー米駐日大使が、自民、公明両党の幹事長との会談で、司法取引による解決策に初めて触れ、それを受け日本政府は、ジェンキンスさんが北朝鮮情報を提供する見返りに米政府が減刑に応じる形を軸に解決策を模索している。

(本誌「KEY WORDS」より抜粋)