本年は、昭和37年4月1日に警察庁交通局が発足して以来、45周年に当たる年であります。これを記念して、「交通警察のあゆみ」が発刊されることとなりました。
この45年間に、我が国の社会は著しい変貌を遂げています。特に、道路網の整備とモータリゼーションの急激な進展は、物流の拡大、効率化を通じて我が国の経済の飛躍的発展に寄与してきたところです。その結果、国民生活における利便は大きく向上してきましたが、その反面、交通事故の多発や交通公害の発生といった、様々な負の側面が次々と立ち現れてきました。
これに対して、交通警察は、昭和40年代以降、道路交通法令の改正を伴う交通ルールの改善や運転免許制度の改革を行うとともに、交通安全施設の整備や国民の交通安全意識の高揚を図ることなどにより、これらの問題に取り組んできました。最近は、平成15年に設定した「世界一安全な道路交通の実現」という政府目標の達成に向け、交通安全教育、指導取締り、交通事故捜査、交通安全施設の整備、免許に係る行政処分等が日々着実に推進されています。
本書は、この45年間に、警察が国民の協力の下に交通事故の発生を防ぎ、安全で快適な交通社会を実現するために展開してきた様々な交通警察行政のうち、主な施策をとりまとめたものです。交通警察が取り組まなければならない問題はなお山積していますが、交通警察が過去の難局に対処しこれを切り開いてきた道をたどることは、新たな視点と感覚を養い、これから更に複雑多様化するであろう交通警察事象に的確に対処していく上で、必要不可欠なことです。
今後の交通警察行政を展開する上で、本書が一助となることができれば幸いです。
平成19年12月
道路交通研究会
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