我が国社会は、経済発展に伴い急速な変貌を遂げている。とりわけ、自動車等道路交通分野は、高速道路の発達と相まって物流や人の交流等の基盤となり、社会生活の基本インフラとなっている。このような状況の下、交通警察をめぐる諸課題も様々な分野にわたっており、危険運転致死傷罪などの新たな刑事法制の導入も行われている。
本書は、昭和60年以降における交通警察に関する主要判例77件を取り上げ、現場において交通警察に携わる実務家の参考となるようまとめたものである。
本書では、各判例について、それぞれ見出しを付けた上、判例理解のためのポイント、事案概要、判決(決定)要旨、解説を見開き2頁にコンパクトにまとめている。また、判例内容を精査して、交通警察の主要課題ごとに区分けし整理している。
本書が、交通警察を担当する実務家の参考となるとともに、交通警察実務に関心のある方の参考となれば幸いである。また、関連判例等については、「実務に役立つ最新判例77選」シリーズの生活安全警察編、刑法・特別刑法編、捜査手続編にも一部掲載している。参考にしていただきたい。
平成25年2月
江原 伸一