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薬物犯罪の捜査
―捜査官のための基礎知識と応用判断―

編著/監修
城 祐一郎 著
体裁
A5判  720ページ
定価
5,500 円(消費税込み)
本体価格+税
5,000 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-1513-7
C3032 ¥5000E
発行日
令和8年9月1日
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本書の特長

変化する薬物犯罪に、実務で使える判断力を!


大麻事犯をはじめ、薬物犯罪の手口は急速に変化しています。本書は、薬物犯罪捜査における擬律判断、捜査手続、証拠収集の留意点を、具体的な事例や裁判例を交えて解説する実務書です。「問題の所在」「設例」「問と解答」による構成で、現場で迷いやすい論点を分かりやすく整理しています。警察関係者をはじめ、検察・法曹界関係者にも有用な一冊です。


  • 実務上重要な論点を具体的に解説。
  • 現場で迷いやすい論点を「問題の所在」「設例」「問と解答」で紹介。実践的な理解を助ける構成。
  • 捜査・証拠収集の留意点も整理。
  • 大麻事犯等の最新情勢にも対応。

はしがき

我が国において、薬物犯罪の撲滅は難しく、全体としては減少傾向にあるものの大麻の濫用などは増加傾向にあり、今後も予断を許さない状況にある。しかしながら、違法薬物の蔓延に関していえば、他国と比較した場合、我が国は極めて実害の少ない国や地域の一つと言ってよいと思われる。


以前、筆者のところに、スウェーデンのジャーナリストが、我が国における薬物犯罪の発生率の低さが驚異的であるとして、その理由を求めて取材に来たことがあった。同人の説明では、スウェーデンは、高福祉による安全で平和な国のように思われているかもしれないが、現在では、銃器犯罪や薬物犯罪が多発し、決して自慢できるような国ではないとの話であった。それが真実かどうかはともかくとしても、我が国の薬物犯罪の発生率は、他国よりは相当に低いものと評価されてよいであろう。


そこで、その際、その理由を聞かれたのであるが、たしかに我が国の国民性として、薬物依存への嫌悪感や社会的な非難が大きく、社会からの監視があるため、一般人が薬物に手を染める危険性が低いということはあると思われたものの、それだけではないであろう。


やはり、薬物犯罪の取締りが適切かつ的確に行われており、それが薬物犯罪の発生の抑止につながっているものと思われる。具体的には、警察庁や各都道府県警の薬物対策課や、厚生労働省の麻薬取締部が、昼夜を問わず、薬物の取締り、摘発、検挙、更には、逮捕等の強制捜査に尽力してくれているからであると思われる。

特に、危険ドラッグが広がり始めた時、これは国家的な危機であるとして、速やかに対応し、その蔓延を防止するための必要な立入調査などを実施して、その撲滅を図った警察の薬物対策課や厚生労働省の麻薬取締部の働きには顕著なものがあり、実際上、危険ドラッグの蔓延を未然に抑え込んだことについては、大いなる賞賛に値するものと評価されている。


このようなことを考えて、薬物犯罪撲滅のために地道に働いておられる捜査官の方々に、少しでもお役に立てるものを提供できればと思い、本書を上梓した次第である。そのため本書は、さまざまな事態を想定して対応方針を検討することを前提とし、

  • 問題の所在〜検討する内容(テーマ)の設定
  • 設例〜裁判例を参考とした事件(事態)の設定
  • 問と解答〜テーマに則し、基本的事項、背景等の設定、解説
を経て、設例の解答を導く構成とした。

薬物犯罪者、そして、それを擁護しようとする弁護人らと闘うためにも、本書において論述した裁判例や理論等を身に付けて、全国民のために奮闘していただきたいと思うところである。もちろん、どのような準備をしても想定外の事態を完全に防ぐことはできないものの、さまざまな事態を想定しながら対応方針を綿密に検討することで、想定外の事態にもある程度対処できるだけの能力を身に付けて対処できるようになるものと思われる。本書が一般国民を薬物犯罪から守ろうとする捜査官の一助になれば、望外の喜びである。


