Valiant2004.9月号

 「コカ・コーラを飲むと骨が溶けるって本当?」工場見学で子供たちから出る一見くだらない質問にも、手慣れた広報担当は、きちんと答えてくれます。
 「コカ・コーラを飲んでも、骨は溶けません。骨が溶けてしまうような飲み物は、そもそも食品として認められるはずがありませんよね」なるほど。「歯が溶けるとも言われますが、お酢だって、長い時間漬けておけば歯はボロボロになってしまいます」納得。そして我々は気付きます。「そもそも骨が溶けるなんて、誰が言い始めたんだ?」と。
 検証されずに独り歩きするあいまいな予測がもたらす危険。それは、かつての暑い夏、「こうあってほしい」をいつの間にか「こうあるはずだ」に変え、大日本帝国を敗戦へと導きました。
 半藤一利さんは、『昭和史1926-1945』でこう結びます。「それにしても何とアホな戦争をしたものか。この一語のみがあるというほかはないのです。」
 私、感慨に浸りつつも、飲むのはやはりただの水(脂肪が溶けます・笑)です。(M)