2016年は、観測史上初めて震度7が連続して発生した熊本地震により甚大な被害が生じた年です。また、その5年前には東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が起こり、今なお不自由な生活を強いられている方々がおられます。このような地震災害に加え、大規模火災や台風等による自然災害も頻発するなど、住民生活を脅かす災害の態様は益々複雑多様化しているといえます。
この間、消防行政は多くの課題に直面しながらも、地域住民の安心・安全の確保を使命とする責務を果たすため、様々な充実強化策を講じて参りましたが、今後、発生が危惧されている大規模災害に備え、国民の消防に対する期待は益々高まっています。
このような中、災害発生時には、地域住民の安心・安全を確保するため、身を挺して消火活動や救助活動等に従事されるなど日夜献身的な活動を続けられている消防職団員のご労苦に報いるためには、表彰制度の意義が益々重要となって参ります。
本書は、このような意義のもと、消防関係者の表彰事務が適正かつ円滑に運用されることを期待してとりまとめられたところであり、今般、消防表彰規程の改正など、近年の表彰関係制度の改正等を踏まえ、より一層解説等に意を尽くして、版を改めて発刊することとなりました。
この改訂版が、各地方公共団体における表彰事務担当の皆様の事務処理の一助となれば幸いです。
平成29年6月
消防表彰事務研究会