なお、本書の作成に当たっては、多くの研究者の方々にお世話になっており、なかでも、昭和医科大学薬学部毒物学講座沼澤聡教授(当時)には、覚醒剤の自己使用事犯において、同室内の他人が煙化して吸引していた覚醒剤を自らも吸ったため尿から覚醒剤反応が出たにすぎないとの主張を覆すため、この主張が化学的に成立しないことを立証するための研究を実施していただき、その成果物としての論文「ヒトにおけるメトキシフェタミンの煙吸入後のメトキシフェタミンとその代謝物の尿中プロファイル:能動的曝露と受動的曝露の区別を目指して」(上記表題は和訳したもの)を公表してもらっているところ、これを本書に掲載させていただいたことに深く感謝している次第である。

また、本書における大麻等の写真については、昭和医科大学特任教授・昭和医科大学富士山麓自然・生物研究所長の平井康昭氏のご厚意により提供していただいたものである。ここに心からの謝意を表したい。

令和8年7月

昭和医科大学医学部法医学講座 教授 薬学博士 城 祐一郎


目次

  • 第1編 総論
    • 第1章 覚醒剤取締法違反
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 「覚醒剤」とは何か、どのようなものを指すのか。
        • 問2 「覚醒剤原料」とは何か、どのようなものを指すのか。
        • 問3 覚醒剤取締法の制定の経緯は、どのようなものであったのか。
        • 問4 覚醒剤の濫用状況は、どのように変化してきているのか。
        • 問5 覚醒剤取締法は、どのような改正がなされてきたのか。
        • 問6 再犯の状況はどのようになっているのか。
        • 問7 覚醒剤取締法における主な刑罰は、どのように規定されているのか。
        • 問8 罰則に関する条文で「みだりに」という表現が繰り返し出てくるが、これはどういう意味であるのか。
        • 問9 覚醒剤の依存性のメカニズムはどのようなものか。
        • 問10 不純物を混ぜたものも「覚醒剤」として扱ってよいのか。また、問題となる量が少なくても、「覚醒剤」に該当するとしてよいのか。
        • 問11 対象となる物質が覚醒剤であるかどうかは、どのようにして鑑定するのか。
        • 問12 尿中の覚醒剤の有無については、どのように鑑定するのか。
        • 問13 覚醒剤の予試験は、どのようにして行われているのか。
        • 問14 設例については、どのように考えるべきか。
        • 問15 押収した覚醒剤が大量であった場合、その全てについて鑑定する必要があるのか。
        • 問16 主観的要件として、覚醒剤であることについてどの程度の認識が要求されるのか。
        • 問17 塩酸エフェドリンを所持していた被疑者が、これが覚醒剤原料であるとは知らなかったと主張した場合、どのような対応が求められるのか。
    • 第2章 麻薬及び向精神薬取締法違反
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 麻薬及び向精神薬の濫用状況は、どのようになっているのか。
        • 問2 麻薬等取締法で規制されている麻薬の概要及び規制内容は、どのように定められているのか。
        • 問3 各麻薬の特徴は、どのようなものであるのか。
        • 問4 麻薬原料植物は、どのようなものがあるのか。
        • 問5 麻薬等取締法における麻薬に対する刑罰の内容は、どのように定められているのか。
        • 問6 麻薬等取締法で規制されている向精神薬に関してどのように規定されているのか。
        • 問7 各向精神薬の作用機序及び特徴等は、どのようなものか。
        • 問8 マジンドールには、どのような薬理作用があるのか。
        • 問9 麻薬等取締法における向精神薬に関する刑罰の内容は、どのように定められているのか。
        • 問10 睡眠薬は、種々の犯罪の手段として用いられることがある。殺人で用いられることはあるのか。
        • 問11 睡眠薬の投与が傷害罪を構成することがあるのか。
        • 問12 睡眠薬の投与が準強姦罪(令和5 年の刑法改正前)の手段として用いられる場合は多いが、具体的な裁判例はあるのか。
        • 問13 マジンドールの投与が犯罪として問題とされた事例はあるのか。
        • 問14 フェンタニルとは、どのようなものであるのか。
    • 第3章 大麻関連法違反
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 大麻の濫用について、現状はどのようになっているのか。
        • 問2 大麻は、これまでどのように規制されてきたのか。
        • 問3 令和5 年12月の改正以前の大麻取締法は、「大麻」についてどのように規定していたのか。
