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4訂版
わかりやすい 少年警察活動

編著/監修
少年非行問題研究会 編
体裁
A5判  240ページ
定価
2,200 円(消費税込み)
本体価格+税
2,000 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-1460-4
C3036 \2000E
発行日
令和5年5月10日
4訂版発行
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本書の特色

少年を取り巻く現状から
捜査上、手続上のポイントまで
少年警察活動が一から分かる!


  • 少年警察活動の実務に直結する内容を、イラストと分かりやすい筆致で解説
  • 非行少年の発見・保護から事件の捜査、立ち直り支援と非行防止までがこの一冊で分かる
  • ノンアルコール飲料や電子たばこ、SNS起因の子どもの性被害防止など近年の事例についても網羅

4訂版の発刊にあたって

少年を取り巻く社会情勢は、「選挙権年齢が満20年以上から満18年以上に引き下げられる」、「民法の定める成年年齢が20歳から18歳に引き下げられる」など、18歳及び19歳の少年が社会において責任ある主体として積極的な役割を果たすことを期待する流れとなっています。

一方で、刑事司法においては、18歳及び19歳の少年であっても成長途上にあり、可塑性を有する存在と考えられ、少年法の適用では18歳未満の者とも20歳以上の者とも異なる取扱いをすることが適当であるとされました。

そこで、令和4年4月1日から施行された改正少年法においては、18歳及び19歳の者を「特定少年」と呼称し、その立場に応じた取扱いに関する特例等が定められました。

しかし、少年法の目的である少年の健全育成の精神に何ら変わりはありません。

刑法犯少年の検挙人員は減少傾向であるものの、その再犯者率は3割を超えており、特殊詐欺で検挙された人員の約2割を少年が占め、大麻や覚醒剤等の薬物を乱用する少年の数は高い水準で推移しています。

また、少年の犯罪等の被害状況をみれば、SNSに起因する事犯の被害児童数が高い水準で推移しており、児童虐待又はその疑いがあるとして警察から児童相談所に通告した児童数等は過去最多を更新しています。

以上のとおり、少年の非行と保護を巡る情勢は決して予断を許さない状況にあり、少年警察活動に携わる我々は、少年法の目的を達成すべく、犯罪を犯した少年や被害に遭った少年等一人一人の性格や周囲の環境を深く見極め、少年を保護する上で何が最も適切な処遇かに思いを巡らせ対応していく必要があります。

本書が少年警察の入門書としても活用されていることを踏まえ、手に取った職員が少年警察活動の要点を捉え、適切な職務執行に繋げられるよう、今回の改訂についても当初の編集方針に沿った分かりやすい表記に努めております。

その他、ベテランの職員についても、本書を片手に少年警察関係の最新の法令や通達を参照することで振り返りの機会に活用いただくなど、本書が第一線の少年警察活動の一助となり、ひいては我が国の将来を担う少年の健全育成に寄与することができれば幸いです。

