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全訂
警察行政法解説
[第三版]

編著/監修
田村 正博(京都産業大学法学部教授、社会安全・警察学研究所長。警察大学校講師兼任) 著
体裁
A5判 上製ハードカバー  616ページ
定価
3,960 円(消費税込み)
本体価格+税
3,600 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-1444-4
C3032 \3600E
発行日
令和4年9月20日
第三版発行
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著者紹介

鳥取県米子市出身。昭和52年警察庁入庁。徳島県警察捜査二課長、京都府警察捜査二課長、内閣法制局第一部参事官補、警視庁公安総務課長、警察庁総務課企画官、秋田県警察本部長、警察庁運転免許課長、警察大学校警察政策研究センター所長、内閣参事官(内閣情報調査室国内部主幹)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、福岡県警察本部長、早稲田大学客員教授等を経て、平成25年1月、警察大学校長を最後に退官。

現在、京都産業大学法学部教授、社会安全・警察学研究所長。警察大学校講師兼任。弁護士(虎門中央法律事務所)。『警察官のための憲法講義(改訂版)』、『重要条文解説警察法』(以上、東京法令出版)、『現場警察官権限解説[上・下](第三版)』(立花書房)など、警察権限の行使における考え方を分かりやすく解説した著書多数。


本書の特色

令和4年の警察法改正にいち早く対応した最新版!!

警察活動全体に通じる考え方を根底から理解できる座右の書が、
令和4年の警察法改正をはじめ、
最新の内容にもれなく対応しリニューアル。



  • 「警察行政法」の全体を理解するために考え抜かれた構成立て
  • 警察活動の基礎知識を丁寧に解説
  • 時代の変化に対応した法制度等の理解に最適

第三版のポイント

  • 令和4年の警察法改正をはじめ、個人情報保護法制、ストーカー規制法等の警察権限法制について、最新の内容にもれなく対応し、制度趣旨から深く理解できるよう解説
  • 近時の法改正と判例については、単に知識として掲載するのではなく、その「基にある考え方」を踏まえ、実務のあるべき姿を解説。特に、警察活動における情報の取得と管理については、原則を明示しつつ、様々な場面での留意点を解説。
  • 文章をより分かりやすく見直すとともに、判例の出典表記や事項索引の改良など、検索性を向上
  • その他、パワハラの防止等の組織運営についても解説をアップデート

第三版 はしがき

本書第二版の出版から7年、第二版補訂版の出版から3年が経過した。その間、警察法の改正など数多くの法律の改正や新法の制定が行われるとともに、情報の取得と管理を中心に重要な裁判例も示されている。また、初版出版以来、10年を超える時を経たことにより、これまでの記述に違和感が生まれたところもある。そこで、今回、全体にわたって記述を見直し、以下の3点を中心に改訂を行うこととした。

一つ目は、本書の内容を新たな法律に対応させることである。特に、令和5年に完成する個人情報保護法制の一元化に対応して、第7章第1節の多くの記述を改めたほか、民間の防犯カメラ等に係る個人情報保護法の適用などについて新たに書き加えている。また、小型無人機等飛行禁止法が制定されたことを踏まえ、新たにテロ対策法制の項を設けた。このほか、重大サイバー事案対処における国の直接執行を認めた警察法改正など、重要な法律改正については、内容だけでなく、その意義、考え方をできるだけ明らかにするように努めている。他にも、ストーカー規制法、銃刀法、道交法、地方公務員法、労働施策総合推進法など多くの法改正を受けて、必要な記述を追加・修正している。

二つ目は、近時の法制と判例の基にある考え方を踏まえた実務の在るべき姿を、できるだけ示すように努めたことである。特に情報の取得と管理に関しては、明確な法的規制が少ない中で、問題の重大性の認識に欠けた運用事例が散見されることを踏まえ、原則を明確に伝えることとあわせて、様々な場面での記述を充実させ、要配慮個人情報の取扱い上の原則などについても新たに記述を加えた。また、超過勤務時間上限制の導入やパワーハラスメントの防止義務の法制化などを受けた警察の組織管理の今日的な在り方についても、できるだけ記述するよう努めている。

