この1冊で風営適正化法が網羅できる内容で構成!
※ 本書の記述は、原則として平成30年12月31日までに施行された法令に基づいています。
本書は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、はしがき中において「風営適正化法」といいます。)の各規定について、逐条形式で簡潔に解説したものです。
風営適正化法に関しては、これまでも蔭山信氏の「注解風営法」(東京法令出版)や飛田清弘氏の「条解風営適正化法」(立花書房)などの解説書が刊行されています。これらの解説書は非常に有用であり、現在でも実務において広く活用されていますが、風営適正化法は累次にわたり改正がなされており、近年においても平成27年改正により特定遊興飲食店営業に係る規定が新設されるなど、規制の内容に様々な変化がみられます。
そこで、本書では、解釈・運用に関する解説を最新の状況(注:平成30年末現在)を踏まえたものにするのはもちろんのこと、条ごとに規定の趣旨及び沿革に関する解説を付すことで、風営適正化法の体系の中での各規定の位置付けが容易に把握できるよう努めました。また、序説として過去の改正経緯の概要をまとめたり、巻末資料として下位法令の関係規定を掲載するなどして、参照のしやすさにも配慮しました。
もとより、本書は新たな解釈を示すものではなく、先に述べた各解説書のほか、過去の風営適正化法改正に関する国会審議録、いわゆる解釈運用基準(生活安全局長通達)、警察学論集(立花書房)に掲載された論考などを参考に、実務上広く受け入れられている解釈をまとめることに徹しており、参考とした文献についてはその都度注釈を付記しました。また、本書の記述は警察庁生活安全局の公的な解釈を示すものではなく、その責任が著者個人にあることは言うまでもありません。
本書が風俗行政に携わる方々をはじめ、多くの方々にとって風営適正化法の内容を理解されるための一助となれば幸いです。
令和元年10月
吉田 一哉