令和5年4月

少年非行問題研究会一同


目次

  • 第1 少年事案の取扱いは大人と何が違うのか
    • 1 少年事案の取扱いを甘く考えるな!
      • 1 少年問題の重要性
      • 2 少年事案取扱いの難しさ
    • 2 少年警察活動の基本
      • 1 健全育成の精神の理解が少年警察の第一歩
      • 2 少年の特性をよく理解すること
      • 3 処遇の個別化とはどういう意味か
      • 4 秘密の保持に留意
      • 5 少年警察活動には国際的動向への配慮も不可欠だ
    • 3 少年の定義あれこれ
      • 1 そもそも「少年」とは?
      • 2 家裁の調査・審判の対象となる少年
      • 3 規則で定義付けている少年等
  • 第2 非行少年・要保護少年の早期発見
    • 1 不良行為少年の補導
      • 1 不良行為少年の補導の意義
      • 2 少年補導票を作成する場合とは
      • 3 不良行為の「代表」〜喫煙・深夜はいかい
      • 4 犯罪にはならないが…
      • 5 公営競技場とは競馬場等のことだ
      • 6 ノンアルコール飲料や電子たばこは補導できるのか
    • 2 街頭補導
      • 1 非行防止に効果の大きい街頭補導
      • 2 街頭補導実施上の留意事項
      • 3 地域警察官による街頭補導
    • 3 少年相談
      • 1 少年相談の目的は
      • 2 交番で受理した場合はどうするのか
      • 3 相談者の意見や希望を尊重しよう
      • 4 相談の解決のために情報を十分に収集する
      • 5 関係機関への引継ぎには十分注意しよう
    • 4 家出少年の発見保護
      • 1 家出少年の発見保護はなぜ大切か
      • 2 家出少年はどこに?
      • 3 家出少年を早期に発見保護するために
      • 4 民間や地域社会の協力が不可欠
      • 5 家出少年保護措置上の留意事項
    • 5 福祉犯被害少年の発見保護
      • 1 福祉犯の被害少年を発見するには
      • 2 福祉犯の被害少年保護に当たっての留意事項
    • 6 児童虐待の被害児童の発見保護
      • 1 潜在化しがちな児童虐待
      • 2 児童虐待を見逃すな
      • 3 早期発見のために
    • 7 いじめ問題への的確な対応
      • 1 学校におけるいじめ問題への対応
      • 2 学校の対応を尊重するも、必要な対応は執るべき
      • 3 早期把握が重要
      • 4 把握したいじめ事案への適確な対応
    • 8 校内暴力事件の早期把握
      • 1 小学生のうちから対策を
      • 2 校内暴力事件とは?
      • 3 学校等との緊密な連携が重要
      • 4 継続補導の必要性を見極めよう
  • 第3 少年事件の捜査
    • 1 少年事件の年齢区分
      • 1 20歳〜少年か否か
      • 2 18歳〜特定少年か否か、児童福祉法が適用されるか否か
      • 3 16歳〜原則逆送になるか否か
      • 4 14歳〜罪を問われるかどうか
      • 5 年齢を確認するときは、ここに注意!
    • 2 少年事件手続の特殊性
      • 1 全件送致主義とは何か
      • 2 家裁直送事件とは何か
    • 3 呼出し
      • 1 少年を呼び出す際に心掛けること
      • 2 こんな呼出しは原則禁止
    • 4 取調べ
      • 1 必ず立会人を置かなければならないか
      • 2 取調べ上の留意事項
    • 5 逮捕
      • 1 逮捕するかどうかの判断で注意すること
      • 2 中学生の逮捕は慎重に
      • 3 施設収容中の少年は逮捕できるのか
      • 4 20歳以上の者と同じように再逮捕できるのか
    • 6 留置
      • 1 留置要否の判断
      • 2 少年を留置する場合に気を付けること
    • 7 少年の指紋採取等
      • 1 どういう場合に指紋採取等ができるのか
      • 2 身柄不拘束の少年被疑者からの指紋採取等に当たっての留意事項
    • 8 少年事件の送致
      • 1 罰金刑以下の事件の告訴を受けた場合は?
      • 2 一人で罰金刑以下の犯罪と禁錮刑以上の犯罪の二罪を犯していたら?
      • 3 共犯で罰金刑以下の犯罪を犯し、一方の少年に禁錮刑以上の犯罪の余罪がある場合は?
      • 4 少年と20歳以上の者との共犯事件の場合は?
      • 5 被害者の告訴のない親告罪の事件
    • 9 簡易送致
      • 1 簡易送致は簡易書式とも微罪処分とも違う
      • 2 形式的要件のみで安易に簡易送致するな
      • 3 簡易送致の趣旨を理解し、大いに活用すべし
    • 10 措置の選別と処遇意見
      • 1 少年事件選別主任者制度とは何か
      • 2 措置区分の選別はなぜ重要か
      • 3 処遇意見〜原案を作るのは担当警察官の役割
    • 11 少年の勾留
      • 1 少年の勾留は厳しく制限されている
      • 2 勾留に代わる観護の措置とは何か
      • 3 「やむを得ない場合」とは何か
    • 12 非行なし事案をなくすために
      • 1 「非行なし」は突然やってくる
      • 2 少年審判の特質も十分理解しよう
      • 3 非行なし事案の典型
      • 4 非行なしを防止するために配意すること
    • 13 長期未処理事件をなくすために
      • 1 長期未処理事件とは何か