        • 問4 改正前大麻取締法1 条にいう大麻草(カンナビス・サティバ・エル)とは、どのようなものであるのか。
        • 問5 大麻草には、「カンナビス・サティバ・エル」の他には存在しないのか。どのようなことが問題とされたのか。
        • 問6 大麻草は、「カンナビス・サティバ・エル」に限定されるのかどうかについて、裁判例ではどのように判示されていたのか。
        • 問7 大麻草に含まれる成分にはどのようなものがあり、そのうちの何が問題であるのか。
        • 問8 改正前大麻取締法1 条本文にいう「製品」とは、どのようなものを指していたのか。
        • 問9 改正前大麻取締法が大麻に該当しない大麻草の部分を認めたのはなぜか。
        • 問10 大麻取締法は、大麻草の栽培の規制に関する法律という名称になり、麻薬及び向精神薬取締法においては、大麻が麻薬として指定された。令和5 年12月の法改正がなされた趣旨はどこにあるのか。
        • 問11 「大麻草から製造された医薬品の施用等を可能とするための規定の整備」が必要とされることについて、我が国における従来の対応及び国際的な潮流はどのようになっているのか。
        • 問12 千九百六十一年の麻薬に関する単一条約においても、大麻に関する規制の分類が変更されたことは、大麻の危険性に対する認識が下がったということなのか。
        • 問13 「大麻等の施用罪の適用等に係る規定の整備」に関して、従来、施用罪を設けていなかった理由はどこにあるのか。
        • 問14 なぜ施用罪を創設したのか。
        • 問15 施用罪を創設しなければならないほど大麻は危険であるのか。
        • 問16 改正法による「大麻」及び「麻薬」の概念は、どのようなものとされたのか。
        • 問17 大麻について麻薬施用罪が創設されたが、これはどのようなものか。
        • 問18 施用罪の立証に当たって問題はないのか。
        • 問19  CBD製品についてもTHCが微量に残留する場合は、どのように対応したらよいのか。
        • 問20 改正麻薬等取締法では、前駆物質についてどのような規制を設けているのか。
        • 問21 大麻の栽培者に関してはどのような規制がされたのか。
        • 問22 栽培者以外の者による栽培に対する罰則はどのように規定されているのか。
        • 問23 「大麻グミ」などについては、どのような規制がなされているのか。
        • 問24 設例については、どのように考えるべきか。
        • 問25 大麻を合法化したとされる国々の実情は、どのようなものか。
        • 問26 大麻合法化に対する国際的な潮流は、どのようなものであるのか。
    • 第4章 あへん法及び刑法
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 「けし」とは、どのようなものを指すのか。
        • 問2 「あへん」とは何か。
        • 問3 刑法では、あへんに関する種々の行為に対して、どのような刑罰を科しているのか。
        • 問4 あへん法は、刑法での禁止行為について、どのような刑罰を科しているのか。
        • 問5 刑法の刑罰規定とあへん法の刑罰規定との関係では、法の適用上、どのような結論となるのか。
        • 問6 刑法で規定されておらず、あへん法で禁じられている行為にはどのようなものがあり、それに対して、どのような刑罰が科されるのか。
        • 問7 あへんの濫用状況は、どのようになっているのか。
        • 問8 設例については、どのように考えるべきか。
    • 第5章 危険ドラッグ
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 医薬品医療機器等法は、どのようなことを規制しているのか。
        • 問2 医薬品医療機器等法で規定している「医薬品」とは何を指すのか。
        • 問3 いわゆる脱法ハーブが問題となった当時、どのような対策をとっていたのか。
        • 問4 指定薬物制度は、いつどのようなものとして新設されたのか。また、その刑罰はどのようになっているのか。
        • 問5 新設された指定薬物制度には、どのような問題があったのか。
        • 問6 前記のような問題点に対処するため、どのような方策がとられたのか。
        • 問7 危険ドラッグ「ラッシュ」は、亜硝酸イソブチルが指定されたことから、指定薬物となったところ、この点に関して判断を示した裁判例はないか。
        • 問8 指定薬物としての新規の指定にタイムラグが起きた際の対処として、参考になる裁判例はないか。
        • 問9 危険ドラッグを濫用したことにより惹起された重大事件としては、どのようなものがあるのか。
