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少年法
―その動向と実務― 【第四版】

編著/監修
【編著】
河村 博(元名古屋高等検察庁検事長、弁護士)
【執筆】
玉本 将之(前法務省刑事局参事官(東京地方検察庁立川支部副部長))
北原 直樹(前法務省刑事局付(東京地方裁判所判事))
体裁
A5判  200ページ
定価
1,760 円(消費税込み)
本体価格+税
1,600 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-1463-5
C3032 \1600E
発行日
令和5年7月15日
第四版発行
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本書の特長

令和4年施行の改正を含む少年法の動向や実務の現状が、
この1冊で把握できる!


  • 多数の機関が関係する少年法の手続実務を丁寧に解説
  • 令和4年施行の少年法の一部改正(「特定少年」の特例、原則逆送対象事件の拡大、実名報道の解禁等)に対応
  • 少年法の「動向と実務」を知る上で不可欠な裁判例等を追加
  • 少年法の改正に従事した実務家陣による執筆
  • 各種制度の対象事件の一覧表付き

はしがき(第四版)

本書は、平成14年5月発刊の「少年法―その動向と実務―」(平成21年6月、平成26年11月各改訂)を、令和3年の少年法の改正を契機に、更に改訂するものである。

令和3年の少年法改正は、公職選挙法の選挙権年齢や、民法の成年年齢の引下げなど、18歳及び19歳の者を取り巻く近年の社会情勢の変化に鑑み、これらの者について、少年法の適用においても、その立場に応じた取扱いをすることが適当であると考えられたことから、18歳及び19歳の少年に対する特例を整備するなどの措置を講じるためになされたものであり、18歳以上の特定少年について、全事件を家庭裁判所に送致する仕組みは維持した上で、①いわゆる原則逆送対象事件に死刑、無期又は短期1年以上の懲役、禁錮に当たる罪の事件を加える、②保護処分は、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内でしなければならないこととするとともに、ぐ犯をその対象から除外する、③検察官送致決定後の刑事事件の特例に関する規定は原則として適用しないこととする、④18歳以上の少年のときに犯した罪により公判請求された場合には、いわゆる推知報道の禁止に関する規定を適用しないこととするなど、実務に少なからぬ影響を及ぼす内容を含むものである。

本書は、これらの改正法の内容を盛り込んだ上で、引き続き、「その動向と実務」の解説を試みるものである。第4版の執筆者らは、令和3年の少年法改正に関与した者であり、改正法の趣旨・内容について基本的な理解が得られるよう配慮したつもりである。

