関連分野   警察・司法/交通  

二訂版(補訂) 基礎から分かる
交通事故捜査と過失の認定

編著/監修
互 敦史 著
体裁
A5判  384ページ
定価
2,530 円(消費税込み)
本体価格+税
2,300 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-1459-8
C3032 \2300E
発行日
令和5年4月15日
二訂版(補訂)発行
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本書の特長

検事の視点で書かれた『過失認定』の必携本


  • 交通事故捜査に特化した「過失の認定」本
  • 交通部門歴任の著者による経験に裏打ちされた確かな内容
  • 事例や図を多用し、読みやすく理解しやすい本文
  • 公判につながる捜査時の留意事項を明示。類型ごとの解説で、捜査時の手引書にも!

二訂版(補訂) の発行にあたって

今回, 二訂版(補訂) を発行するにあたっては, 二訂版4刷の発行後に出た最新の裁判例及びそれより前に出た裁判例で私自身が把握していなかったもののうち捜査の参考になると判断したものを盛り込んだほか, 読者の皆さんからご指摘を受けた箇所について, 適宜, 訂正・加筆をしました。なお, 今般, 道路交通法の一部が改正され(令和4年4月27日法律第32号), 特定自動運行に係る許可制度の創設, 特定小型原動機付自転車(電動キックボード等) 及び遠隔操作型小型車(自動配送ロボット等) の交通方法等に関する規定の整備などが行われ, 未来の交通手段に向けた法改正の第一歩として期待が膨らみますが, 本書の主題である「過失の認定」との関係では, 現状では具体的な事故案件の集積がないことから, 今回は, 車両の定義等につき若干の加筆・修正を行ったほかは, 特に言及していません。

令和5年3月

公証人(東京法務局所属) 互 敦史


著者略歴

平成元年4月司法修習生
平成3年4月検事任官, 東京地方検察庁
平成23年4月名古屋地方検察庁交通部長
平成24年4月東京地方検察庁交通部副部長
平成25年4月横浜地方検察庁交通部長
平成26年4月千葉地方検察庁公判部長
平成28年1月広島高等検察庁刑事部長
平成29年1月千葉地方検察庁次席検事
平成30年6月徳島地方検察庁検事正
令和元年11月公証人(東京法務局所属)