      • 2 事件を長期間未処理にすると…
      • 3 長期未処理は不適正事案に発展する
  • 第4 触法事件の処理要領
    • 1 触法少年の取扱い
      • 1 触法少年による事件は捜査ではなく調査をする
      • 2 触法調査としてできること
      • 3 共犯に犯罪少年がいたら捜査ができる
      • 4 触法少年と知らずに逮捕してしまったら
    • 2 触法少年の送致・通告の判断
      • 1 触法事件も送致する
      • 2 送致しない場合は、通告を検討
      • 3 一時保護とは何か〜警察の判断ではできない
    • 3 触法事件の処理要領等
      • 1 作成すべき書類
      • 2 証拠物はどうするべきか
      • 3 送致・通告後の触法少年
  • 第5 ぐ犯事件の処理要領
    • 1 ぐ犯少年の保護制度
      • 1 「ぐ犯少年」とは?
      • 2 「ぐ犯事由」とは?
      • 3 「ぐ犯性」とは?
    • 2 ぐ犯少年の取扱い
      • 1 法的根拠
      • 2 年齢によって通告・送致先が異なる
      • 3 身柄の取扱いはどうするか
      • 4 少年等の所持物件の措置
  • 第6 送致後の少年の処遇
    • 1 家庭裁判所における処理
      • 1 審判を開始するかどうかを決める調査
      • 2 少年鑑別所送致〜保護処分ではない
      • 3 逆送〜事件を検察官へ送り返すことがある
      • 4 児童相談所長へ送致する場合
      • 5 審判はどのように行われるか
      • 6 試験観察
    • 2 保護処分の実際
      • 1 保護観察
      • 2 施設への送致
      • 3 少年院への送致
  • 第7 少年の立ち直り支援と少年非行防止
    • 1 非行少年を生まない社会づくり
      • 1 少年に手を差し伸べる立ち直り支援
      • 2 少年を見守る社会気運の醸成
    • 2 継続補導による立ち直り支援
      • 1 継続補導とは?
      • 2 立ち直り支援の重要性
      • 3 少年に手を差し伸べる立ち直り支援活動との違い
    • 3 少年サポートセンター
      • 1 少年サポートセンターとは
      • 2 少年サポートセンターによる継続補導
      • 3 事件担当からの引継ぎの重要性
    • 4 集団的不良交友関係の解消に向けた対策
      • 1 集団的不良交友関係を背景とする少年事件の現状
      • 2 居場所づくりによる非行集団からの離脱対策
      • 3 非行集団への加入阻止対策
    • 5 少年の社会参加活動
      • 1 社会参加活動の重要性
      • 2 良い子だけの社会参加活動にとどまるな
      • 3 スポーツ活動も社会参加活動のひとつ
    • 6 情報発信
      • 1 情報発信はなぜ必要なのか
      • 2 何を情報発信するのか
    • 7 薬物乱用防止教室・非行防止教室
      • 1 学校へ積極的に出向くことの重要性
      • 2 できるだけ多くの学校で薬物乱用防止教室を
      • 3 薬物乱用防止広報車を積極的に利用しよう
      • 4 「薬物は有害・危険」だけではダメだ
      • 5 組織犯罪対策(薬物対策)部門との連携を密にすること
      • 6 入手方法等に関する情報は慎重に扱おう
      • 7 非行防止教室も活用しよう
  • 第8 少年の福祉を害する犯罪の取締り
    • 1 福祉犯の取締り
      • 1 福祉犯って何?
      • 2 福祉犯の種類
      • 3 被害少年の保護が究極の目的
      • 4 摘発が難しい福祉犯
      • 5 有害環境の浄化にも目を向けよう
    • 2 児童買春事犯の捜査
      • 1 児童に金が渡らなくても児童買春
      • 2 男子児童も買春の被害者たり得る
      • 3 対償の供与(約束)は事前に必要
      • 4 児童であることの認識が必要
    • 3 児童ポルノ事犯の捜査
      • 1 児童ポルノの定義
      • 2 児童ポルノの態様
      • 3 視覚により認識できることが必要
      • 4 「わいせつ」でなくても児童ポルノ
    • 4 児童福祉法違反事件の捜査
      • 1 児童福祉法の目的
      • 2 使用者には年齢知情は必要ない
      • 3 児童に淫行をさせる行為
      • 4 有害目的で児童を支配下に置く行為
    • 5 青少年保護育成条例(淫行の禁止)違反事件の捜査
      • 1 青少年保護育成条例の制定状況
      • 2 淫行の禁止
      • 3 「淫行」とは?
  • 第9 少年の保護対策
    • 1 少年を取り巻く社会環境の問題
      • 1 ネット上の有害情報の問題
      • 2 児童の性に着目した新たな形態の営業に関する問題
      • 3 酒類やたばこの問題
      • 4 有害図書類の問題
    • 2 SNS等に起因する子供の性被害等防止対策
      • 1 SNSに起因する性被害等防止対策
      • 2 「出会い系サイト規制法」の概要
    • 3 児童虐待
      • 1 児童虐待とは
      • 2 児童虐待に対する警察の取組
  • 参考資料
    • 1 少年事件簡易送致書作成例
    • 2 触法事件送致書類作成例
    • 3 触法事件通告書類作成例
    • 4 ぐ犯事件送致書類作成例(家庭裁判所送致事件)

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