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医療現場のクレーマー撃退法

〜法的クレーム処理&ケーススタディ99〜

編著/監修
深澤直之(弁護士)
体    裁
A5判  520ページ
本体価格+税
5,000円+税
 ISBN
ISBN978-4-8090-1277-8
C2036 \5000E
発 行 日
平成24年5月25日
初版発行
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著者プロフィール

昭和49年司法修習修了、弁護士登録(第二東京弁護士会)。平成8〜10年第二東京弁護士会民事介入暴力被害者救済センター運営委員会委員長、平成9〜10年山一証券株式会社調査委員会委員、平成12〜14年日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会委員長、平成22〜23年日本相撲協会ガバナンス(統治能力)の整備に関する独立委員会委員などを歴任。現在(平成24年発行時)は、日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会幹事、第二東京弁護士会民事介入暴力被害者救済センター運営委員会委員、プロ野球暴力団等排除対策協議会顧問弁護士、日本プロゴルフ協会監事など。

本書の特色

カリスマ民暴弁護士が、モンスターペイシェントを斬る!

「クレームの概念とクレーム処理の基本」を解説した第吃瑤函岼緡展従譴任離レーム事例」の紹介と対応方法を解説した第局瑤瞭麌構成。医療・福祉・保健機関等のクレーム担当者をはじめ、経営者、医師、看護師、事務職員など全ての従事者、弁護士、警察、暴力追放運動推進センター等の職員にもオススメです。


<第吃堯
  • クレーム処理の基本を法的根拠に基づき分かりやすく解説。
  • クレーム担当者が悩む「患者とクレーマーの境界線、見分け方」を25の行為類型を示して明瞭に解説。
  • レッドカード、イエローカードの活用など、実践的な内容も提言。
  • クレーマーを生まないために不可欠な経営者等の役割に言及。

<第局堯
  • 受付・会計時、診療時、入院中など医療機関の場面ごとの事例を設定し、弁護士ならではの明快な回答と解説を登載。

はじめに(抜粋)

病院が、患者のことを“患者様”と呼ぶようになった頃から、患者・家族から病院に対して、不当な要求や主張などがストレートになされるようになってきました。いわゆる“モンスターペイシェント”といわれる人たちの登場です。このような患者・家族からなされる理不尽なクレームや、院内暴力と呼ばれる暴力行為やセクハラ事件などが増え、恒常化しています。

医療関係従事者は、理不尽なクレームなどの非違行為の対象者とされて当然なのでしょうか。これらの被害を甘んじて受けることや、基本的に我慢することは、医療に携わった職に就いている以上は、医療やホスピタリティの精神ゆえの献身的自己犠牲で仕方がないものなのでしょうか?断じて、否です。

当然のことですが、患者が心身に苦痛を抱く人間であれば、医療関係従事者も患者と同じように心身に苦痛を感じる人間であることに変わりはないのです。にもかかわらず、医療関係従事者は患者・家族からの理不尽な言動に、奉仕の医療の精神の下にじっと耐えて我慢し続けています。

患者のために献身的に身を粉にして尽くしてきたことで褒められこそすれ、問題患者・家族から罵詈雑言を浴びせられたり、暴行を受けても我慢しています。明るく健全であるべき医療現場が働きにくい職場となっていても、誰も根治しようとしません。挙げ句、問題患者・家族から逃れるように転院や離職をせざるを得ない者が多いのはどうしてなのでしょう。それは、「医療だから、医療関係従事者なのだから、健常ではない病人の患者やその家族のために、そのくらいは我慢すべきだし、それも職務のうちです。これまでもそうしてきたし、それが医療というものです」などとの誤った「天の声」が、多くの医療機関や医療関係従事者を支配してきたからにほかなりません。

本書は、この「天の声」がいかに誤ったものかを説き、言うべきことは言い、主張すべきは主張する、という至極当然のことを、法的見地からできる限り分かりやすく解説しようと、試みたものです。

これまでに私が見聞してきたモンスターペイシェントやクレーマーの事例を研究すると、医療と患者間の様々な誤解やギャップがあることが分かりました。これらの誤解やギャップを埋めていけば、おのずとモンスターペイシェントやクレーマーに対し、医療機関や医療関係従事者は、毅然と対応できるようになり、明るく働きやすい医療現場になる、との考えで、これを本書の支柱としました。