        • 問10 危険ドラッグの濫用状況は、現在どのようになっているのか。
        • 問11 設例については、どのように考えるべきか。
    • 第6章 有機溶剤
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 有機溶剤の吸引等は、何が問題なのか。
        • 問2 有機溶剤の濫用の現状はどうか。
        • 問3 毒劇法では、どのようなものを「毒物」「劇物」としているのか。
        • 問4 毒劇法では、その濫用に対して、どのような規制が課せられ、どのような刑罰が科せられているのか。
        • 問5 設例については、どのように考えるべきか。
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 歴史的にみて、薬物犯罪とマネー・ローンダリングは、どのように関わってきたのか。
        • 問2 薬物犯罪収益を没収等するための国際的な動きはどのようなものであり、それに対して我が国もどのような対応をとったのか。
        • 問3 麻薬特例法は、どのような目的で制定されたのか。
        • 問4 麻薬特例法によって新たに認められた捜査手法は何か。
        • 問5 コントロールド・デリバリーは、特定の令状などを取る必要はあるのか。
    • 第7章 麻薬特例法における各種規制
      ―特にマネー・ローンダリングを中心として
      •  
        • 問6 クリーン・コントロールド・デリバリーの場合、捜査機関によって、隠匿されていた規制薬物が抜き取られているのであるから、これを受け取った者に譲受け罪は成立しないのではないのか。
        • 問7 クリーン・コントロールド・デリバリーが実施された事案において、参考になる裁判例はないか。
        • 問8 コントロールド・デリバリーが実施され、関税法上の禁制品輸入罪は未遂になっていたはずであるが、コントロールド・デリバリーが実施されても未遂となるのか。
        • 問9 規制薬物を所持して我が国に入国しようとする「人」に対するコントロールド・デリバリーは可能なのか。
        • 問10 麻薬特例法5 条は、業として行う不法輸入等の罪を定めているが、これは、どのような刑罰であるのか。
        • 問11 麻薬特例法5 条違反として、参考になる近時の裁判例はあるのか。
        • 問12 麻薬特例法は、薬物犯罪収益に対するマネー・ローンダリングについて、どのような刑罰を定めているのか。本法6 条においてはどうか。
        • 問13 問12の2 に該当する事案は、どのような形態のものがあるのか。
        • 問14 問12の2 及び4 に該当する裁判例として参考になるものはないか。
        • 問15 麻薬特例法は、薬物犯罪収益の収受に対するマネー・ローンダリングについて、どのような刑罰を定めているのか。本法7 条においてはどうか。
        • 問16 麻薬特例法7 条違反として、覚醒剤等の密売人から、その場所代として、密売による収益等の一部を徴収する事案が挙げられるが、参考になる裁判例はあるのか。
        • 問17 麻薬新条約を批准するために麻薬特例法が制定された際、同様の目的で、既存の薬物規制法に関する改正もなされたが、その内容は、それぞれどのようなものであったのか。
        • 問18 各改正による「国外犯処罰規定の新設」というものは、具体的にどのようなものか。
    • 第8章 営利目的
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 薬物犯罪に関する各法規において、「営利目的」の犯罪はどのように規定されているのか。
        • 問2 「営利目的」の犯行が加重処罰される理由は何か。
        • 問3 「営利目的」とは、具体的にどのような内容を指すのか。
        • 問4 営利目的が積極的に認定された裁判例として、どのようなものがあるのか。
        • 問5 営利目的が認定されなかった裁判例として、どのようなものがあるのか。
        • 問6 近時の裁判例において、営利目的が積極的に認定されたものとしては、どのようなものがあるのか。
        • 問7 「他人に利得させる目的」は、営利目的に該当するのか。
        • 問8 設例については、どのように考えるべきか。
        • 問9 営利目的を処罰する際には、必ず、「情状により」として、罰金刑を併科する規定が設けられているが、どうしてこのような規定が設けられているのか。
    • 第9章 没収・追徴
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 刑法における没収制度は、どのようになっているのか。
        • 問2 薬物に関する特別法では、没収について、どのような規定を設けているのか。
        • 問3 追徴に関して、刑法及び麻薬特例法は、どのように規定しているのか。