目次

  • 第1講 総論
    • 1 過失とは何か
      • 1 定義
      • 2 結果予見可能性を前提とした結果予見義務とは?
      • 3 結果回避可能性を前提とした結果回避義務とは?
        • (1)結果回避可能性
        • (2) 結果回避可能限界地点
      • 4 結果予見義務と結果回避義務の関係
    • 2 信頼の原則
      • 1 定義
      • 2 信頼の原則の適用事例(信号交差点における事故)
        • (1)理論上の結果回避義務
        • (2) 信頼の原則による結果回避義務の免除
      • 3 信頼の原則の限界
    • 3 直近過失説と過失併存説
    • 4 過失認定の手順
      • 1 過失運転致死傷罪成立の機序
      • 2 帰納法的発想が大切
      • 3 認定された過失
  • 第2講 信号看過による事故
    • 信号看過による事故
      • 1 信号表示に留意し, これに従って進行すべき注意義務とは?
        • (1)信号交差点における注意義務の内容と信頼の原則
        • (2)対人事故の場合の留意点
      • 2 信号看過の過失
        • (1)信号看過の過失に関する2つの考え方
        • (2)私見
      • 3 信号交差点における事故の捜査上の留意点について
        • (1)客観証拠の収集と分析
        • (2)目撃者の確保と目撃供述の信用性の吟味
        • (3)同乗者の供述の信用性の吟味
        • (4)運転者の供述の信用性の吟味
      • 4 過失の認定
      • 5 いわゆる長大交差点における特例について
      • 6 赤色信号殊更無視型の危険運転致死傷罪について
        • (1)赤色信号殊更無視型の危険運転致死傷罪の成立要件
        • (2)単なる赤色信号無視と殊更無視の違いについて
        • (3)危険運転致死傷罪の成否を判断するための捜査事項について
        • (4)証拠収集方法について
  • 第3講 見通しの悪い非信号交差点における事故
    • 見通しの悪い非信号交差点における過失の認定
      • 1 一時停止の道路標識が設置されていない交差点における事故について
        • (1)徐行義務
        • (2)見通し見分を実施する際の留意点
        • (3)過失の認定
      • 2 一時停止の道路標識が設置されている交差点における事故について
        • (1)一時停止義務とは
        • (2)過失の認定
        • (3)見通し見分
      • 3 赤色点滅と黄色点滅信号機が設置されている交差点における事故について
        • (1)黄色点滅と赤色点滅信号の意味
        • (2)判例による道路交通法43条の準用
      • 4 見通しの悪い交差点と信頼の原則
        • (1)信頼の原則の適用
        • (2)参考判例
        • (3)2つの最高裁判例の違い
  • 第4講 直進車と右折車の衝突事故
    • 1 右直事故の過失
      • 1 右直事故の過失を問われるのは, 右折車?それとも直進車?
        • (1)原則は右折車に過失
        • (2)優先通行権と進行妨害
    • 2 事前に直進車を認めていた場合
      • 1 右折車の動静注視義務違反の有無
        • (1)直進車の動静の判断
        • (2)右折車の行動の判断時期
      • 2 直進車の高速度が右折車の判断ミスを誘引した場合
        • (1)判断ミスの原因の検討
        • (2)詳細な検討方法
        • (3)簡易な検討方法
    • 3 事前に直進車を認めていなかった場合
      • 1 原則は右折車に前方注視義務違反の過失
      • 2 直進車の優先通行権が否定される場合
        • (1)優先通行権を否定した2つの判例
        • (2)過失の認定の検討
  • 第5講 交差点の右左折時における後続車巻き込み事故
    • 1 右左折時における右左折方法及び合図の出し方
    • 2 後続直進車との優劣関係
    • 3 右左折時における注意義務に関する最高裁判例
      • 1 「適切な右左折準備態勢に入った後」の注意義務
        • (1)信頼の原則による結果回避義務の免除
        • (2)信頼の原則の適否の判断基準
        • (3)周到な後方安全確認義務
        • (4)適切な右左折準備行為
        • (5)信頼の原則の適用外
      • 2 「適切な右左折準備態勢に入る前」の注意義務
      • 3 「適切な右左折の準備態勢を行っていない場合」の注意義務
    • 4 過失認定のための捜査事項及び過失の有無に関する判断
      • 1 適切な方法で右左折の準備態勢に入ったか否かについて
      • 2 後続車が右左折車の右左方を追い抜くことの適否について
      • 3 過失の有無に関する判断について
        • (1)右左折車が適切な方法で右左折の準備態勢に入った後で, かつ, 後続車の追抜きが違法な場合
        • (2)右左折車が適切な方法で右左折の準備態勢に入った後であるが, 後続車の追抜きが適法な場合
        • (3)右左折車が適切な方法で右左折の準備態勢に入らなかった場合
  • 第6講 路外施設に出入りする際の事故
    • 1 路外施設から道路への進出時における事故
      • 1 事故態様と道路交通法の規定について
        • (1)代表的な事故態様
