危険物の規制に関する政令は、昭和三十四年に制定されて以来約半世紀が経過し、現行の危険物規制の原点ともいわれている明治二十四年に公布された「石油精製場貯蔵場及運搬取締規則」から数えると、百三十余年の長きにわたり、危険物規制の変遷をたどってきた。
平成十年に給油取扱所のセルフ基準の導入、次いで平成十七年には水素充てん設備を設ける給油取扱所の基準の整備、最近では、平成二十三年の浮き蓋付き特定屋外貯蔵タンクの基準の整備など、技術革新に伴う新たな基準化が進められてきた。一方で、危険物災害の予防、自然災害等に伴う危険物災害の被害軽減など、現行基準の見直しを含めた各基準の改正が重ねられてきている。
本書は、平成九年に危険物法令研究会の成果としてまとめられた『新・危険物政令の解説』を前身として、危険物政令を逐条的に解説し、新たに発刊したものである。
本書が、危険物行政の推進、円滑化の一助となり、危険物施設の安全・環境対策に寄与することができれば幸いである。
平成二十五年十二月
危険物法令研究会