関連分野   消防・防災/救急  

指導救命士標準テキスト

編著/監修
監修 一般社団法人 日本救急医学会
     一般社団法人 日本臨床救急医学会
編著 救急業務のあり方に関する検討会
体裁
A4判  200ページ
定価
2,750 円(消費税込み)
本体価格+税
2,500 円+税
発行日
平成27年12月10日
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本書の特長

指導救命士を中心とした教育体制の礎となるテキストがついに完成!

  • 経験豊富な現役救急救命士が分担執筆。現場での活動に根ざしたノウハウが満載。
  • 消防庁が示す“指導救命士養成カリキュラム”に基づき、学習内容を整理・明確化。
  • 各消防本部・養成機関で研修計画を作成する際の参考として活用可能。
  • 指導救命士養成だけでなく、救急業務に携わる全職員の生涯学習に役立つ参考書。

はじめに

昭和38年に救急業務が法制化され、昭和61年に消防法が改正されたことにより、救急業務の対象範囲と応急処置について法的に明確化された。その後、病院前救護の充実に向け、高度な応急処置を行う国家資格創設のため、平成3年に救急救命士法が制定された。

この一連の流れは、救命率の向上や救急業務の適正な実施に向けた取り組みの歴史であり、救急隊員の不断の努力による進歩の歴史である。

他方で、位置づけの変化という観点からは、医療現場とは異なる場として救急・搬送の場が明確に位置づけられ、「病院前救護活動」「救急業務」が一つの専門分野として確立されていく歴史とも言える。位置づけが明確化するとともに、その期待される役割が変化・増大する中で、救急隊員はその経験を共有し、反省と改善を繰り返すことで、独自の専門性を確立してきた。

そして、救急救命士法制定後、20年の歴史を歩んできた中で、多くの経験を積み重ね、将来に向け、自立と自律をした救急隊員を追求しつつ、生涯教育体制の中心となる人材としての指導救命士について、「平成25年度救急業務のあり方に関する検討会報告書」の中で明示された。また、あわせて、その生涯教育に関する全体像が「救急業務に携わる職員の生涯教育の指針Ver. 1」として消防庁から示されている。

本テキストにも記載がある「救急現場学」との言葉に表れるように、救急現場には救急隊員だからこそ分かる多数のノウハウがある。それらを後進に適切に伝えていくことは、救急業務の質を向上させていくためには不可欠である。また、救急業務は、医師の指示・助言のもとに実施されるべきであるが、他方で医師に過度に頼るのではなく、学んだことを他の救急隊員と適切に共有し、自らでできることは自らで実施するといった専門職としての自覚も極めて重要である。

本テキストは、「平成25年度救急業務のあり方に関する検討会報告書」で示された指導救命士の養成カリキュラムに沿って作成された。前述の理念を体現するために、現場で活躍する救急救命士自身が執筆していることは本テキストの一つの特徴である。

なお、内容に関しては病院前救護体制に最も関係の深い一般社団法人日本救急医学会と一般社団法人日本臨床救急医学会による監修を経ている。

これまで、救急業務が成長してきたことと同様、指導救命士制度も改善や成長をしていくと確信している。本テキストは、あくまで基本となる考え方を中心とした内容としているので、現場の指導救命士をはじめ全国の救急業務に携わる方々からの声を反映し、今後、一定の期間ごとに内容を見直し、充実を図っていく予定である。

そうした本テキストの背景を踏まえ、消防本部や養成機関においては、メディカルコントロール下での病院前救護を担う救急隊員の質の向上に是非とも役立てていただきたい。

結びとして、非常に多忙な中で、救急業務の将来のために時間を捻出し、指導救命士制度の礎となるテキストの作成にご尽力いただいた方々に対して、この場を借りて改めて御礼を申し上げる。

平成27年12月吉日

救急業務のあり方に関する検討会 座長 山本 保博


発刊にあたって

本テキストは多数の人々の協力の上に成り立っている。

まず、もっとも大きな貢献をされたのは執筆と編集の立場で携わった救急救命士である。平成26年から約1年半の間、「救急業務のあり方に関する検討会」に設置されたワーキンググループ委員として、通常の業務があり非常に多忙な中で、救急業務の将来のために時間を捻出し、指導救命士制度の礎となるテキストを作成いただいた。本テキストは、現場を知る者にしか書くことのできない実感あふれるものであり、素晴らしいものが完成したと感じている。

さらに、これまでの豊富な指導経験に基づき、本テキストの趣旨を踏まえて救急救命士の自主性を尊重しつつ、テキスト作成段階からその進め方や論点に対し、適切なアドバイスをいただいた一般財団法人救急振興財団救急救命九州研修所 郡山一明 教授、一般財団法人救急振興財団救急救命東京研修所 田邉晴山 教授である。両教授には、救急救命士が作成した原稿を医師の視点から編集いただき、建設的な意見を多数寄せてもらい、本テキストの質の向上に向け大きく貢献された。

また、メディカルコントロール体制を踏まえ、病院前救護体制で密に連携が求められる「一般社団法人日本救急医学会」及び「一般社団法人日本臨床救急医学会」からは監修委員として香川大学医学部 黒田泰弘 教授、大阪市立大学医学部 溝端康光 教授をそれぞれ推薦いただいた。お二人には、平成26年秋から参画いただき、より多様な観点に基づきテキストの内容を充実させるとともに、救急隊員のみならず、メディカルコントロール体制における指示、指導・助言、及び救急隊員研修に携わる医師にとっても有用となるテキストが完成したと感じている。

