この本は
・要救助者を中心とした救助の「考え方」を示す
ことを目的に作られています。
同じ救助現場はなく、救助方法は多数あったとしても、要救助者を中心とした救助の考え方にはスタンダードがあります。3訂版ではこのスタンダードを全国の救助隊員に語ってもらうことにしました。スタンダードを理解するためには良質な知識が必要です。救助隊員が身につけてほしい知識を前半に載せています。
作成に当たっては私が講師として招かれた消防大学校救助科67期生(平成25年5月)と68期生(同10月)に加え、全国の救助・救急隊員に原稿を依頼しました。執筆者は特別救助隊の隊長から消防士長まで年齢・階級は様々ですが、全員が第一線で活躍し、さらなる向上を目指して努力している方々です。勤務地・階級・年齢に関係なく、日夜努力を重ねれば誰にでも技術や知識を伝えるチャンスは巡ってきます。「要救助者を中心とした救助」に加えて、執筆者が要救助者に向き合う姿勢もこの本を通じて知っていただければと思います。
出版に当たっては、2訂版に引き続き東京法令出版の浅野優香さんに大変お世話になりました。この本が全国の救助隊員の資質向上に役立てば、これ以上の幸せはありません。
平成26年6月
独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター
玉川 進