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クラウド・フォレンジックの基礎

編著/監修
一般財団法人 保安通信協会 編著
羽室 英太郎(保安通信協会:セミナー・出版分科会)
小瀬 聡幸(AOSデータ株式会社(現 AIデータ株式会社):デジタル・フォレンジック分科会)
体裁
A5判  208ページ
紙書籍(モノクロ版)/電子書籍(カラー版)あり
定価
2,750 円(消費税込み)
本体価格+税
2,500 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-1488-8
C3055 \2500E
発行日
令和7年2月15日
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本書の特色

サイバー犯罪捜査の疑問や苦手も、この一冊で全て解決。


  • サイバー犯罪捜査に必須となる「クラウド知識」に特化した書籍。
  • クラウドの、セキュリティをはじめとした基本知識から、情報収集など実務につながる実践的な内容までを網羅。
  • 専門用語や難しい内容も、読みやすい解説やイラスト・図表・画像などが理解を助け、確実に知識が身につく。

はしがき

社会の様々な活動がサイバー空間で展開されるようになって以降、その不正利用やIT技術を悪用する犯罪も増加するようになりました。

弊会におきましては、このような犯罪事案に対処することを目的に、デジタル・フォレンジックの基礎やサイバー事案発生時における証拠保全等の初動対応に必要な知識をまとめ、平成28年度から、『デジタル鑑識の基礎(上)』、『デジタル鑑識の基礎(中)〜インシデントレスポンスと初動対応〜』、『デジタル鑑識の基礎(下)〜証拠保全〜』を刊行し、令和3年度には『デジタル鑑識の基礎(上)』を改訂しております。

これらの書籍は、弊会の調査研究事業として活動している「調査研究部会」の「デジタル・フォレンジック分科会」において検討を積み重ねてまいりました成果であり、デジタル・フォレンジックや情報セキュリティサービスに関する業務に従事されている民間の事業者を中心とするワーキンググループの委員のみならず、オブザーバーとして参画いただきました警察機関等官公庁の担当官の皆様にも厚く御礼申し上げます。


さて、昨今は政府機関を含め様々なITインフラが「クラウド」にシフトしております。

従来のようなパソコン機器やサーバシステムのみならず、各種のIoT(Internet of Things)機器やセンサー等が直接クラウドにも接続され、益々社会基盤としての重要性を増しております。

しかしながら、クラウドサービスへの依存度が高まるにつれ、このサービスを悪用したり脆弱性を突いたサイバー攻撃等が行われてサービスが停止したならば、その社会的な影響は膨大なものとなります。

クラウド基盤はIT技術の粋を集めたサービスでもありますので、その復旧や障害対応、捜査に関する知識や技能を習得する敷居はかなり高いものとなっております。

このような状況に対応するため、今般、クラウドサービスの仕組みやセキュリティ対策、フォレンジックに関して、基礎的な知識等を整理して本書を上梓することとしました。


法執行機関のみならず、民間企業等におかれましてクラウド業務を管理されておられる方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。

