Valiant2005.5月号

■新株予約権
 企業が発行する株式を特定の価格で購入できる権利。2002年4月施行の改正商法で新設。自社株購入権(ストックオプション)を使いやすくするのが当初のねらいだった。しかし、買収先の経営者などから事前同意を得ずに株式を買い集める「敵対的買収」に対抗する策としてクローズアップされた。
 企業買収を図るライブドアへの対抗策として、ニッポン放送は新株予約権の発行を決めた(フジテレビを引受先)。しかし、その発行の、主な目的が「特定の株主の議決権を下げるため」となると、経営権の維持のための増資を禁じた商法に違反する。さらに、発行株式が増加することにより、株価が下落し、既存の株主が損をする可能性があることなどが指摘されている。

■受動喫煙症
 周囲の人の喫煙で、たばこを吸わない人が「受動喫煙」(間接的にたばこの煙を吸ってしまう)によって発症した健康被害の総称。日本禁煙推進医師歯科医師連盟(たばこ問題に取り組む医師らで結成)が新たに定義し、日本初となる受動喫煙被害の診断基準の作成を開始した。「レベル0:正常」(受動喫煙が全くない)から、「レベル5:重症受動喫煙症」(肺がんなどの発症に至る)まで6段階に分類。診断書にも「業務中の受動喫煙で発症したと推定」などと記述する。
 これまで、たばこを吸わない人が受動喫煙の被害(職場など)を訴えようとしても、診断基準がないことから、たばことの因果関係の立証が困難であった。

(本誌「KEY WORDS」より抜粋)