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【2訂版】
医療現場のクレーマー撃退法
〜法的クレーム処理&ケーススタディ99〜

編著/監修
深澤直之(弁護士)
体裁
A5判  528ページ
定価
5,500 円(消費税込み)
本体価格+税
5,000 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-1482-6
C2036 \5000E
発行日
令和6年6月20日
2訂版発行
内容現在
令和6年4月10日
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本書の特色

カリスマ民暴弁護士が、モンスターペイシェントを斬る!

2024年6月施行診療報酬改定に対応した内容を登載。



  • 改正民法、医師の働き方改革等の2024年度診療報酬改定、新型コロナウイルスの5類移行、医師の応招義務、未収金、マイナンバー、LGBT問題等、最新トピックから想定される事例にも対応!
  • 「クレームの概念とクレーム処理の基本」を解説した第Ⅰ部と「医療現場でのクレーム事例」の紹介と対応方法を解説した第Ⅱ部の二部構成。
  • 医療・福祉・保健機関等のクレーム担当者をはじめ、医療機関経営者、医師、看護師、事務職員など全ての医療者、弁護士、警察、暴力追放運動推進センター等の職員にもオススメです。

著者プロフィール

昭和49年司法修習修了、弁護士登録(第二東京弁護士会)。第二東京弁護士会民事介入暴力被害者救済センター運営委員会委員長、山一証券株式会社調査委員会委員、日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会委員長、日本相撲協会ガバナンスの整備に関する独立委員会委員、日本プロ野球暴力追放中央会議顧問、日本プロゴルフ協会監事などを歴任。現在は、日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会幹事、第二東京弁護士会民事介入暴力対策委員会委員、犯罪被害救援基金理事など。

改訂にあたって

クレーマー認定とその対応は、民暴対策の観点から反社会的勢力の排除対応が有効と、「悪魔の呪文『誠意を示せ!』悪質クレーマー撃退の50ポイント」を東京法令出版から上梓したのが平成19年。その後、医療現場のクレーマー対策として、本書を上梓して12年を経ました。今日ではクレーマーにつきカスタマーハラスメントと称され、各業界での対策本も多く発刊されました。

厚生労働省が医師の応招義務について、医業の現状を踏まえて令和元年12月付通知を発出し、さらにADR 法での医療紛争解決や、改正民法の施行やLGBT 問題、医師の働き方改革、医療職員のSNS での情報発信問題、改正健康増進法や在宅医療等々、医業界での様々な変化が起きています。

そこで、近時の新たなテーマで本書の個別事例20ケースを入れ替え、当事務所に長年在籍してきた佐藤斉弁護士に執筆して貰い、本書全般を監修し直し、ここに改訂版を上梓しました。