上梓できた今日、ご教授、ご協力を頂きましたたくさんの関係者の方々に対し、この場をお借りして厚く御礼を申し上げておきます。

平成24年4月

深澤 直之


目次

  • はじめに
  • 本書での用語の定義
  • 第I部 クレームの概念とクレーム処理の基本
    • 第1章 現代はクレーム社会
      • 1 「早く穏便に円満に解決したい」との要請と患者至上主義の弊害
      • 2 「患者満足」と「言いなり処理」は違う
      • 3 不満感情・不快感・抗議
      • 4 「言いなり処理」をしやすい
      • 5 医療機関が陥りやすい落とし穴
      • 6 「言いなり処理」ではない「患者満足」とは
    • 第2章 医療現場の法的問題の基礎
      • 1 契約の成立と契約自由の原則〜簡単に分かる「契約」の話〜
      • 2 診療契約
      • 3 契約自由の原則の例外〜医療機関が呪縛にとらわれやすい「応招義務」〜
      • 4 診療契約の内容
        • (1) 契約の当事者
        • (2) 多くの患者・市民が誤解している「診療行為」=「病気の治癒」
        • (3) 診療契約内容
        • (4) 問診
        • (5) 患者の診療行為への協力義務〜相互の信頼関係〜
        • (6) 診療報酬支払義務
        • (7) 保険診療報酬
        • (8) 診療報酬以外の費用負担義務
    • 第3章 クレームの概念とその基本的対応
      • 1 クレームとは何か
      • 2 クレームを2種に分ける作業
        • (1) 処理しなければならないクレーム
        • (2) 処理しなくてもいいクレーム
      • 3 クレームを受けるときの注意事項
        • (1) 記録を取りながら聴く
        • (2) 耐えて聴いているのは、担当者の仕事ではない
        • (3) おわびの挨拶
      • 4 「事実の確認」と「主張・要求された問題の把握・検証」
        • (1) 最初に心掛けるべき「事実の確認」と「問題の把握・検証」
        • (2) 「遅い」とのクレーム
      • 5 説明責任の範囲〜「処理すべきクレーム」の中での「説明責任」〜
        • (1) 法的に説明責任・義務がある場合
        • (2) 法的に説明責任・義務がない場合
        • (3) (1)や(2)の場合で、納得しないクレーム申出者に対して説明責任を尽くすとは
      • 6 限度を超えたらNO!+放っておく=「放っておいて得をする」=「放っ得」
      • 7 相手方との折衝時、対面時の注意点〜相手方に見られたらまずい内部書類は持参しない、目前に出さない〜
      • 8 「現場・現物・現実」の検証と安直な処理
      • 9 現物を預かる際の注意
        • (1) 承諾書の請求
        • (2) 交換
        • (3) 借受証の請求
      • 10 法的クレーム処理〜社会的妥当性のある対応案の提示(内部基準の確立と遵守)が原則〜
        • (1) 法的クレーム処理とは
        • (2) 「ミスがあったら謝罪」でも「損害は別物」
        • (3) クレーム処理基準の設置
        • (4) クレーム処理案の提示と交渉
        • (5) 6種類に大別されるクレームと8種類に分けられるクレーム処理の仕方
      • 11 「厳しい要求」で「拒否できず」「放っ得ができない」場合は「後日回答」
        • (1) 「検討の上、後日回答」は駄目か
        • (2) 同じ回答を繰り返す
        • (3) 担当者を変更することは、たらい回しではない
    • 第4章 経営幹部等の役割・責任
      • 1 クレーマー対応への取組
      • 2 経営者が他の幹部の意識を改めさせる
      • 3 クレーム処理の組織的対応
        • (1) 現場の意識改革〜「自分たちだけでうまく処理し、大ごとに至らぬよう、早く処理して逃れたい」→「経営者に知られずに関係者の範囲内で処理」が、大間違いのもと〜
        • (2) 情報共有化の規則づくり
      • 4 職場の安全配慮義務
      • 5 特別扱いという愚行
      • 6 「患者相談室」の設置を
      • 7 医療機関施設内の規則遵守
      • 8 暴力団などの反社会的勢力と同じ悪質クレーマー
      • 9 クレーマーを利得させる財源〜法的根拠のない支出をしていないか(背任罪)〜
      • 10 刑法・暴対法等の活用
      • 11 クレーマーもハラスメント
        • (1) セクシュアルハラスメントとは何か
        • (2) 「セクシュアルハラスメント」=「セクハラ」=Cとは?
        • (3) 具体例
        • (4) 「女性のみならず男性も」セクハラ被害の対象
        • (5) 軽視できないセクハラの違法性〜医療現場では特に要注意〜
        • (6) 医療現場という職場におけるセクハラ行為
        • (7) 「ジェンダーハラスメント」もセクハラ
        • (8) セクハラがなぜ起きるのか