令和7年1月

一般財団法人保安通信協会

理事長 金井 洋  


目次

第1部 クラウド・フォレンジックに関する基礎知識
  • 第1章 本書について
    • 1.1 背景
    • 1.2 想定している読者
  • 第2章 クラウドサービスの基礎知識
    • 2.1 クラウドサービスとは?
      • 2.1.1 SaaS
      • 2.1.2 PaaS
      • 2.1.3 IaaS
    • 2.2 その他の「クラウド」
      • 2.2.1 パブリック/プライベート
      • 2.2.2 マルチクラウド、マネージドクラウド
    • 2.3 クラウドの構成
      • 2.3.1 データセンター(DC)
      • 2.3.2 クラウド上の“住所”
        • 〜リージョン(Region)、ゾーン(Zone)〜
  • 第3章 クラウドのセキュリティ
    • 3.1 「境界型セキュリティ」は通じない
      • 3.1.1 クラウドサービスに対する脅威
      • 3.1.2 クラウドへの攻撃
      • 3.1.3 脆弱性スキャン
      • 3.1.4 クラウドの脆弱性を突いた攻撃
      • 3.1.5 電源や空調システム等の障害
    • 3.2 クラウドのセキュリティ確保と「監視」
      • 3.2.1 クラウドのセキュリティと「ゼロトラスト」
      • 3.2.2 「ゼロトラスト」の原則
      • 3.2.3 「ゼロトラスト」の構成要素
      • 3.2.4 「エンドポイント」のセキュリティ
      • 3.2.5 IDの管理
      • 3.2.6 ネットワーク管理
      • 3.2.7 ASMとクラウド監視
      • 3.2.8 セキュリティ・インシデントの検知・監視サービス
      • 3.2.9 CTEM(シーテム)へ
      • 3.2.10 クラウド上の防護
      • 3.2.11 インシデント対応と“フォレンジック”
    • 3.3 クラウドのセキュリティ、フォレンジックに関連する規定等
      • 3.3.1 クラウドセキュリティに関する規定等
      • 3.3.2 インシデント対応やフォレンジックに関する規定
      • 3.4 クラウド・フォレンジックの必要性
      • 3.4.1 クラウド・フォレンジックの意味
      • 3.4.2 クラウド・フォレンジック作業の基本
      • 3.4.3 パブリック・クラウドにおけるフォレンジック調査例
      • 3.4.4 クラウド内部の調査
第2部 クラウド・フォレンジックの実務・作業例
  • 第4章 インシデントの検知・対応
    • 4.1 クラウド・フォレンジックと障害対応
    • 4.2 情報収集と保全の手法
      • 4.2.1 被害状況の把握
      • 4.2.2 法執行機関の情報収集の際の留意
      • 4.2.3 対処体制の構築
      • 4.2.4 インシデント情報の入手
      • 4.2.5 インシデント内容の把握
    • 4.3 調査対象の選定
      • 4.3.1 迅速な被害状況の把握
      • 4.3.2 インシデント発生箇所・原因の特定
      • 4.3.3 証拠データやログはどこにあるのか?
      • 4.3.4 「リモートアクセス」による情報収集
    • 4.4 捜査のための情報収集と状況判断
      • 4.4.1 クラウド利用方法等の把握
    • 4.5 特定のアカウントに着目した調査
      • 4.5.1 情報やファイルの共有サービス
    • 4.6 データの改変・消滅に注意!
      • 4.6.1 「訴訟ホールド(Litigation hold)機能」の確認
      • 4.6.2 揮発性情報
      • 4.6.3 スマホ端末等の破壊
    • 4.7 クラウド事業者との連携
    • 4.8 クラウドサービスの利用痕跡の確認
    • 4.9 「クラウドバンキング」のフォレンジック調査?
  • 第5章 データの収集・保全と留意点
    • 5.1 クラウド・フォレンジックにおける情報収集
    • 5.2 クラウドサービスの形態とデータ収集・保全
      • 5.2.1 SaaSの場合
        • 5.2.1.1 Microsoft365メールの保全手順(例)
        • 5.2.1.2 GoogleWorkspace (メール)の保全手順(例)
        • 5.2.1.3 Slackの保全手順(例)
        • 5.2.1.4 Facebook Messengerの保全手順(例)
        • 5.2.1.5 X(旧Twitter)の保全手順(例)
      • 5.2.2 PaaSの場合
        • 5.2.2.1 AWS (Lambda)のデータイベントログファイルの保全手順(例)
      • 5.2.3 IaaSの場合
        • 5.2.3.1 AWS(EC2)
        • 5.2.3.2 Microsoft Azure
        • 5.2.3.3 Google Cloud
  • 第6章 収集したデータの解析
    • 6.1 フォレンジックの流れ
    • 6.2 ログ解析
    • 6.3 データ(JSON)の抽出・整形(作業例)
      • 6.3.1 表形式への変換
      • 6.3.2 Grepコマンド・機能
      • 6.3.3 スクリプトを使用した解析
    • 6.4 フォレンジック作業における留意事項
      • 6.4.1 解析に必要(かつ十分)な情報の収集
      • 6.4.2 違法データの掲載・閲覧を容認しない

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