        • 問4 麻薬特例法は、没収の対象となる薬物犯罪収益等を保全させるための手続を設けているが、その理由は何か。
        • 問5 麻薬特例法は、起訴後の没収保全手続について、どのように規定しているのか。
        • 問6 麻薬特例法は、起訴前の没収保全手続については、どのように規定しているのか。
        • 問7 没収保全がなされた場合の法的効果は、どのようなものであるのか。
        • 問8 起訴後の追徴保全手続については、麻薬特例法において、どのように規定されているのか。
        • 問9 麻薬特例法は、起訴前の追徴保全について、どのように定めているのか。
        • 問10 追徴保全による法的効果は、どのようなものであるのか。
        • 問11 設例については、どのように考えるべきか。
    • 第10章 おとり捜査
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 おとり捜査とは、どのように定義付けられるのか。
        • 問2 なぜおとり捜査が問題とされるのか。
        • 問3 おとり捜査というのは全く許されないものなのか。
        • 問4 法律で認められている場合以外で、おとり捜査は適法なものとして許容されるのか。あるとすれば、それはどのような場合か。
        • 問5 平成16年7 月12日最高裁決定は、どのようなものであったのか。
        • 問6 この事案において、第一審判決である平成13年9 月11日大阪地裁判決は、どのような判断を示したのか。
        • 問7 この事案において、控訴審判決である平成15年7 月7 日大阪高裁判決は、どのような判断を示したのか。
        • 問8 この事案において、最高裁は、どのような判断を示したのか。
        • 問9 この最高裁決定によれば、おとり捜査が認められるためには、具体的にどのような条件を満たす必要があるのか。
        • 問10 この最高裁の判断を基に、薬物犯罪以外の捜査において、おとり捜査が適法と認められる場合があるのか。特殊詐欺などの犯罪は含まれないのではないのか。
        • 問11 「仮装身分捜査」とは、どのようなものか。
        • 問12 なぜ、警察は、このような捜査手法を取り入れたのか。
        • 問13 「仮装身分捜査実施要領」では、その目的としてどのようなことを規定しているのか。また、どのように定義付けているのか。
        • 問14 「仮装身分捜査」の対象とする犯罪については、どのようなものを挙げているのか。
        • 問15 身分を仮装するために、例えば、運転免許証などを他人名義で作成する必要があるが、それは、公文書偽造罪になるのではないか。また、見せたりすれば、それは偽造公文書行使罪に当たるのではないか。
        • 問16 平成19年6 月1 日東京高裁判決ではどのようなことが判示されたのか。
        • 問17 平成20年7 月17日東京高裁判決ではどのようなことが判示されたのか。
        • 問18 平成31年2 月28日東京高裁判決ではどのようなことが判示されたのか。
        • 問19 設例については、どのように考えるべきか。
    • 第11章 保護措置
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 警察官職務執行法では、薬物中毒の疑いがある者に対して、どのような対応をすることを許容しているのか。
        • 問2 保護措置をとった場合、警察官としては次に何をしなければならないのか。
        • 問3 保護措置をとっている間に、本人に尿の提出を求めたり、それが拒否されたりした場合には、令状を請求して強制的に採尿することは可能か。
        • 問4 保護措置中に強制採尿令状を請求した事案として、参考になる裁判例はないか。
        • 問5 警職法以外で薬物濫用者に関する警察官の義務を定めたものはあるのか。
        • 問6 設例については、どのように考えるべきか。
    • 第12章 再犯防止
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 覚醒剤や大麻の再犯状況は、どのようになっているのか。
        • 問2 従前は、被疑者が覚醒剤を自己使用した場合、どのような手続がとられていたのか。
        • 問3 このような手続がなされることの問題点はどこにあるのか。また、そのような問題点を克服するために、どのような法改正がなされ、再犯を防いで、被疑者の更生を助けるために、どのような施策がとられていたのか。
        • 問4 刑の一部執行猶予判決とは、どのようなものであるのか。
        • 問5 矯正施設及び保護観察における再犯防止施策には、どのようなものがあるのか。
