難解な救急・医学用語を正しく、効率よく身に付けるための1冊
救急小辞典が出版されて早7年余が経過し、この度改訂版が出版される運びとなった。
その後応急処置、救急救命処置の範囲が制度として拡大されるとともに、その質の確保が一層要求され責任性まで追及される時代になってきている。また最近の救急隊員にとっては、単に傷病者の重症度を判断するだけでなく、場合によっては傷病の種類を判断し、その傷病に必要な医療知識を理解したうえで病院を選択する必要さえ生じている。
医療・医学の世界は日進月歩で救急隊員諸氏等にとっては目まぐるしくさえ感じられるところであろう。新しいものが常に良いとは限らないが、その時代に適応するための日々の勉強を怠ってはならない。また、無数の情報があふれている今日では正しい情報を選択する力を涵養する必要がある。
本書はこのような背景を元に、新しい知見を得て従来の用語に修正を加え、また、まだ採用されていなかった多数の用語を追加してリニューアルされたものである。ほとんどの労をとられた瀧野昌也先生に感謝するところが大きいが、先生の救急隊員等読者に対する深い愛情が感じられる一冊になっている。
平成24年1月
大阪府立急性期・総合医療センター名誉院長
桂田菊嗣