微力な著作者・監修者ですが、この出版等にご助力頂いた方々に心から感謝し、関係各位に少しでも役に立てば幸甚として、本書のはしがきとします。

令和6年5月

深澤 直之


目次

  • 本書での用語の定義
  • 第Ⅰ部 クレームの概念とクレーム処理の基本
    • 第1章 現代はクレーム社会
      • 1 「早く穏便に円満に解決したい」との要請と患者至上主義の弊害
      • 2 「患者満足」と「言いなり処理」は違う
      • 3 不満感情・不快感・抗議
      • 4 「言いなり処理」をしやすい
      • 5 医療機関が陥りやすい落とし穴
      • 6 「言いなり処理」ではない「患者満足」とは
    • 第2章 医療現場の法的問題の基礎
      • 1 契約の成立と契約自由の原則 〜簡単に分かる「契約」の話〜
      • 2 診療契約
      • 3 契約自由の原則の例外 〜医療機関が呪縛にとらわれやすい「応招義務」〜
      • 4 診療契約の内容
    • 第3章 クレームの概念とその基本的対応
      • 1 クレームとは何か
      • 2 クレームを2種に分ける作業
      • 3 クレームを受けるときの注意事項
      • 4 「事実の確認」と「主張・要求された問題の把握・検証」
      • 5 説明責任の範囲 〜「処理すべきクレーム」の中での「説明責任」〜
      • 6 限度を超えたらNO! + 放っておく=「放っておいて得をする」=「放ほっ得とく」
      • 7 相手方との折衝時、対面時の注意点 〜相手方に見られたらまずい内部書類は持参しない、目前に出さない〜
      • 8 「現場・現物・現実」の検証と安直な処理
      • 9 現物を預かる際の注意
      • 10 法的クレーム処理 〜社会的妥当性のある対応案の提示(内部基準の確立と遵守)が原則〜
      • 11 「厳しい要求」で「拒否できず」「放っ得ができない」場合は「後日回答」
    • 第4章 経営幹部等の役割・責任
      • 1 クレーマー対応への取組
      • 2 経営者が他の幹部の意識を改めさせる
      • 3 クレーム処理の組織的対応
      • 4 職場の安全配慮義務
      • 5 特別扱いという愚行
      • 6 「患者相談窓口」の設置を
      • 7 医療機関施設内の規則遵守
      • 8 暴力団などの反社会的勢力と同じ悪質クレーマー
      • 9 クレーマーを利得させる財源 〜法的根拠のない支出をしていないか(背任罪)〜
      • 10 刑法・暴対法等の活用
      • 11 クレーマーもハラスメント
    • 第5章 反社会的勢力等による病院対象暴力への対応
      • 1 犯罪対策閣僚会議 + 企業指針からの切り口がベスト
      • 2 クレーマー相手よりも簡単な病院対象暴力排除
      • 3 病院対象暴力への対応の基本
      • 4 拒否・拒絶の基本原則の徹底
    • 第6章 患者とクレーマーの境界線
      • 1 医療現場のクレーマー
      • 2 クレーム整理と問題点の明確化に役立つクレームの6パターンへの当てはめ
      • 3 見極め上の注意 〜患者等が大声でどなっていても、悪質クレームとは限らない〜
      • 4 患者等とクレーマーを見分ける術(レッドカード(R)・イエローカード(Y)の行為類型)
      • 5 イエローカード、レッドカードの活用
      • 6 「25のY行為類型」=「クレーマーの特徴」と判断するに至った根拠
      • 7 真の顧客至上主義・患者至上主義の貫徹
      • 〔参考資料〕
        • ・クレーム内容の特定調査確認書
        • ・クレーマー・チェックリスト レッド・イエローカードの行為類型例
        • ・クレーム対応基本指針の例
    • 第7章 弁護士、警察等外部機関との連携と反社会的勢力への対応
      • 1 弁護士との連携
      • 2 弁護士によるクレーマー排撃の具体的方法 〜配達証明付き内容証明郵便の送付、電話対応、仮処分、訴訟、警察への相談や告訴〜
      • 3 警察・暴力追放運動推進センターなどとの連携、活用
      • 〔参考資料〕
        • ・クレーマー排除のための守り札
        • ・不適切クレーム・不当要求行為に対する通知書の例
  • 第Ⅱ部 医療現場でのクレーム事例
    • 第1章 受付・会計に関するクレーム対応
      • Case1 医療費の請求と誓約書
      • Case2 医療費の不払いと応招義務
      • Case3 マイナンバーカードの健康保険証利用
      • Case4 改正民法・未収金の回収
      • Case5 医療費未払い患者に対する院外薬局での対応
      • Case6 改正民事執行法・未収金の回収
      • Case7 ささいなミスへの過剰なクレーム
      • Case8 公立病院と診療拒絶の適否
      • Case9 待ち時間へのクレーム
      • Case10 大声でどなる患者
      • Case11 手続ミスの責任範囲
      • Case12 時間外外来利用の常習者
      • Case13 受付時に家族で大暴れ・暴言
      • Case14 威圧的な患者(強要・同未遂事件)
      • Case15 大声で侮辱発言
      • Case16 酒酔いの患者
      • Case17 予約ミスから傷害に発展(傷害事件)
    • 第2章 診療時・診療後のクレーム対応
      • Case18 大声を出して自分の要求のみを主張する患者
      • Case19 暴力を振るう患者
