消防法解釈の道標、待望の第五版発刊!
※平成26年法律第68号による行政不服審査法の全部改正に関する記述は補正済み
我が国の社会経済状況は、大きく変化し続ける中で、国民の安心・安全に対する希求は、ますます強まっているが、消防法は、国民の身近なところで、安心・安全に最も深く関わっている法律といえよう。
平成二十三年三月に発生した東日本大震災は、東日本を中心に未曽有の被害をもたらした。大震災によりお亡くなりになられた方々に対し、深く哀悼の意を表し、今なお様々な困難を余儀なくされている皆様に衷心よりお見舞い申しあげるとともに、安心・安全の確保の観点から消防に寄せられる国民の強い期待に応えるべく、我が国の消防は全力を尽くしていかなければならない。
さて、平成二十三年十二月に第四版が発刊された本書は、傷病者の搬送及び受入れの迅速かつ適切な実施を図るため、都道府県が傷病者の搬送及び受入れの実施基準を定めるとともに、当該実施基準に関する協議等を行うための消防機関、医療機関等を構成員とする協議会を設置する等の平成二十一年の法改正等を盛り込み、消防法の全条文について当時の最新の内容の解説を行ったものであった。
しかしながら、近年の火災の実態等に鑑み、火災被害の軽減に向けて火災予防対策の実効性の向上を図るため、平成二十四年には、高層建築物等における防火管理体制の拡充を図るとともに、検定に合格していない消防用機器具等に係る回収命令の制度の創設等を行うための法改正が行われた次第である。
消防関係者はじめ諸賢より、これらの改正を網羅した解説が強く俟たれており、今般その要望に応えるべく、本書の第五版を発刊する運びとなったものである。
本書が、消防関係者はじめ諸賢のよき道標となり、安心・安全を支える消防体制の一層の充実と、国民の生命、身体及び財産の保護という消防の究極の使命遂行に資することができれば幸いである。
平成二十六年五月
消防基本法制研究会