「ホーストレーニング」とは……
ホースの取扱い方を習熟することを目標に実施するトレーニングのこと。ホースの基本延長から応用延長及びホース整理の訓練の流れをパターン化し、それを反復して行います。
現場で効率的な活動ができるように工夫されているので、ただの訓練ではなく、実戦的なものとなっています。
平成から令和へと元号も改まり、消防を取り巻く環境も日々進化、発展を続けています。
近年は火災件数が減少したため、訓練の成果を火災現場で活かすことや、火災現場を経験して「模倣して、学ぶ」機会が少なくなり、若い職員への指導方法の転換が、現実的な課題となっています。
こうした背景から、最優先で指導するべき消防隊の技術の一つとして考えついたのが、火災現場で最も重要な、ホース延長・整理を効率的に扱う技術を養うことでした。
このことから、訓練をトレーニングベースに転換して、「毎日」「少しでも」「一人でも」ホースに触ることを念頭に置き、「ホーストレーニング」として体系化させました。今回、「ホーストレーニング」を書籍化させていただきますが、本書が火災現場の状況に適したホース延長・整理に結びつき、より安全・確実・迅速な消防活動の一助となれば幸いです。
令和3年6月
大和市消防本部 消防長 板鼻 一弘