      • Case20 職員を長時間軟禁
      • Case21 ヤクザの指詰め(診療時の脅迫)
      • Case22 研修医の診察に対するクレーム
      • Case23 どうしても診断に納得しない患者
      • Case24 誤解による罵詈雑言
      • Case25 診療科目外の症状での受診希望患者
      • Case26 在宅医療と応招義務
      • Case27 新型コロナウイルス感染症の5類移行と応招義務
      • Case28 暴力団組長の入通院
      • Case29 代務医師に対する暴言
      • Case30 病気と家族への不満から暴れる患者
      • Case31 ときどき暴れる患者
      • Case32 付添いの子分を殴る暴力団員
      • Case33 大声でどなる父親
      • Case34 細かいことをしつこく尋ねる患者
      • Case35 診察結果の告知に対するクレーム
      • Case36 処方された薬に対するクレーム
      • Case37 診療後の病状急変に対する家族からの脅迫等
      • Case38 患者死亡後の家族からのクレーム
      • Case39 医療過誤を主張する息子
      • Case40 暴力団員の小指の接合手術
    • 第3章 搬送中、受入れ時のクレーム対応
      • Case41 ホテル感覚で入院する患者
      • Case42 医療費不払い患者の受入れ拒否の可否
      • Case43 不法な要求行為
      • Case44 病院を宿泊施設代わりにしようとする患者
      • Case45 精神保健福祉法改正・医療保護入院
      • Case46 精神保健福祉法改正と患者への虐待防止
      • Case47 救急隊員に対する土下座の強要
      • Case48 二次救急病院への転送に対する罵詈雑言
      • Case49 酔っ払いの患者
    • 第4章 医療事故のクレーム対応
      • Case50 繰り返しの謝罪にも納得しない患者
      • Case51 ADRによる紛争解決
      • Case52 安全管理委員への暴言
      • Case53 医療事故被害者への特別対応
    • 第5章 入院・リハビリ中のクレーム対応
      • Case54 改正民法・保証の上限額
      • Case55 医療費の不払いと死亡診断書の引渡し要求
      • Case56 院内における転倒事故
      • Case57 入院中の子供の父親からの暴言
      • Case58 治療が必要だが治療を受ける意思が感じられない患者
      • Case59 経済的、精神的に問題がある患者への「非人道的措置」か否か
      • Case60 ルールを守れない患者の個室利用
      • Case61 家族へのがんの告知
      • Case62 暴言のひどい患者
      • Case63 入院後2週間で亡くなったことに納得しない患者の遺族
      • Case64 医師監禁事件 〜人権侵害行為に対処する方法〜
      • Case65 セクハラを受けたと主張する患者
      • Case66 退院できずイライラする患者
      • Case67 大部屋でのけんか
      • Case68 妄想から攻撃を仕掛ける患者
      • Case69 手術に対する不満
    • 第6章 退院後のクレーム対応
      • Case70 入院中の対応等に関するクレーム
      • Case71 刑務所仲間と来院した患者
      • Case72 金銭要求
    • 第7章 セクハラ等の対応
      • Case73 LGBTへの理解と対応
      • Case74 受付時のセクシュアルハラスメント
      • Case75 女性看護師へのセクシュアルハラスメント
    • 第8章 その他のクレーム対応
      • Case76 医療広告の注意点・限定解除
      • Case77 医療広告の注意点・再生医療
      • Case78 インターネット上の名誉毀損
      • Case79 他人の違反行為を逐一報告する患者
      • Case80 病気に由来する暴力による損害等への対応の仕方
      • Case81 困った付添いの孫
      • Case82 有効な警察への相談申告
      • Case83 しつこく「訴えてやる」と主張する患者
      • Case84 患者の容体に関する照会への回答と脅迫
      • Case85 不審者の訪問
      • Case86 外来での苦情対応
      • Case87 夜勤時のトラブルへの対応
      • Case88 訪問看護中の対応
      • Case89 訴訟前の対応
      • Case90 面談内容の録音の可否
    • 第9章 職場環境・教育等に関するQ&A
      • Case91 医師の働き方改革
      • Case92 医師の暴言に対する対応の仕方
      • Case93 職員への教育
      • Case94 医療機関職員によるSNSでの情報発信
      • Case95 健康増進法・受動喫煙
      • Case96 健康増進法・職員教育
      • Case97 パワハラ防止法への理解と対応
      • Case98 患者の権利と義務
      • Case99 病気からくる暴力とそうでない暴力のすみわけ
  • 参考文献

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