警察実務は判例によって動いているといっても過言ではなく、 昇任試験問題の多くも、 確立された判例から出題されます。 刑法では、 判例の学習を通じて、 条文の構成要件をしっかり押さえておくことが、 擬律判断には欠かせません。 また、 刑事訴訟法では、 判例の学習を通じて、 法が適用される捜査実務の場面に即して、 問題の解決指針を押さえておくことが欠かせません。
そこで本書では、 SA・論文試験での出題実績があるもの、 これから出題が予想されるものを取り上げ、 重要条文ごとに判例要旨をできるだけコンパクトにまとめました。
また本書は、 事例式問題で、 刑法各論の犯罪の成否に、 総論を絡めた出題が多いことを踏まえ、 「刑法総論」 の分野についても、 類書よりも分厚くフォローしており、 刑事訴訟法における手続が適法かどうかを判断するのに必要な範囲で、 事案の概要もコンパクトに登載しました。
これから昇任試験に挑戦される皆様の、 難関突破の足がかりとなれば幸いです。
平成22年7月
編 者