Valiant2006.1月号

■タリウム
 静岡県の高1女子生徒が母親の食事や飲み物にタリウムを混入し、殺害しようとした容疑で昨年10月末に逮捕された。タリウムは硫化鉱物の中に存在し、常温では銀白色の柔らかい重金属。強い毒性をもつため、酢酸との化合物である酢酸タリウムは殺鼠剤として世界中で使われており、薬局やインターネット販売などで入手が可能だ。
 無味無臭だが成人の致死量は1g。少量の摂取でも皮膚や消化器官、肺などから吸収され、体内に蓄積されて慢性症状を示す。吐き気や頭痛などの急性中毒症状に始まり、知覚異常や痙攣、消化管出血などのさまざまな症状を併発しながら呼吸器や循環器の障害で死に至る。徐々に体が衰弱していくため、病死に見せかけた毒殺に使用されることもある。

■一般債振替制度
 社債、地方債、公社・公団債、円建外債などの権利移転を、これまでの登録債、現物債のような記番号管理に代えてペーパーレス化し、振替の座簿における残高増減額の記録によって行う新しい決済制度。物理的な券面発行が不要になるためコストが軽減される点、記番号による管理が廃止されることにより流通性が向上する点などがメリットに挙げられる。2006年1月10日から開始予定。

(本誌「MONTHLY KEY WORD」より抜粋)