消防救第152号

平成8年7月22日

 

各都道府県消防主管部長 殿

 

消防庁救急救助課長

 

消防機関で使用するトリアージ・タッグの取扱いについて

 

標記のことについては、消防庁において設置した「消防機関で使用するトリアージ・タッグ検討委員会」において検討を行い、その中間結果に基づき、平成8年3月22日付け消防救第53号「大震災等大規模災害において使用するトリアージ・タッグの標準化について」で通知したところであるが、今般、同委員会からの最終検討結果を踏まえ、今後消防機関で使用するトリアージ・タッグについては、下記により取扱うこととしたので通知する。

なお、本通知は、救急業務実施基準第26条及び昭和61年8月1日付け消防救第83号各都道府県知事あて消防庁次長通知「救急業務計画の作成等について」に基づく救急業務実施計画のうちトリアージ・タッグに係る部分についての作成上の細目として定めたものであることを申し添える。

おって、貴管下市町村(消防の事務を処理する一部事務組合を含む。)にもこの旨周知するとともによろしく御指導願いたい。

 

 

1 大震災等大規模災害におけるトリアージ・タッグの取扱いについて

(1) 大震災等の広範囲の大規模災害で複数の救急救助関係機関が関わる場合に消防機関が使用するトリアージ・タッグについては、次のとおりとする。

その仕様及びレイアウトについては、別図のとおりとする。

① タッグの形状及び寸法

23.2㎝(縦)×11㎝(横)とする。

② タッグの紙質

水に濡れても字が書けるなど丈夫な紙質とし、本体用紙はやや厚手のもとし、複写用紙は本体用紙より薄手のものとする。

③ タッグ用紙の枚数

3枚綴りとし、1枚目は「災害現場用」とし、2枚目は「搬送機関用」とし、3枚目の本体用紙は「収容医療機関用」とする。

④ タッグの形式

モギリ式とし各モギリ片の幅は1.8㎝とする。

⑤ タッグに用いる色の区分

軽処置群を緑色(Ⅲ)、非緊急治療群を黄色(Ⅱ)、最優先治療群を赤色(Ⅰ)、死亡及び不処置群を黒色(0)とする。

モギリ片の色の順番は、外側から緑色、黄色、赤色、黒色の順で、それぞれ両面印刷とし、ローマ数字のみ記載し、模様や絵柄は記載しない。

⑥ 傷病者及び消防機関に係る記載項目

ア 氏名

イ 年齢

ウ 性別

エ 住所

オ 電話

カ タッグの

キ トリアージの実施月日・時刻

ク トリアージの実施者氏名

ケ 搬送機関名

コ 収容医療機関名

サ トリアージ実施場所

シ トリアージ区分

ス トリアージ実施機関

セ 症状・傷病名

ソ 特記事項

タ 人体図

なお、前記アからオに関しては外国人の家族や本人が記載することも想定し、これらの項目については英語を併記する。

⑦ タッグの紐穴

タッグの上部中央で直径3oとする。なお、使用に際し四肢等に結えることができるようゴム紐(輪状)を取り付けるものとする。

(2) 追加的記載事項等

① 前記(1)の⑥のサからタに係る部分のレイアウトについては、地域の実情によって、必要に応じ変更できるものとする。

② 前記(1)の⑥のサからタに係る部分については、当該記載事項のほか地域の実情によって、消防機関が必要と認める追加的記載事項を付け加え、レイアウトを変更できるものとする。

③ 前記①及び②については、例外的な取扱いであり、極力前記(1)の内容及び様式によるように努めるものとする。

2 その他の災害におけるトリアージ・タッグの取扱いについて

前記1以外の災害で使用するトリアージ・タッグについても、前記1の内容及び様式によることが望ましい。

 

別 図