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ハイテク犯罪捜査入門

−基礎編−


体裁: A5判 352ページ
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■本書の特色
ハイテク犯罪捜査を学ぶ(実施する)際、必ず直面するカタカナ、アルファベット等の専門用語を克服するため、用語解説を充実。巻末の用語集は索引を兼ね、使いやすさに留意した。
短時間で無理なく概要を理解できるように、ポイントを絞り込んだ記述を心がけ、さらに図表や実例、想定例を用いて分かりやすく解説した。

■はじめに(抜粋)
近時,我が国においては,パソコン,携帯電話そしてインターネットが普及し,社会のIT化が加速度的に進行したが,これに伴い,コンピュータ技術や通信技術を悪用したハイテク犯罪の相談受理件数も検挙件数も加速度的に増加している。 そのため,警察・検察を筆頭とする法執行機関では,ハイテク犯罪の基本を正しく理解し,ハイテク犯罪に適切に対処し,その捜査・公判活動を充実したものにしていくことが不可欠となってきた。 ことに高度技術の集合体で成り立っているハイテク犯罪では,ガチガチの理系社会文化をベースに置いているので,極めてとっつきにくいというのに,その特有の基本的な知識の習得,個々の事案に応じた捜査手法や証拠保全を含む捜査方法の獲得,ハイテク特有の事件のスジ読み等が不可欠となってしまっている。
筆者は,ハイテク犯罪の研究,各種研修におけるハイテク犯罪の講義,現場でのハイテク犯罪の捜査・公判などを担当して,ハッカー検事との異名をいただくようになったものの,その捜査・公判の平易な解説書や指南書の不足を痛感した。 法領域とハイテク領域の双方にまたがる好著が見当たらないのである。 そんなとき,捜査研究編集部から,「検証 ハイテク犯罪の捜査」の連載を勧められて,これを始めたところ,予想外のご好評をいただき,他に類書がなかったという幸運(?)かもしれないが,連載記事が,警察大学校,管区警察学校,各都道府県警察や警務隊のハイテク研修における準テキストとして取り扱われるようになった。
本書は,その連載の「基礎編」に相当する連載14回分を単行本化したものである。 単行本化においても,連載当時のまま,一般の警察官を中心とした法執行機関の方が,肩の凝らない読みやすい平易な内容となるように心がけ,ハイテク犯罪の捜査に関する基本的な知識や特有の事項,捜査手法,証拠化や立証方法などについて,分かりやすく具体的に説明したつもりである。 今後のハイテク犯罪の捜査・公判の現場において,実際に役に立つ内容を実践的に提供することを念頭においている。
■ 目  次 ■
第1章 ハイテク犯罪の捜査の基礎
<ここから始まるハイテク犯罪の捜査(傾向と対策)>
第2章 不正アクセスの基本
<ハッカーはIDとパスワードが大好き>
第3章 不正アクセスのハイテク
<ハイテク化したハッキング>
第4章 電子メールを使ったハイテク犯罪の基礎
<電子メールはヘッダ捜査に始まる>
第5章 電子メールを使ったハイテク犯罪の応用
<メール爆弾アラカルト>
第6章 ホームページ(ウエブ)犯罪の基礎
<ホーム・ページはIPアドレスで遭遇する>
第7章 ホーム・ページ(ウエブ)犯罪の応用(理論編)
<ホーム・ページ犯罪アラカルト>
第8章 受動的攻撃(ホーム・ページ犯罪&メール犯罪)
<騙しのハイテク犯罪の手口>
第9章 サーバ攻撃犯罪の基礎(サイバー・テロ入門編)
<サーバ攻撃犯罪はサイバー・テロへの道>
第10章 通信犯罪の基礎(テレフォン・ハッキング)
<ハイテク犯罪の経路強盗>
第11章 通信犯罪の応用(背景と具体例)
<通信犯罪の傾向と対策>
第12章 通信犯罪の応用(インターネット系)
<無線LAN&キー・ロガー&テンペスト&スニッファ>
第13章 通信犯罪のその他の事例
<メール盗聴からクローン電話まで>
第14章 コンピュータ&通信犯罪の背景(悪の情報公開)
<ハッカーの教科書でハッカーのプロファイリング>
【参考資料】
資料1 主要なHTMLタグの一覧
資料2 OBJECT
資料3 本邦で過去に公開された主なハッキング・ツール一覧
用語集兼用語索引