        • (2)道路交通法上の義務
        • (3)「交通を妨害する」, 「通行を妨げ(る)」とは?
      • 2 左右道路の見通しが良好であったにもかかわらず発生した事故について
      • 3 停止車両のため左右道路の見通しが悪かった場合の事故について
        • (1)事故の類型
        • (2)捜査の要点
        • (3)過失の認定
        • (4)過失が否定される場合
      • 4 左右の見通しの悪い路外施設から進出した際に発生した事故について
    • 2 路外施設への進入時における事故
    • 3 歩道上の歩行者・自転車との事故
      • 1 対歩行者事故
      • 2 対自転車事故
  • 第7講 車道上における車両対歩行者事故―横断歩道上―
    • 横断歩道上における車両対歩行者事故
      • 1 道路交通法38条について
        • (1)同条の規定
        • (2)速度調節義務に関する裁判例
        • (3)1項の留意点歩行者に対する信頼の原則
        • (4)2項の規定による一時停止義務違反の2つの捉え方
      • 2 個別の検討
        • (1)直進時の事故について
        • (2)右左折時の事故について
      • 3 対自転車事故について
        • (1)道路交通法38条について
        • (2)自動車運転死傷処罰法上の過失の認定
        • (3)過失が否定された事例
        • (4)道路交通法38条1項前段の速度調節義務について
  • 第8講 車道上における車両対歩行者事故―横断歩道以外―
    • 1 夜間の事故について
      • 1 見通し見分
      • 2 過失の認定
      • 3 横臥者のれき過事故
        • (1)注意義務の内容
        • (2)見通し見分の方法
        • (3)2段階注意義務検討の方法
    • 2 直前横断と過失の認定
      • 1 前方不注視による未発見(発見遅滞) 事故について
      • 2 動静注視義務違反による事故について
    • 3 渋滞車両間等からの横断
  • 第9講 二重れき過事故・追突事故
    • 1 二重れき過事故
      • 1 被害者が傷害を負った場合
      • 2 被害者が死亡した場合
    • 2 追突事故
      • 1 追突事故の過失の内容
      • 2 多重衝突事故
  • 第10講 運転中止義務違反の過失による事故
    • 運転中止義務違反による過失の認定
      • 1 事故の類型
      • 2 運転中止義務とは何か
      • 3 解明すべき事実及び捜査方法
        • (1)解明すべき事実
        • (2)捜査方法
      • 4 過失の認定
  • 最終講 その他の事故
    • 1 追抜き・追越し時の事故
      • 1 対自動車事故
        • (1)追抜き時の事故
        • (2) 追越し時の事故
        • (3) 追越し時に対向車と起こす事故
      • 2 対自転車事故
        • (1)対自転車事故の特徴
        • (2)結果予見可能性の有無
        • (3)被害者の年齢による結果予見可能性の有無
      • 3 通行妨害型危険運転致死傷罪について
    • 2 開扉事故
      • 1 運転者による開扉事故
      • 2 同乗者による開扉事故
    • 3 げん惑による事故
    • 4 悪路等における事故
    • 5 高速度走行型危険運転致死傷罪について
      • 1 「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」とは?
      • 2 具体的事故態様と捜査事項
        • (1)カーブにおける事故
        • (2)中央が隆起した道路における事故
        • (3)その他の事故
  • 特別講 アルコール又は薬物, 病気に起因する危険運転致死傷罪について
    • 1 アルコール又は薬物に起因する交通事故について
      • 1 2条危険運転致死傷罪の成立要件
      • 2 3条危険運転致死傷罪の成立要件
      • 3 2条危険運転致死傷罪と3条危険運転致死傷罪の相違点
      • 4 最高裁判例の検討
      • 5 「正常運転困難状態」で自動車を走行させたか否かを判断するための捜査事項
        • (1)事故態様
        • (2)飲酒状況, 運転開始前の状況等(飲酒運転の場合)
        • (3)服薬状況, 薬効の発現状況等(薬物運転の場合)
        • (4)事故前の運転状況
        • (5)事故後の状況
        • (6)飲酒検知結果
        • (7)事故回避行動の有無及び程度
        • (8)主観的認識の有無
      • 6 運転者において自己が「正常運転支障状態」で自動車を走行させたと認識していたかを判断するための捜査事項
      • 7 2条危険運転致死傷罪と3条危険運転致死傷罪の成否
        • (1)2条危険運転致死傷罪
        • (2)3条危険運転致死傷罪
        • (3)過失運転致死傷罪
      • 8 飲酒による居眠り運転と危険運転致死傷罪について
    • 2 病気に起因する交通事故について
      • 1 成立要件
      • 2 捜査事項
      • 3 問題点
  • 判例索引

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