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応急手当指導者標準テキスト
ガイドライン2020対応

編著/監修
応急手当指導者標準テキスト改訂委員会 編集
体裁
A4判  240ページ
定価
3,960 円(消費税込み)
本体価格+税
3,600 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-2514-3
C3047 \3600E
発行日
令和4年10月15日
ガイドライン2020対応発行
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本書の特長

  • 「使いやすさ」を追求し全体の構成をアップデート
    読者の皆様により内容をご理解いただけるよう、また指導をスムーズに行っていただけるように、全体の構成を変更し、分かりやすい表現で情報を提供している。
  • 「ファーストエイド」について
    新たに「気管支喘息発作」「アナフィラキシー」「低血糖」「低体温症」の指導要領を追加。また、「失神」については、実技・指導要領ともに追加。
  • 「質疑応答」の「Q&A」がさらに充実!
    「Q&A」を追加するとともに、「講習会場で受講者から多く寄せられる質問」が探しやすいように、項目を細分化しさらに掲載の優先順位を精査。
  • 「新型コロナウイルス感染症流行期の救命処置」を追加
    新型コロナウイルス感染症流行期の救命処置の流れと講習時の指導要領を丁寧に解説。講習会時における感染症対策も記載。

はじめに

心停止の傷病者の命を救うには、まずその場に居合わせた住民が迅速に119番通報をし、応急手当を行った後、救急隊に引き継ぎ、高度な救命処置と迅速な搬送がなされ、そして医師へと引き継がれて高度な救命医療が行われる必要があります。

消防庁の『令和3年版救急・救助の現況』によると、令和2年中では、119番通報を受けてから救急車が現場に到着するまでには全国平均で約8.9分を要しています。この空白の時間を埋めるため全国の消防機関は、消防庁により定められた「応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱」に基づいて、応急手当の普及啓発を積極的に行ってきました。令和2年中は、新型コロナウイルス感染症の流行による感染対策等で規模は縮小されたものの、63万人を超える住民に対して救命講習が行われています。

我が国の救命講習は5年ごとに改訂される蘇生ガイドラインに基づいて行われています。日本蘇生協議会(JRC)が平成18年(2006年)にアジア蘇生協議会の一員として国際蘇生連絡委員会(ILCOR)に加盟した結果、ILCORによるCoSTR(心肺蘇生に関わる科学的根拠と治療勧告コンセンサス)に基づいた公式の蘇生ガイドラインを我が国でも作成することが可能になりました。前回のJRC蘇生ガイドライン2015では、傷病者が心停止でなかったとしても、胸骨圧迫が傷病者に大きな害を与えることは少ないので、心停止かどうかの判断に迷う場合は胸骨圧迫を開始するよう強調されました。心停止の予防では、お風呂での事故や熱中症などによる心停止も取り上げられ、“急な病気やけがをした人を助けるためにとる最初の行動”とされる「ファーストエイド」の章が加えられました。

JRC蘇生ガイドライン2020(JRCG2020)は、CoSTRの最新版であるCoSTR2020に我が国の状況を勘案してJRCにより作成されました。JRCG2020では、全ての心停止傷病者に質の高い胸骨圧迫が行われることが重視され、傷病者に反応がない場合だけでなく、反応のあり・なしの判断に迷う場合にも119番通報とAEDの要請を行うようになりました。また、通信指令員から反応のあり・なしの判断について助言や指導を受けられることも強調されています。さらに、新型コロナウイルス感染症流行期では、全ての心停止傷病者に感染の疑いがあることを前提とし、救助者への感染を防ぐため、成人の心停止に対する人工呼吸を行わない方法も示されています。

今回の改訂版は、JRCG2020に準拠した一般財団法人日本救急医療財団の『改訂6版救急蘇生法の指針2020(市民用・解説編)』に基づいており、消防機関の実施する救命講習の指導者に向けたテキストになっています。救命講習の指導に関わる消防職員はもとより、応急手当の普及啓発の指導者に広く活用されることを心より願うものであります。

一人でも多くの住民によって、救急の現場で心肺蘇生が行われ、AEDが使用されることによって、一人でも多くの尊い命を救えることを切に願ってやみません。

令和4年8月

応急手当指導者標準テキスト改訂委員会 委員長 坂本哲也
(帝京大学医学部救急医学講座教授)


