近年、火災の発生件数が減少し、消防職員や消防団員が火災現場で消防活動を行う経験が少なくなったことから、安全かつ効率的に消防活動を行えるよう、火災の危険性や燃焼状況を把握して消防活動を行う要領や安全管理等の教育が求められています。
本校では、消防職員初任教育や専科教育警防科、救助科において、既存の訓練施設を活用し、木材を燃焼させて、火災性状や注水要領の基礎的な教育を行っています。
しかし、限られた教育時間の中で、消防活動に必要な全ての内容を身に付けることは難しく、学校教育を実際の現場活動に生かすことが課題となっています。
そこで、事前の教育資料として、いつでも火災性状や注水要領等を確認することができるよう動画を取り入れて、このテキストを作成しました。今後は、日進月歩する戦術や装備に対応できるよう、改訂をしていきたいと考えています。
火災性状や注水要領は、消防職団員として必要な基礎的知識及び技術であり、消防学校教育のみならず、所属教育でもこのテキストが活用され、消防活動時の参考としていただければ幸いです。
令和4年3月1日
神奈川県消防学校長 中村純也