救急業務は、国民の安心・安全を確保する消防行政として、社会生活に浸透し、全国すべての消防機関において、24時間365日、災害や事故等に対応しています。
また、救急現場及び搬送途上における応急処置の充実を図るため、救急隊員の行う応急処置範囲が拡大されるとともに、救急隊員が行う応急処置の質を保障するため、メディカルコントロール体制が整備されています。
一方、救急需要は年々増大し、救急出場件数の増加に対し、救急隊数の増強が追い付かず、今後も逼迫した状況が予想されます。
このような現状を踏まえ、多くの消防機関において、救急要請に対し、救急隊に加え消防隊も出動する、いわゆるPA連携活動が実施されています。心肺停止などの一刻を争う要請に対し、ファーストレスポンダーとしての消防隊の役割がさらに重要になり、救急隊員のみならず、消防隊員の基本的な救急技術向上が求められています。
今回の改訂にあたっては、ガイドライン2020との整合性を図りました。
どうか、本書が救急隊員等の救急技術向上の一助として愛読され、更なる救急業務の充実に結びつくよう願っています。
令和5年2月
救急業務研究会