三つ目は、本書の表現を今の時点で有意義なものとするように努めたことである。文章上の表現のみならず、今日の検索社会に対応して、判例の出典表記も裁判所ウェブサイトを中心とするようにしている。

本書初版、第二版とも、筆者の想定を超える多くの方々に読まれ、いずれも外国語に翻訳出版されたことは、筆者の望外の喜びである。

本書第三版が、これまでと同様に、警察行政法に関心のある多くの方に読まれることを願っている。

令和4年7月

田村 正博


目次

  • 第1章 序論
    • 第1節 警察行政と法
      • 1 警察の存立及び活動と法
      • 2 法治主義
    • 第2節 警察と国民との関係
      • 1 警察による国民の利益保護(保護・責任関係)
      • 2 警察による権限行使対象者の権利制限(対立関係)
      • 3 警察と市民との連携による安全確保(協働関係)
      • 4 国民による警察の統制(受託・統制関係)
    • 第3節 警察法制の変遷
      • 1 旧憲法下における警察
      • 2 戦後の警察組織改革と旧警察法の制定
      • 3 現行警察法の制定
      • 4 警察活動法制の変遷
  • 第2章 警察の責務
    • 第1節 責務規定とその意義
      • 1 警察法の責務規定
      • 2 警察の責務と活動
    • 第2節 責務の内容
      • 1 個人の生命、身体及び財産の保護
      • 2 公共の安全と秩序の維持
    • [補論 警察の犯罪捜査の意義と行政法上の規律]
    • 第3節 警察の責務と関連する他の機関との関係
      • 1 権限の分配と他の機関との連携
      • 2 法律に定めのある個別の機関との関係
  • 第3章 警察活動の基本原則
    • 第1節 警察権限法制の指導理念
      • 1 指導理念の意義
      • 2 権限行使対象者の権利・自由の尊重
      • 3 国民の安全確保
      • 4 私生活の尊重と家族間暴力事案への介入
      • 5 警察の責務とその達成
      • 6 その他
    • [補論 「警察権の限界」論とその誤り]
    • 第2節 警察権限法執行上の留意事項
      • 1 法律の規定の遵守と目的外行使の禁止
      • 2 権限行使の義務
      • 3 過剰な権限行使及び偏った権限行使の禁止
    • 第3節 法律の根拠のない活動の限界
      • 1 強制にわたることの禁止
      • 2 警察の責務の範囲
      • 3 相手方の不利益を上回る公益上の必要性
  • 第4章 警察活動の法的類型
    • 第1節 行政処分
      • 1 行政処分の意義
      • 2 意思決定と表示
      • 3 行政処分の手続
      • 4 行政機関の裁量とその統制
      • 5 行政処分の取消しと撤回
      • 6 行政処分違反者に対する措置
      • 7 許可
      • 8 命令(下命)
      • 9 その他の行政処分
    • 第2節 強制的事実行為
      • 1 行政強制の意義
      • 2 行政上の強制執行
      • 3 即時強制
      • 4 刑罰を背景にした事実行為
    • [補論 行政上の義務履行確保のための手段]
    • 第3節 任意活動
      • 1 意義
      • 2 国民の権利・自由に関連する事実行為
      • 3 一般の事実行為
    • [補論 行政立法、行政契約、私法的活動]
  • 第5章 警察官職務執行法
    • 第1節 警察官職務執行法総説
      • 1 意義
      • 2 特徴
    • 第2節 職務質問
      • 1 意義
      • 2 職務質問の要件
      • 3 停止・質問
      • 4 車両の停止措置(車両検問)
      • 5 所持品検査
      • 6 同行要求
      • 7 凶器捜検
    • 第3節 保護
      • 1 意義
      • 2 保護の対象
      • 3 保護の実施とその後の手続
    • 第4節 危険時の措置
      • 1 意義
      • 2 対象となる事態
      • 3 警告、避難等の措置
    • 第5節 犯罪の予防・制止
      • 1 意義
      • 2 警告