        • 問6 認知行動療法はどのような原理に基づくものであって、どのように使われているのか。
        • 問7 刑務所出所者の再犯防止のためには就労支援が不可欠であるが、この就業状況の現状及び問題点はどのようなものであるのか。
        • 問8 刑務所出所者のニーズに応える更生の在り方としては、どのような視点から考えたらよいのか。
        • 問9 問8 で提案された飲食業での稼働の場を提供するとしても、その具体的な方策はどうするのか。
        • 問10 前述のような体制での営業を行う上で、考慮すべきことは何か。
        • 問11 実際のところ、当該居酒屋の営業を続けることが可能なのか。
        • 問12 設例については、どのように考えるべきか。
  • 第2編 各論
    • 第1章 所持並びに使用及び施用
      • 問題の所在
      • 設例
      • 第1 「所持」に関する実体法上の諸問題
        • 問1 薬物犯罪のうちで「所持」に関する刑法及び各特別法の規定は、どのようになっているのか。
        • 問2 「所持」する行為は、客観的にどういう状態にあることを指すのか。
        • 問3 被告人が断ったにもかかわらず、他人が勝手に自分のところに覚醒剤を置いていっただけであるから、自分としては当該覚醒剤を所持したつもりはないと主張した場合、覚醒剤の所持罪は成立するのか。
        • 問4 他人を介して所持する場合と、共同所持として共犯にする場合とは、どのように区別して立件したらよいのか。
        • 問5 薬物の所持罪が成立するための主観的構成要件はどのようなものか。
        • 問6 所持した物が麻薬であることについての認識はどの程度のものが要求されるのか。
        • 問7 覚醒剤等の違法薬物を所持した際、当該所持に係る薬物の種類を誤認していた場合には、故意が認められるのか。
        • 問8 いわゆるマジックマッシュルームが違法薬物であると知らずに所持した場合には、その故意はどのように評価されるのか。
        • 問9 起訴状の冒頭に「法定の除外事由がないのに」という文言が付けられることがあるが、ここでいう「法定の除外事由」とは具体的にどのようなものを指すのか。
      • 第2 「使用」に関する手続法上の諸問題
        • 問10 薬物犯罪のうちで「使用」に関する刑法及び各特別法の規定は、どのようになっていたか。
        • 問11 覚醒剤では「使用」とされるが、これはどのような意味か。これに対し、麻薬等取締法では、「施用」という用語が使われているが、両者はどのような違いがあるのか。
        • 問12 麻薬を施用したことで被害者を死亡させた裁判例はあるか。
        • 問13 覚醒剤取締法で禁じられる「使用」はどのような形態でなされるのか。
        • 問14 覚醒剤の副流煙を吸ったことで、自己の体内から覚醒剤が検出されたと弁解する例に対しては、どのように考えたらよいのか。
        • 問15 覚醒剤以外の薬物は、どのように「使用」又は「施用」されるのか。
        • 問16 違法薬物を他人に使用する場合、法的にはどのように扱われるのか。
      • 第3 「所持」及び「使用」に関する手続法上の諸問題
        • 問17 任意提出を受けて領置する場合と、捜索差押許可状によって強制的に押収する場合とがあるが、任意捜査と強制捜査は刑訴法上はどのように異なっているのか。
        • 問18 捜索差押許可状の発付を受けるためにはどのような要件が必要であるのか。
        • 問19 薬物使用者の尿を採取する必要がある場合、どのような令状が必要であるのか。
        • 問20 血液の強制採取をする場合も同様に、前記条件を付した捜索差押許可状で行うのか。
        • 問21 強制採尿令状を取得したものの、被疑者が病院への同行を拒否した場合には、強制力を用いて医師のところへ連れていくことができるのか。
        • 問22 強制採尿令状の効力として、被疑者を連行するため、被疑者方又は第三者方に立ち入ることはできるのか。
        • 問23 被疑者が任意の採尿に応じると言った場合には、強制的に採尿することはできないのか。
        • 問24 精神錯乱に陥って尿の任意提出を求めることが期待できない者に対して、直ちに強制採尿手続をとることは可能か。
        • 問25 捜索差押許可状によらない捜索・差押えには、どのようなものがあるのか。
        • 問26 捜索差押許可状の発付を得るための手続について、刑訴法はどのように規定しているのか。
        • 問27 捜索差押許可状を執行することについては、どのように規定されているのか。
        • 問28 ガラス戸の一部を破壊して、そこから手を入れて鍵を開ける行為は許容されているのか。
        • 問29 マスターキーを用いて開錠する行為は許容されているのか。