目次

  • 第1編 応急手当について
    • 第1章 応急手当とその重要性
      • 1 応急手当とは
      • 2 応急手当の重要性
      • 3 救命の連鎖と住民の役割
      • 4 応急手当の普及
      • 5 救命処置の手順はどのように決められるのか
    • 第2章 応急手当普及啓発制度
      • 1 応急手当普及講習の種類
      • 2 応急手当普及講習の対象者
      • 3 標準的な実施要領
      • 4 新しい資器材・技術を活用した実施方法
      • 5 応急手当普及員、指導員
      • 6 普通救命講習修了者等への修了証の交付
      • 7 レッスンプラン
    • 第3章 応急手当と法的責任
      • 1 原則
      • 2 AEDの使用に関連する法的整理
      • 3 応急手当に伴うストレス
      • 4 応急手当の補償
      • 5 人生の最終段階における救命処置の実施と本人の意思
  • 第2編 指導のための知識
    • 第1章 指導者としての基礎知識
      • 1 指導の原則
      • 2 具体的な指導法
      • 3 指導者としての話し方
      • 4 精神的サポート体制
    • 第2章 応急手当に関わる基礎知識
      • 1 循環器の基礎
      • 2 呼吸器の基礎
      • 3 神経の基礎
      • 4 心停止と心肺蘇生の基礎
      • 5 救急隊の活動の基礎知識
    • 第3章 応急手当に関連する感染症
      • 1 感染症についての指導事項
      • 2 応急手当普及講習での感染防止対策
    • 第4章 AEDについて
      • 1 AEDの歴史
      • 2 AEDの構造と機能
      • 3 心電図波形の解説
      • 4 PAD
      • 5 AED使用上の注意
      • 6 AEDの設置と維持管理
    • 第5章 訓練用資器材
      • 1 蘇生訓練用人形
      • 2 感染防護具
      • 3 AEDトレーナー
      • 4 各社の連絡先
  • 第3編 救命講習の実技と指導技法
    • 第1章 総論
      • 1 指導者が身に付けるべき知識と技術
      • 2 子どもの年齢区分と成人の救命処置との関係
    • 第2章 救命処置の実技と指導要領
      • 1 救命処置の流れ
      • 2 救命処置の手順
        • ① 安全の確認
        • ② 反応の確認
        • ③ 119番通報をしてAEDを手配する
        • ④ 普段どおりの呼吸があるかの確認
        • ⑤ 胸骨圧迫
        • ⑥ 人工呼吸
        • ⑦ AEDの使用
        • ⑧ AEDの使用と心肺蘇生の継続
      • 3 気道異物の除去
    • 第3章 その他の応急手当(ファーストエイド)の実技と指導要領
      • 1 安全の確認と傷病者への基本的な対応
        • ① 安全の確認
        • ② 保温(傷病者の体温を保つ)
        • ③ 体位管理
      • 2 病気やけがに対する応急手当(ファーストエイド)
        • ① 気管支喘息【ぜんそく】発作
        • ② アナフィラキシー
        • ③ 低血糖
        • ④ けいれん
        • ⑤ 失神
        • ⑥ 熱中症
        • ⑦ 低体温症
        • ⑧ すり傷、切り傷
        • ⑨ 出血
        • ⑩ 捻挫、打ち身
        • ⑪ 骨折
        • ⑫ 首の安静
        • ⑬ やけど(熱傷)
        • ⑭ 歯の損傷
        • ⑮ 毒物
        • ⑯ 溺水
      • 3 搬送法
    • 第4章 119番通報と救急車の適時・適切な利用
      • 1 119番通報による救急車の呼び方
      • 2 救急車の適時・適切な利用、緊急度判定
  • 第4編 効果測定と指導内容に関する質疑への対応
    • 第1章 効果測定
      • 1 胸骨圧迫の測定と指導
      • 2 効果測定の要領
      • 3 測定結果に対する評価と指導(フィードバック)の要領
      • 4 効果確認表とシナリオ
    • 第2章 指導内容に関する質疑への対応
      • 1 質疑への対応の要領
      • 2 ガイドラインの変更点に関する質疑
      • 3 応急手当全般に関わる質疑
      • 4 普通救命講習の質疑
      • 5 普通救命講習掘上級救命講習の質疑
      • 6 用語に関する質疑
    • 第3章 ガイドライン変更のポイント 〜主な変更点のまとめ〜
      • 1 変更は少なく、よりシンプルな内容に
      • 2 胸骨圧迫開始が遅れないように〜現場での行動化を目指す
      • 3 AEDのパッド/モードの名称の変更
      • 4 気道異物除去の手順のシンプル化
      • 5 精神的サポートについての記載
      • 6 その他の応急手当(ファーストエイド)
  • 第5編 新型コロナウイルス感染症流行期の救命処置
    •  
      • 1 新型コロナウイルス感染症流行期の救命処置の流れ
      • 2 救命処置の手順(新型コロナウイルス感染症流行期)
  • 付録 主な変更点の対応表

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