      • 3 制止
    • 第6節 立入り
      • 1 意義
      • 2 危険時の立入り
      • 3 公開の場所への立入り
    • 第7節 武器の使用
      • 1 意義
      • 2 人に危害を加えない使用
      • 3 人に危害を加える使用の許容要件
  • 第6章 主要警察権限法制
    • 第1節 警察権限法制の概要と個人保護法制
      • 1 警察権限法制の概要
      • 2 ストーカー規制法をはじめとする個人保護法制
      • 3 被害者支援法制
    • 第2節 安全確保法制
      • 1 銃砲刀剣類所持等取締法をはじめとする安全確保法制
      • 2 道路交通法
    • 第3節 その他の法制
      • 1 暴力団対策法とその他の暴力団対策法制
      • 2 犯罪対策法制
      • 3 風俗営業適正化法とその他の公共利益保護法制
      • 4 国際連携のための法制
      • 5 テロ対策法制
  • 第7章 警察における情報の取得と管理
    • 第1節 情報に関わる法的規律
      • 1 情報の重要性と法的枠組み
      • 2 情報に関して規律する法律
    • 第2節 情報の取得
      • 1 警察の情報取得における一般原則
      • 2 本人以外からの情報取得
      • 3 防犯カメラ等による情報の取得
    • 第3節 情報の保管と利用
      • 1 情報の保管における基本原則
      • 2 個人情報ファイルの事前通知とファイル簿の公表
      • 3 本人開示、訂正及び利用停止
      • 4 警察による情報の利用
      • 5 情報の提供
  • 第8章 国民・住民による警察の統制
    • 第1節 警察組織の基本と国民・住民による警察の統制
      • 1 警察組織の基本
      • 2 国民・住民による警察の統制のための諸制度
    • 第2節 公安委員会と警察法上の制度
      • 1 公安委員会による政治的中立の確保
      • 2 公安委員会による警察の管理
      • 3 公安委員会規則等の制定
      • 4 警察署協議会
    • 第3節 警察事務の地方分権と地方自治法上の制度
      • 1 警察事務の地方分権
      • 2 都道府県の機関
      • 3 住民による統制
      • 4 条例
    • 第4節 情報公開制度
      • 1 情報公開制度の意義
      • 2 行政文書の開示手続と不服申立手続
      • 3 不開示情報
  • 第9章 都道府県警察
    • 第1節 都道府県警察の組織
      • 1 都道府県公安委員会
      • 2 都道府県警察の実働組織
      • 3 都道府県警察相互の関係
    • 第2節 警察官の権限行使に関する組織法
      • 1 警察官の適正な権限行使に向けた諸制度
      • 2 管轄区域と権限行使
      • 3 管轄区域外の権限行使
    • 第3節 都道府県警察の職員
      • 1 都道府県警察の職員に係る基本的事項
      • 2 職員の採用・人事管理及び離職
      • 3 公務員としての義務と不利益処分
      • 4 公務員としての権利と都道府県警察の義務
  • 第10章 国の警察機関
    • 第1節 国の警察機関の事務と都道府県警察への関与
      • 1 国の警察機関の事務
      • 2 都道府県警察への国の関与
    • 第2節 国の警察組織と職員
      • 1 国家公安委員会
      • 2 警察庁
      • 3 国の警察職員
  • 第11章 行政救済法
    • 第1節 国家賠償制度
      • 1 意義
      • 2 公務員の不法行為による国家賠償
      • 3 営造物の設置・管理の欠陥による国家賠償
    • 第2節 行政不服申立て
      • 1 意義
      • 2 不服申立ての対象
      • 3 不服申立人と申立先
      • 4 審査請求に対する審理と裁決
    • 第3節 行政事件訴訟
      • 1 意義
      • 2 行政事件訴訟の種別
      • 3 取消訴訟
  • 事項索引

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