        • (9) セクハラをしないため、セクハラと言われない、職場からセクハラをなくすために心掛けるべきこと
        • (10) パワーハラスメント「パワハラ」とは何か
        • (11) パワハラとクレーマーとの関係
    • 第5章 反社会的勢力等による病院対象暴力への対応
      • 1 犯罪対策閣僚会議+企業指針からの切り口がベスト
      • 2 クレーマー相手よりも簡単な病院対象暴力排除
      • 3 病院対象暴力への対応の基本
        • (1) 属性よりも行為で見極める
        • (2) 毅然とした対応で反社会的勢力をシャットアウト
      • 4 拒否・拒絶の基本原則の徹底
    • 第6章 患者とクレーマーの境界線
      • 1 医療現場のクレーマー
      • 2 クレーム整理と問題点の明確化に役立つクレームの6パターンへの当てはめ
      • 3 クレームの内容などが異常値を示すもの
      • 4 見極め上の注意〜患者等が大声でどなっていても、悪質クレームとは限らない〜
        • (1) 不満な感情は、あって当然
        • (2) 初期対応は、予断や偏見を排除することが大切
      • 5 患者等とクレーマーを見分ける術(クレーマーの25の行為類型)
      • 6 イエローカード、レッドカードの活用
        • (1) 業務の改善と担当者の健康に役立つ切り札
        • (2) カードは気軽に切る
      • 7 「25の行為類型」=「クレーマーの特徴」と判断するに至った根拠
      • 8 真の顧客至上主義・患者至上主義の貫徹
        • (1) 顧客・患者平等・公平取扱いの原則
        • (2) 「特別扱い」の情報は広まる
        • (3) 「顧客・患者平等・公平取扱いの原則」の適用とその貫徹
        • (4) 医療機関内における規則の制定
        • (5) 公立病院や独立行政法人における「患者平等原則」
      • 〔参考資料〕
        • ・クレーム内容の特定調査確認書
        • ・イエローカードの例
        • ・クレーム対応基本指針の例
    • 第7章 弁護士、警察等外部機関との連携と反社会的勢力への対応
      • 1 弁護士との連携
        • (1) クレーマーの判定と排除対応の指導は弁護士へ
        • (2) 弁護士からの指導内容
      • 2 弁護士によるクレーマー排撃の具体的方法〜配達証明付き内容証明郵便の送付、電話対応、仮処分、訴訟、警察への相談や告訴〜
        • (1) 相手方の主張・要求をのまない旨、NOの拒否・拒絶の意思を配達証明付き内容証明郵便として相手方に送り付ける
        • (2) 配達証明付き内容証明郵便を出した後はどうなる?
        • (3) 相手方から医療機関・医療関係従事者への電話
        • (4) 相手方から弁護士への電話
        • (5) 脅迫や威嚇力の行使、執拗な不当要求行為などがやまないとき
        • (6) 裁判所に対して法的手続の申立てがなされたら、相手方はどのように行動するか
      • 3 警察・暴力追放運動推進センターなどとの連携、活用
        • (7) 「民事」であろうと、必要があれば警察は動く
        • (8) 警察へ相談・申告したことのクレーマーに対する告知の効果
      • 〔参考資料〕
        • ・クレーマー排除のための守り札
        • ・不適切クレーム・不当要求行為に対する通知書の例
  • 第II部 医療現場でのクレーム事例
    • 第1章 受付・会計に関するクレーム対応
      • Case1 医療費の請求と誓約書
      • Case2 医療費の不払いと応招義務
      • Case3 医療費未払い患者に対する院外薬局での対応
      • Case4 ささいなミスへの過剰なクレーム
      • Case5 公立病院と診療拒絶の適否
      • Case6 待ち時間へのクレーム
      • Case7 大声でどなる患者
      • Case8 手続ミスの責任範囲
      • Case9 時間外外来利用の常習者
      • Case10 受付時に家族で大暴れ・暴言
      • Case11 威圧的な患者(強要・同未遂事件)
      • Case12 大声で侮辱発言
      • Case13 酒酔いの患者
      • Case14 診療時間に対するクレーム
      • Case15 予約ミスから傷害に発展(傷害事件)
    • 第2章 診療時・診療後のクレーム対応
      • Case16 大声を出して自分の要求のみを主張する患者
      • Case17 暴力を振るう患者
      • Case18 職員を長時間軟禁
      • Case19 ヤクザの指詰め(診療時の脅迫)
      • Case20 研修医の診察に対するクレーム
      • Case21 どうしても診断に納得しない患者
      • Case22 誤解による罵詈雑言
      • Case23 すごむ暴力団関係者
      • Case24 暴力団員の罵詈雑言