いずれにしても、本書が、引き続き、実務家や学生など読者の方々の少年法に対する理解や関心を深める一助となれば幸いである。

令和5年6月

河 村  博


目次

  • 序論
    • 第1 現行少年法と旧少年法
    • 第2 現行少年法の特色
      • 1 保護優先主義
      • 2 家庭裁判所中心主義
        • ⑴ 全件送致主義
        • ⑵ 職権主義的審問構造
    • 第3 少年法の改正等
  • 第1章 総論
    • 第1 少年法の目的
    • 第2 少年、保護者
      • 1 少年の定義
      • 2 審判の対象となる少年
        • ⑴ 犯罪少年
        • ⑵ 触法少年
        • ⑶ ぐ犯少年
      • 3 保護者
    • 第3 年齢に関する若干の問題
      • 1 少年法上の年齢区分
      • 2 年齢の認定、超過、誤認
        • ⑴ 年齢認定の基準時
        • ⑵ 年齢の認定方法
        • ⑶ 年齢の超過、誤認
    • 第4 少年事件の手続の流れ
      • 1 少年法の構成
      • 2 保護事件と刑事事件
      • 3 手続の流れの概観
        • ⑴ 犯罪少年
        • ⑵ 触法少年、ぐ犯少年
      • 4 手続の流れの概観図
    • 第5 少年事件取扱い上の諸原則
      • 1 取扱いの分離
      • 2 懇切な審理
      • 3 秘密保持
  • 第2章 捜査手続
    • 第1 捜査手続
    • 第2 犯罪少年の事件の取扱い
      • 1 捜査
      • 2 逮捕
      • 3 勾留に代わる観護措置及び勾留
        • ⑴ 勾留に代わる観護措置
        • ⑵ 勾留
      • 4 警察における事件処理
        • ⑴ 事件の送致
        • ⑵ 家庭裁判所への送致
        • ⑶ 検察官への送致
        • ⑷ 簡易送致
      • 5 検察庁における事件処理
      • 6 交通事件の特則
        • ⑴ 交通切符制度
        • ⑵ 交通反則通告制度
      • 7 事件送致後の取調べ
    • 第3 触法少年、ぐ犯少年の事件の取扱い
      • 1 触法少年、ぐ犯少年事件取扱いの法的根拠
      • 2 触法少年の事件の処理
      • 3 ぐ犯少年の事件の処理
    • 第4 捜査機関の処遇意見
  • 第3章 家庭裁判所における調査・審判
    • 第1 事件の受理
    • 第2 審判条件
    • 第3 観護措置
      • 1 観護措置決定及び更新決定
        • ⑴ 観護措置
        • ⑵ 観護措置決定の手続
        • ⑶ 観護措置の期間及び更新
      • 2 観護措置決定・更新決定に対する異議申立て
    • 第4 調査
    • 第5 審判開始決定・不開始決定
    • 第6 審判
      • 1 審判の関与者
        • ⑴ 裁判所
        • ⑵ 少年・保護者
        • ⑶ 付添人
        • ⑷ 検察官
      • 2 審判の方式
    • 第7 審判の手続
      • 1 審判の準備
      • 2 審判手続の進行
      • 3 証拠調べの申出
      • 4 証人尋問等
      • 5 意見陳述
      • 6 要保護性に関する審理
      • 7 終局決定の告知
    • 第8 中間的措置―試験観察
    • 第9 終局決定
      • 1 審判不開始決定
      • 2 児福法上の措置
      • 3 検察官送致決定
      • 4 不処分決定
      • 5 保護処分決定(18歳未満の少年に対するもの)
        • ⑴ 保護処分の決定と種類
        • ⑵ 保護観察
        • ⑶ 児童自立支援施設等送致
        • ⑷ 少年院送致
      • 6 保護処分決定(特定少年に対するもの)
        • ⑴ 保護処分の決定と種類
        • ⑵ 保護観察
        • ⑶ 少年院送致
        • ⑷ 保護観察の遵守事項に違反した場合の少年院への収容
        • ⑸ 未決勾留日数の算入
      • 7 刑事処分相当による検察官送致決定
        • ⑴ 検察官への送致
        • ⑵ 原則逆送制度
        • ⑶ 選挙犯罪等についての特例
    • 第10 抗告及び抗告受理申立て
      • 1 抗告
      • 2 抗告受理申立て
      • 3 抗告審の手続及び審理
      • 4 再抗告
    • 第11 被害者等に対する配慮
      • 1 被害者等による記録の閲覧及び謄写
      • 2 被害者等の申出による意見の聴取
      • 3 被害者等による少年審判の傍聴
      • 4 被害者等に対する説明
      • 5 審判結果等の通知
    • 第12 保護処分の取消し
  • 第4章 逆送後の事件処理
    • 第1 検察庁における事件処理
      • 1 家庭裁判所からの逆送
      • 2 逆送後の身柄拘束の関係
      • 3 事件の処理
        • ⑴ 起訴強制
        • ⑵ 起訴強制の例外
        • ⑶ 公訴の提起
    • 第2 公判
      • 1 手続上の特則
      • 2 家庭裁判所への移送
      • 3 刑事処分の特則
        • ⑴ 死刑、無期刑の緩和
        • ⑵ 不定期刑
        • ⑶ 仮釈放可能期間の特則
        • ⑷ 少年院における刑の執行
        • ⑸ 換刑処分の禁止
        • ⑹ 人の資格に関する法令の適用の特則
    • 第3 特定少年の特例
      • 1 勾留要件の加重等
      • 2 取扱いの分離
      • 3 不定期刑及び仮釈放
      • 4 労役場留置の禁止
      • 5 資格制限の緩和
  • 参考資料
    • 少年法における各種制度等の対象事件の一覧
    • 少年の年齢に応じた少年法上の措置について
    • 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪
    • 故意の犯罪行為により被害者を死傷させた罪
  • 索引

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