現代の化学産業は、情報、環境及びバイオ関連産業等をはじめとして、絶え間ない技術革新が行われるとともに、さらなるグローバル化の進展によって物流機構も複雑多様化されるなど、著しい変化の中にあります。
このような社会動向のなか、消防法令も平成16年に住宅用防災機器の条項が消防法第9条の2に規定され、圧縮アセチレンガス等の貯蔵・取扱いの届出の条項が消防法第9条の3となり、また、国際海上危険物規程(IMDGコード)第31回の改正とあわせて、海上人命安全条約(SOLAS条約)の改正も行われて、IMDGコードの規程がSOLAS条約に基づく強制要件になっています。
本書は、毒・劇物に指定されている物質の中で消防法第9条の3に定める消防活動阻害物質となっているものについて、その物性や化学性、流通する荷姿に加えて災害発生時の処置方法等を記載いたしました。
これらの物質を取り扱っている事業所や防災行政に携わる方々の一助となれば幸いです。
令和4年9月
危険物査察研究会 編