本書は、はしご車を担当する機関員、隊員及び隊長をはじめ管理者までが各年代におけるはしご車の諸元・性能、基礎知識等を習得するための実務書として、昭和58年に「はしご車運用技術」として初版され、幅広く活用されてきました。
以来、はしご車は、改良が重ねられ、コンピューター制御の導入や、油圧発生装置、車体安定装置、はしご装置等の特殊装置の大幅な改善により、安全性、操作性及び迅速性の向上が図られてきました。
また、バスケット装置においても、許容荷重の増大、乗車スペースの拡大等、活動性の向上が図られるとともに、てい体には伸縮水管、モニターノズル等を設け消火活動の幅も格段に向上するなど、はしご車は進化を遂げてきました。
本書では、これらはしご車の進化を踏まえ、新たに活動技術、基本操作要領を加えるとともに、はしご車に関係する「取扱いの原則」、「はしご車の諸元・性能」、「基礎的力学」、「特殊装置の構造」等を改正し、はしご車の運用に必要な基本知識から実践知識まで幅広く解説することで、はしご車の運用に必要な技術を習得することができる書であるといっても過言ではありません。
現在、日本で活躍しているはしご車は、安全性、機能性ともに国際的に高い水準にあり、その運用においても高い技術力が求められています。 本書が、はしご車の知識、技術を身に付けるための実務書として、これまで以上に幅広く活用され、はしご車運用技術の向上において多大な成果が上げられることを期待いたします。
平成24年3月