        • 問30 宅配便の配達人を装って開錠させる行為は適法か。
        • 問31 捜索差押許可状の執行の際、被疑者らが電話で外部と連絡を取ろうとした場合、これを制限することはできるのか。
        • 問32 問31の見解に関して参考になる裁判例はあるのか。
        • 問33 「場所」に対する令状でそこに居合わせた者の身体や所持品を捜索できないか。
        • 問34 捜索場所に居合わせた者が着用していた上着のポケットを捜索することについては、どのように考えたらよいのか。
        • 問35 「場所」に対する捜索と「人の身体」に対する捜索を厳格に分ける見解に従った場合、「場所」に対する令状では、「人の身体」を捜索することは全くできないのか。
        • 問36 設例については、どのように考えるべきか。
        • 問37 捜索差押許可状執行中に、当該捜索場所に宅配便が届いて運び込まれた場合、これに対して、捜索差押えをすることはできるか。
        • 問38 捜索差押許可状の執行中に、鞄を勝手に持ち出して逃走した場合、どのような対処が可能であるのか。
        • 問39 捜索差押許可状の執行中に、鞄を窓から隣家の敷地内に投げ込んだ場合、どのような対処が可能であるのか。
        • 問40 宅配便が配達される前に当該荷物にエックス線を当てて、その内容物の確認をすることは任意捜査として許容されるのか。
        • 問41 強制捜査と任意捜査の区別の基準はどのようなものであるのか。その上で、本件エックス線検査は強制捜査に含まれるものとなるのか。
        • 問42 本件エックス線検査においては、検証許可状が必要とされるのであれば、それが実際の捜査上で令状の取得が困難であるというような問題は生じないか。
        • 問43 職務質問とはどのような法的根拠に基づいてなされるものであるのか。
        • 問44 職務質問でいう「停止させて」とはどのような行為を指すのか。どのような停止行為が許されるのか。
        • 問45 警察官の職務質問の際の有形力の行使が違法であるとされた事例で参考になるものはないか。
        • 問46 自動車の運転者に「異常な挙動」が認められた場合は、どのような停止行為が許されるのか。
        • 問47 所持品検査は、相手方の承諾がない場合には一切許されないのか。それが許される場合があるとしたら、どの程度であれば任意捜査として許容されるのか。
        • 問48 所持品検査の許容性について、最高裁は、どのような態度をとっているのか。
        • 問49 職務質問の後、覚醒剤使用が疑われる場合など、任意同行を求めることがあるが、どのような場合に任意捜査として適法となり、また、違法とされることになるのか。
        • 問50 採尿をするための長時間の留め置きは、違法捜査になるのか。
        • 問51 平成22年11月8 日東京高裁判決は、二分論を採った判決として著名であるが、この見解は具体的にどのようなものとして説明されているのか。
        • 問52 二分論に否定的な見解は、どのように述べるのか。
        • 問53 二分論に基づいて留め置き行為を適法とした裁判例はあるのか。
        • 問54 二分論を捜査の現場で活用するにしても、問題は、その両段階で、留め置きの際に行使できる有形力の行使、ひいては許容される移動の自由の侵害の程度であり、実際のところどれくらいの差異があると考えるべきなのか。
        • 問55 職務質問や任意同行、留め置き、所持品検査が違法であるとされた場合、その際に押収された証拠物等の証拠能力や、強制採尿された尿の証拠能力などについてはどのように考えるべきか。
        • 問56 薬物の所持に関して、違法収集証拠の証拠能力に関して述べた参考になる裁判例はあるか。
        • 問57 エックス線検査が、平成21年9 月28日最高裁決定により違法捜査であったと認定された以上、これにより得られた証拠を基にして発付された捜索差押許可状によって押収された覚醒剤については証拠能力が認められたのか。
    • 第2章 製造
      • 問題の所在
      • 設例
      • 第1 覚醒剤取締法上の「製造」に関する諸問題
        • 問1 覚醒剤取締法では、覚醒剤等の製造について、どのように規定し、どのように禁止して処罰しているのか。
        • 問2 覚醒剤結晶を水に溶かし、それをアンプルに入れる行為は、「製造」に該当するのか。また、該当するとした場合、既遂時期はいつか。
        • 問3 未遂犯を考える上で必要な実行の着手はどの段階で認められるのか。
        • 問4 覚醒剤の製造工程に入ったものの、覚醒剤原料がフェニルメチルアミノプロパンなどを含有していなかった場合には、未遂罪は成立するのか。
        • 問5 製造罪と所持罪との関係はどのように考えればよいのか。また、その製造に係る覚醒剤を譲渡した場合の譲渡罪との関係はどうか。