本テキストに未成熟な部分があるとすれば、作成責任者たる私の責任であり、逆に分かりやすい面、参考になる面があれば、それはこのテキストに関与いただいた全ての方々のご尽力の賜物である。

本テキストが指導救命士のみならず、救急業務に携わる全ての人々にとって少しでも役立つことを願っている。

平成27年12月吉日

救急業務のあり方に関する検討会

指導救命士ワーキンググループ長 山口 芳裕


目次

  • 機|亮
    • 第1 医学と教育
      • 1 救急隊員のための医学概論
        • 1 医療に携わる者としての倫理
        • 2 医学用語の持つ役割
        • 3 病院前救護で救急隊員に求められる医学知識
        • 4 救急業務に携わる職員に求められる医学知識
        • 5 生涯学習の必要性
    • 第2 消防行政
      • 1 救急業務と関係法令
        • 1 救急業務に携わる者が理解しておかなければならない関係法令
        • 2 法令を守るということ
    • 第3 救急実務
      • 1 消防組織とメディカルコントロール
        • 1 消防組織とメディカルコントロールの関係
        • 2 地域メディカルコントロール協議会の役割
      • 2 救急隊長要務
        • 1 救急隊長が果たすべき責務の理解
        • 2 救急業務におけるトラブル対応
    • 第4 救急業務の研究
      • 1 救急業務と統計学
        • 1 エビデンスと病院前救護活動
        • 2 エビデンスと救急業務の関わり
        • 3 救急統計を地域の施策に反映させる取組み
  • 供ゝ蚕
    • 第1 現場活動総論
      • 1 救急活動技術
        • 1 救急救命士が救急救命士及び救急隊員を教育、指導する必要性
        • 2 救急救命士に必要な救急活動上の知識と技術
        • 3 隊員間連携の重要性
        • 4 PA連携の必要性と各隊の活動
        • 5 ドクターヘリ、ドクターカー及びDMATとの連携
    • 第2 救急活動各論
      • 1 基本手技の確認
        • 1 基本手技
        • 2 特定行為
        • 3 シミュレーション訓練と評価
      • 2 安全管理・観察・処置
        • 1 各種マニュアル(プロトコル・要領・ガイドライン等)の意義
        • 2 トラブル症例の分析方法
        • 3 トラブル・失敗症例のデータ蓄積と活用
        • 4 トラブル発生時の心理状況
        • 5 危険予知訓練(KYT)手法の活用
        • 6 訓練企画立案例
        • 7 安全な救急活動を目指して
        • 8 指導救命士として
        • 9 サマリーを用いた処置観察要領
      • 3 接遇要領
        • 1 接遇とは
        • 2 救急現場における接遇の必要性
        • 3 言語によるコミュニケーションと非言語コミュニケーション
        • 4 コミュニケーションの基本動作
      • 5 救急現場における接遇対応
        • 6 救急活動時における言動の注意点
        • 7 ケーススタディ 〜トラブル事例と防止策の検討〜
        • 8 まとめ
      • 4 救急現場学(経験的知識・技能・対応)の構築
        • 1 現場活動の視点から
        • 2 安全管理の視点から
        • 3 関係機関等との連携の視点から
        • 4 現場を処置室へ変えるスキル
        • 5 傷病者との関係
        • 6 自主性と自律性(ミニドクターではない)
        • 7 制限された時間と救命処置
    • 「技術」効果の確認等
  • 掘〇愼
    • 第1 教育概論
      • 1 成人教育法
        • 1 指導理念
        • 2 指導の進め方
        • 3 トレーニングシナリオの作成
        • 4 積極的な生涯学習のための環境作り
    • 第2 教育技法
      • 1 評価技法
        • 1 主眼の明確化
        • 2 シナリオトレーニングによる評価
      • 2 コミュニケーション技法
        • 1 訓練指導時等におけるコミュニケーション
        • 2 日常業務におけるコミュニケーション
        • 3 対象者に合ったコミュニケーション
      • 3 プレゼンテーション技法
      • 1 プレゼンテーション・ツールを活用するメリット
        • 2 効果的な資料の作成方法
        • 3 視覚化の注意点
        • 4 対象者を意識したプレゼンテーション
        • 5 プレゼンテーション能力向上の取組み例
      • 4 事例提示技法
        • 1 事例提示の意義
        • 2 事例提示の具体的手法
「指導」効果の確認等
  • 検]携
    • 第1 救急救命士の再教育
      • 1 症例検討会の計画と運営
        • 1 症例検討会の意義
        • 2 症例検討会の計画
        • 3 症例検討会の運営
      • 2 対象者の習熟度に合わせた病院実習カリキュラムの計画
        • 1 救急救命士の習熟度の把握方法
        • 2 医療機関との連携
        • 3 病院実習カリキュラムの作成方法
      • 3 実践技能コースの計画と連携
        • 1 実践技能コース
        • 2 医師との連携
        • 3 自己啓発
      • 4 集中講義の計画と連携
        • 1 評価・フィードバック
        • 2 メディカルコントロールとの連携
    • 第2 救急活動事後検証
      • 1 救急活動事後検証のあり方(検証結果とフィードバック)
        • 1 PD CAサイクル
      • 2 事後検証の実際
        • 3 検証結果のフィードバック(伝達・指導)
    • 「連携」効果の確認等
  • 后〜躪腑轡潺絅譟璽轡腑
    • 総合シミュレーション
    • 今後に向けて
      • 1 指導救命士としての活躍に向けて
      • 2 個としての向上に向けて

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