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◆自治体政策シリーズ◆

共感される政策をデザインする

―公民連携による戸田市の政策づくりと教育改革―

編著/監修
牧瀬 稔 編著
戸田市政策研究所 編著
戸田市教育委員会 編著
体裁
A5判  168ページ
本体価格+税
1,800 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-4074-0
C3034 \1800E
発行日
平成31年3月29日
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本書の特長

なぜ、戸田市に全国から視察が殺到するのか?

公民連携のトップランナーである戸田市の取組を紹介!

  • 多くの調査研究結果を事業に結び付けてきた、自治体シンクタンク「戸田市政策研究所」と、業界新聞で度々特集されるなど、先進的な教育改革で注目を集める戸田市教育委員会の取組を紹介。
  • 「定住人口の獲得」に向けたシティプロモーション成功の秘訣とは?人口を増やし、市民から共感を得るためのまちづくりのプロセスについて解説。
  • 産官学民の知のリソースの積極的な活用や、新しい学びのための「PEERカリキュラム」(プログラミング教育、英語教育、経済教育、リーディングスキル)等の推進など、大胆かつ斬新な教育改革について紹介。
  • 「公民連携」の理論部分についても詳しく解説。さらに大学や民間企業、外部機関との共同研究の事例も公開し、これからのまちづくりに活かせるヒントが満載です。

はじめに

現在は、「都市間競争」の時代である。10年前の戸田市政策研究所設置当時、このような言葉を使うと批判を受けることが多くあった。しかし、今では当たり前に認識される時代へと移り変わっている。この都市間競争の時代、自治体には一体何が求められているのだろうか。

過去10年を振り返ると、自治体を取り巻く環境はこれまでにないスピードで激変してきた。特に、「消滅可能性都市」の衝撃から始まった「地方創生」の流れに関しては、人口減少を他人事として捉えていた自治体にとっても自分事として考えるきっかけとなり、全ての自治体が本気で未来の在り方を考える契機となった。

一方で、この地方創生に関しては、自治体の「努力義務」として地方版総合戦略の策定に取り組んだ経緯もあり、これ自体で自治体間に大きな差は生じていないようにも感じられる。その理由としては、国から突然降ってきたという印象が強く、これからの自治体の在り方を考え抜くにはあまりにも短い時間であったことが影響しているのではないだろうか。また、目の前に発生した課題への「対策」に終始することとなり、これからの価値ある未来を「創生」するまでは至らなかったのかもしれない。

この未来を描きづらい人口急減時代においては、今一度自治体の原点に立ち返り、「住民の福祉の増進」を目指して自治体が最も輝く政策を推進していくことが求められる。自治体にとって相応しい価値ある未来とは何か、成功のストーリーを明確に描き、未来を創り上げていくことが肝要である。そのためには、政策を着実に研究・立案・実行し、まちづくりの主体を行政だけに限定することなく、市民や議員、民間企業などとの連携によって推進していくことが必要である。

本書では、戸田市における「政策づくりの仕組み」や「差別化戦略」、「外部との積極的な連携」を中心にまとめ、これからのまちづくりに必要な視点について紹介している。そのため、自治体職員や議員、地域政策の関係者にとって、非常に参考となる内容となっている。

まず、第Ⅰ部では、政策形成アドバイザーである牧瀬稔先生(関東学院大学法学部准教授)から、政策づくりに資する公民連携の可能性を中心に取り上げていただいた。ここでは、戸田市の事例ではなく、これからの自治体政策に不可欠な視点を紹介している。

第Ⅱ部では、戸田市の事例として「政策研究所」と「教育」を取り上げている。戸田市では、都市間競争の時代において市全体の政策形成力の向上を目指すとともに、他との差別化戦略として「教育日本一」を掲げて取組を進めており、この点を中心に紹介する。

第Ⅲ部では、政策研究所における大学や民間企業、外部機関との共同研究の事例について取り上げている。公民連携というと、ハード面が中心と思われがちではあるが、今回はソフトの部分で外部の知見を取り入れた共同研究の事例を紹介する。


戸田市は、首都圏に位置しており恵まれた地の利がある。しかし、それに胡座をかいていては、都市間競争の時代を勝ち抜いていくことができない。これからの時代は、自治体の未来に希望が持てるような住民から「共感」される政策が必要である。

戸田市では、他自治体との差別化を図りながら、前例にとらわれることなく住民から選ばれる政策を展開している。そのため、政策づくりを試行錯誤している自治体にとって、本書が政策を考えていくうえでのヒントとなれば幸いである。

2019年3月

戸田市長 菅原文仁


目次

  • 第Ⅰ部 進化・深化する「公民連携」の在り方
    • 競争と共創の「公民連携」の可能性
      〜公民連携の定義や背景等の検討〜
      関東学院大学法学部准教授 牧瀬 稔
      • 1 注目集める「公民連携」
      • 2 公民連携の定義
      • 3 公民連携の具体的な手段
      • 4 公民連携は手段か目標(目的)か
      • 5 公民連携が進む背景
      • 6 政策が減れば公民連携は……
      • 7 競争と共創の土壌となる「公民連携」
  • 第Ⅱ部 「共感」を呼ぶ政策づくりと戸田市の教育改革
    • 第1章 自治体シンクタンク「戸田市政策研究所」の軌跡
      〜「共感」が高まる政策づくりの仕掛け〜
      戸田市政策研究所
      • 1 戸田市ってどんなまち?
      • 2 政策研究所の概要
      • 3 調査研究機能
      • 4 政策支援機能
      • 5 これからの時代を見据えて
    • 第2章 人を呼び込み定着させるシティプロモーション
      〜「競争」から「共感」、そして「共創」へ〜
      戸田市政策研究所
      • 1 まちの魅力・課題を徹底分析
      • 2 これまでのシティプロモーションの効果
      • 3 新たなシティプロモーションの動き
      • 4 「共感」そして「共創」へ
    • 第3章 戸田市の教育改革の取組
      戸田市教育委員会
      • 1 戸田市の教育改革
      • 2 新たな学びの推進
      • 3 アクティブ・ラーニングの推進のための戸田型授業改善モデル
      • 4 その他の分野における産官学民連携
      • 5 今後の展望
  • 第Ⅲ部 公民連携による共同研究事例
    • 第4章 若年層の「まち意識」の実像とその化育成に向けたアプローチ―2015年・2016年共同研究「戸田市における20代・30代の若年層の居場所に関する研究」から
      目白大学 高久聡司・大西律子
      • 1 「若年層の居場所」研究の実施の背景・目的
      • 2 若年層の「まち意識」の把握に向けて
      • 3 戸田市の若年層にみる「まち意識」とは?
      • 4 若年層向けSAFITガイドライン(中軸編・補完編)
      • 5 本研究の知見と若年層の「まち意識」の孵化育成に向けたアプローチ
    • 第5章 シビックプライドの分析手法
      読売広告社 R&D局 局長代理
      ひとまちみらい研究センタープロデューサー 上野昭彦
      • はじめに
      • 1 読売広告社のシビックプライドへの取組
      • 2 シビックプライドの構造
      • 3 戸田市と読売広告社の共同研究
    • 第6章 「住民がつくるおしゃれなまち」に向けた戸田市・日本都市センターの共同研究
      〜戸田公園高台広場におけるイベント(実証実験)をきっかけとしたまちづくりの展開〜
      公益財団法人日本都市センター研究員 髙野裕作
      • 1 はじめに 研究の経緯
      • 2 共同研究における調査・議論
      • 3 イベント実施に至る経緯・検討過程
      • 4 実証実験における調査
      • 5 考察

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