        • 問6 覚醒剤原料の所持罪と覚醒剤の製造罪はどのような関係になるのか。
        • 問7 近時において、覚醒剤の製造が問題とされた事案はあるのか。
        • 問8 設例については、どのように考えるべきか。
      • 第2 麻薬及び向精神薬取締法上の「製造」に関する諸問題
        • 問9 麻薬等取締法では、麻薬及び向精神薬の製造について、どのように規定し、どのように禁止して処罰しているのか。
        • 問10 麻薬等の「製造」に係る麻薬等取締法違反事件として参考になる裁判例はないか。
      • 第3 医薬品医療機器等法上の指定薬物の「製造」に関する諸問題
        • 問11 医薬品医療機器等法では、指定薬物の「製造」について、どのように規定し、どのように禁止して処罰しているのか。
        • 問12 指定薬物の製造に関して参考になる裁判例はあるか。
    • 第3章 栽培
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 大麻草の栽培に関して、室内で肥料を与え、照明器具を用いて育成させるなどの方法により栽培した場合、栽培罪は成立するのか。
        • 問2 大麻の栽培の既遂時期は、種をまいた時か、発芽した時か。
        • 問3 大麻の栽培方法についてアドバイスするなどの行為は、幇助犯を構成するのか。
        • 問4 設例については、どのように考えるべきか。
    • 第4章 譲渡罪及び譲受罪
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 違法薬物の「譲渡し」、「譲受け」、「交付」、「販売」及び「授与」等について、各法令はどのように規定し、どのような刑罰をもって臨むこととしているのか。
        • 問2 「譲渡し」、「譲受け」、「交付」、「販売」及び「授与」等の概念は、どのようなものとして理解したらよいのか。
        • 問3 覚醒剤を直接握持した事実がない場合に、覚醒剤の譲受罪及び譲渡罪が成立することがあり得るか。
        • 問4 設例については、どのように考えるべきか。
        • 問5 譲受罪と所持罪との関係は、どのように考えるべきか。
        • 問6 問5 の問題について、参考になる下級審裁判例はあるのか。
        • 問7 覚醒剤の周旋罪とは、どのような犯罪であるのか。
    • 第5章 輸出入罪
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 違法薬物の「輸入」について、各法令はどのように規定し、どのような刑罰をもって臨むこととしているのか。
        • 問2 「輸入」とはどのような行為を指すのか。
        • 問3 覚醒剤等の薬物の密輸入は、薬物関係法令の違反の他に、関税法に関する規定はどのようになっているのか。
        • 問4 覚醒剤等の密輸の場合において、既遂となるのはどの時点であるのか。
        • 問5 薬物を領海内まで密輸したものの、未だ陸揚げしていなかった場合には、輸入罪の既遂にはならないのか。
        • 問6 昭和58年9 月29日最高裁判決で示された陸揚げ説と同様の趣旨の判断が、その後、最高裁により示されたことはないか。
        • 問7 覚醒剤等の違法薬物を輸入する際、当該輸入行為に対応する故意が必要となるが、どの程度のものが求められるのか。
        • 問8 輸入に係る薬物の種類を誤認していた場合には、故意が認められるのか。
        • 問9 航空機による空路で覚醒剤等をスーツケースに入れて密輸する事案や、国際郵便内に覚醒剤を入れて我が国内に郵送する事案など、故意を否認するような事案について、捜査上、参考となる裁判例はあるか。
        • 問10 犯行を否認する被告人における薬物の認識について、間接事実による事実認定の仕方を具体的に示すことはできないか。裁判例として参考になるものはないか。
        • 問11 「瀬取り」の方法による薬物密輸入における被疑者の認識を間接事実により推認した裁判例として参考になるものはないか。
        • 問12 設例については、どのように考えるべきか。
    • 第6章 資金等提供罪
      • 問題の所在
      • 設例
        • 問1 覚醒剤取締法等では、資金等提供行為を処罰するためにどのような規定を設けているのか。
        • 問2 資金等提供罪の構成要件である「資金、土地、建物、艦船、航空機、車両、設備、機械、器具又は原材料」を「提供」するとは、どのような行為を指すのか。
        • 問3 「運搬」とは、どのような行為を指すのか。
        • 問4 設例については、どのように考えるべきか。

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