      • Case25 暴力団組長の入通院
      • Case26 代務医師に対する暴言
      • Case27 病気と家族への不満から暴れる患者
      • Case28 ときどき暴れる患者
      • Case29 付添いの子分を殴る暴力団員
      • Case30 大声でどなる父親
      • Case31 細かいことをしつこく尋ねる患者
      • Case32 処方された薬に対するクレーム
      • Case33 診療後の病状急変に対する家族からの脅迫等
      • Case34 患者死亡後の家族からのクレーム
      • Case35 医療過誤を主張する息子
      • Case36 暴力団員の小指の接合手術
    • 第3章 搬送中、受入れ時のクレーム対応
      • Case37 ホテル感覚で入院する患者
      • Case38 医療費不払い患者の受入れ拒否の可否
      • Case39 不法な要求行為
      • Case40 病院を宿泊施設代わりにしようとする患者
      • Case41 救急隊員に対する土下座の強要
      • Case42 二次救急病院への転送に対する罵詈雑言
      • Case43 酔っ払いの患者
    • 第4章 医療事故のクレーム対応
      • Case44 繰り返しの謝罪にも納得しない患者
      • Case45 安全管理委員への暴言
      • Case46 医療事故被害者への特別対応
      • Case47 クレーム担当師長の重責
    • 第5章 入院・リハビリ中のクレーム対応
      • Case48 医療費の不払いと死亡診断書の引渡し要求
      • Case49 院内における転倒事故
      • Case50 入院中の子供の父親からの暴言
      • Case51 苦情を言い続ける患者
      • Case52 治療が必要だが治療を受ける意思が感じられない患者
      • Case53 経済的、精神的に問題がある患者への「非人道的措置」か否か
      • Case54 ルールを守れない患者の個室利用
      • Case55 ルールを守れない患者の個室料免除
      • Case56 家族へのがんの告知
      • Case57 末期のがん患者による暴力行為
      • Case58 暴言のひどい患者
      • Case59 元気で無断外出を繰り返すのに退院しない患者
      • Case60 入院後2週間で亡くなったことに納得しない患者の遺族
      • Case61 暴力団員の暴力行為
      • Case62 医師監禁事件〜人権侵害行為に対処する方法〜
      • Case63 セクハラを受けたと主張する患者
      • Case64 退院できずイライラする患者
      • Case65 転院を勧めて激怒した患者の息子
      • Case66 医療費の不払いと暴言
      • Case67 院内をはいかいする患者
      • Case68 大部屋で暴言を繰り返す患者
      • Case69 大部屋でのけんか
      • Case70 薬に注文をつける患者
      • Case71 病室で騒ぐ暴力団員の見舞客
      • Case72 妄想から攻撃を仕掛ける患者
      • Case73 手術に対する不満
      • Case74 子供にリハビリを受けさせない母親
    • 第6章 退院後のクレーム対応
      • Case75 入院中の対応等に関するクレーム
      • Case76 退院時の母子げんか
      • Case77 刑務所仲間と来院した患者
      • Case78 金銭要求
    • 第7章 セクハラ等の対応
      • Case79 受付時のセクシュアルハラスメント
      • Case80 若手スタッフへの付きまとい
      • Case81 女性看護師へのセクシュアルハラスメント
    • 第8章 その他のクレーム対応
      • Case82 他人の違反行為を逐一報告する患者
      • Case83 大声で携帯電話を使用
      • Case84 病気に由来する暴力による損害等への対応の仕方
      • Case85 責任能力の疑われる暴力行為への対応
      • Case86 困った付添いの孫
      • Case87 有効な警察への相談申告
      • Case88 しつこく「訴えてやる」と主張する患者
      • Case89 患者の容体に関する照会への回答と脅迫
      • Case90 不審者の訪問
      • Case91 外来での苦情対応
      • Case92 夜勤時のトラブルへの対応
      • Case93 訪問看護中の対応
      • Case94 訴訟前の対応
      • Case95 面談内容の録音の可否
    • 第9章 職場環境・教育等に関するQ&A
      • Case96 医師の暴言に対する対応の仕方
      • Case97 職員への教育
      • Case98 患者の権利と義務
      • Case99 病気からくる暴力とそうでない暴力のすみわけ
  • 参考文献

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