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逐条解説
被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則

編著/監修
重松弘教
桝野龍太
体裁
A5  216ページ
定価
1,760 円(消費税込み)
本体価格+税
1,600 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-1211-2
C3032 \1600E
発行日
平成21年6月15日
初版発行
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本書の特長

  • 全条文の完璧な逐条解説
    各条文の趣旨や内容、関係法令との関連を詳細に解説。制度の準備過程で都道府県警察から寄せられた質疑をもとに、制度運用上必要となる知識も網羅した。
  • 施策の基本理念についての解説
    取調べを巡る情勢や規則制定の経緯を詳細に論じることにより、警察捜査における取調べ適正化施策の考え方、被疑者取調べの重要性が理解できる解説とした。
  • 充実の参考資料
    「警察捜査における取調べ適正化指針」「取調べ状況報告書等の作成に当たっての留意事項等について」「被疑者取調べに係る承認の在り方について」など、実務の指針、制定の経緯に関する資料を豊富に登載した。

推薦の言葉(抜粋)

平成21年4月から施行された「被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則」による被疑者取調べ監督制度は、一連の取調べ適正化施策の根幹とも言うべきものである。これは、警察部内のチェック機能を発揮させることにより、不適正な取調べを未然に防止せんとするものであるが、全く新たな制度の導入であるため、第一線では戸惑いが生ずるおそれなしとしない。

本書は、第1編で警察捜査における取調べを巡る昨今の情勢や本規則の制定の経緯を詳細に論じており、取調べが過去最大とも言える変革期を迎えている中で、どのように取調べ適正化施策が進められ、また、被疑者取調べ監督制度が創設されたかを理解することができる。第2編では、規則を逐条的に解説するとともに、都道府県警察からの質疑等を踏まえ、運用上の留意事項等を網羅的に記載しており、実際に制度の運用に当たる方にとっても非常に有益なものとなろう。

平成21年4月

前警察庁刑事局刑事企画課長(現・兵庫県警察本部長)  北村 滋


はじめに(抜粋)

被疑者取調べ監督制度の導入は「警察捜査における取調べ適正化指針」の眼目であるが、この適正化指針は、裁判員制度の導入を目前に控えた時期に、警察による被疑者取調べの在り方が問われる深刻な無罪判決等が相次ぎ、取調べを始めとする警察捜査における問題点が厳しく指摘され、警察捜査に対する国民の信頼が大きく揺らいだことを直接の契機として策定されたものである。しかし、その淵源は、「取調べ全過程の可視化」論が提起する課題に対し、治安責任を預かる警察として処方箋を示さなければならないとする強い意志にあるといえる。被疑者取調べ監督制度の導入を始めとする取調べ適正化施策が、被疑者取調べの一部録音・録画の実施とともに、一連の改革を担うものとして位置づけられていることがその証左であろう。

本稿では、このような視点に立ち、被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則の制定の経緯をできるだけ詳細に論ずることにより、我が国における被疑者取調べの重要性を改めて浮き彫りにするとともに、「取調べ全過程の可視化」論が真に治安維持に資するものと言えるのか改めて考える機会となればと思っている。また、逐条解説においては各条文の趣旨や内容を詳細に解説することはもちろん、制度施行の準備過程で都道府県警察から寄せられた様々な質疑を基本とし、制度運用上必要な事項をできるだけ網羅的に記述することとした。

平成21年4月

前警察庁刑事局刑事企画課理事官 重松弘教
警察庁刑事局刑事企画課付 桝野龍太


目次

  • 第1編 制定の経緯
    • 第1 「取調べの可視化」をめぐる動向
      • 1 「取調べ全過程の可視化」論
      • 2 刑事司法制度改革における「取調べの可視化」に関する議論
      • 3 国会における「取調べの可視化」に関する議論
      • 4 検察庁における取調べの一部録音・録画の試行
    • 第2 警察における被疑者取調べをめぐる動向
      • 1 二つの事件
      • 2 警察捜査における被疑者取調べをめぐる議論
      • 3 取調べ全過程の録音・録画に対する警察としての基本的対処方針
    • 第3 警察捜査における取調べの適正化
      • 1 国家公安委員会決定
      • 2 警察捜査における取調べの適正化に関する有識者懇談会
      • 3 警察捜査における取調べ適正化指針
      • 4 「被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則」及び「犯罪捜査規範の一部を改正する規則」の制定
    • 第4 警察捜査における取調べの一部録音・録画の試行
      • 1 趣旨
      • 2 試行方法
      • 3 試行状況
    • 第5 「警察捜査における取調べ適正化指針」及び「警察捜査における取調べの一部録音・録画の試行」の意義
      • 1 「警察捜査における取調べ適正化指針」の意義
      • 2 「警察捜査における取調べの一部録音・録画の試行」の意義
  • 第2編 逐条解説
    • 第1章 総則
      • 第1条(目的)
      • 第2条(留意事項)
      • 第3条(定義等)
      • 第4条(取調べ監督官)
      • 第5条(連絡)
    • 第2章 被疑者取調べの監督
      • 第6条(確認等)
      • 第7条(苦情の通知)
      • 第8条(巡察)
      • 第9条(被疑者取調べの状況等の報告)
      • 第10条(調査)
      • 第11条(監督実施状況の報告)
    • 第3章 雑則
      • 第12条(指導等)
      • 第13条(国家公安委員会への報告)
      • 第14条(皇宮護衛官への準用)
    • 附 則
  • 資 料 編
    •  
      • ○警察捜査における取調べの適正化について(平成19年11月1日国家公安委員会決定)
      • ○警察捜査における取調べ適正化指針(平成20年1月警察庁)
      • ○被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則の制定について(平成20年4月3日警察庁丙刑企発第11号、丙総発第12号)
      • ○被疑者取調べの監督の実施について(平成20年12月19日警察庁丙刑企発第82号、丙総発第51号)
      • ○犯罪捜査規範の一部を改正する規則の制定について(平成20年4月10日警察庁丙刑企発第14号)
      • ○取調べ室の構造及び設備の基準の運用上の留意事項について(平成20年4月10日警察庁丙刑企発第15号、丙会発第17号)
      • ○取調べ状況報告書等の作成に当たっての留意事項等について(平成20年5月29日警察庁丙刑企発第26号)
      • ○懲戒処分の対象となり得る監督対象行為の類型の基本的考え方について(平成20年5月29日警察庁丙刑企発第27号、丙人発第200号)
      • ○被疑者取調べに係る承認の在り方について(平成20年12月19日警察庁丙刑企発第83号)
      • ○警察における取調べの一部録音・録画の試行について(警察庁)
      • ○取調べ適正化施策推進室設置要綱
      • ○警察捜査における取調べの適正化に関する有識者懇談会について
      • ○緊急提言(警察捜査における取調べの適正化に関する有識者懇談会)
      • ○法曹三者協議会への参加について
      • ○警察捜査における取調べの適正化に向けた施策の検討経緯

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