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六訂版
緊急自動車の法令と実務

編著/監修
交通法令研究会緊急自動車プロジェクトチーム 編
体裁
A5判  164ページ
定価
1,320 円(消費税込み)
本体価格+税
1,200 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-1320-1
C3032 \1200E
発行日
平成26年11月20日
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本書の特長

  • 平成26年3月14日に施行された原子力防災対策車等の緊急自動車化の改正について補正!
  • 新たに緊急自動車に関する3判例を追加し、全19判例に!

    *パトカーが赤色灯をつけないで尾行し行った速度測定の正確性と適法性(昭60.1.24札幌高裁判決)

    *パトカーが赤色灯をつけず、サイレンも鳴らさずに行った暴走車阻止で生じた事故に対する損害賠償責任(平20.7.4最高裁判決)

    *交通整理の行われている交差点での緊急自動車(救急車)と普通貨物自動車との衝突事故につき緊急自動車の運転者の過失を認めた事例(平14.3.28千葉地裁判決)


はじめに

平和な世の中だといわれながらも、緊急自動車のサイレンの音を聞かない日はない。いつもどこかで事故や事件が起こっている。

緊急自動車は、犯罪、火災、交通事故、ガス爆発から、急病人の搬送等に至るまで、昼夜を問わず活動を続けている。

これらの緊急自動車は、その業務の内容が特殊なため、法令の規定の上で、通行方法等について、様々な優先的、特例的な扱いを受けるが、その反面、運転資格、要件、注意義務、違法性阻却事由等についての制約が設けられている。

一般の車両は「緊急自動車が近づいてくれば、道を譲ればよい。」と考えて、それを実行すれば充分であるが、緊急自動車の側に立ってみると「みんなが譲ってくれるので、どんな走り方をしても許される。」と考えるのは誤りで、自らに与えられた権利と制約を完全に理解し実践していかなければ、正しい緊急自動車の運転は望めないばかりか、万一事故が発生した場合の責任は重い。

緊急自動車に関する法令の規定は、必ずしも理解が易しいものではない。学説、判例の類も少なく、そのうえ、緊急自動車に関する特集号的な著書が見られなかったので、緊急自動車の運転に携わる人々は、断片的な知識と職務上のカンによって業務を遂行してきたのが実情ではなかったろうか。

問題が起きなければそれでよいという考え方もあるかも知れないが、モータリゼーションの進展に伴って、社会の構造が車に依存して機能する度合いが高い車社会となり、また、国民の権利意識が高まりつつある今日においては、多少とも疑問のあるような緊急自動車のふるまいは許されないし、また、万一事故を起こせば当然にその責任が問われるのである。

本書は、緊急自動車に関し、法令の規定とその解釈、学説、判例から指定の手続き、運転の適性に至るまでを、この種のものとしてははじめて総合編集し、緊急自動車が健全な社会の維持発展に貢献することを期したものである。


目次

  • はじめに
  • 緊急自動車とは
    • 一 緊急自動車の要件
  • 緊急自動車はどのような特例があるか
    • 二 緊急自動車の特例
      • 1 右側通行の特例
      • 2 停止義務免除の特例
      • 3 通行禁止道路通行の特例
      • 4 安全地帯、立入り禁止部分進入の特例
      • 5 キープレフトの原則除外の特例
      • 6 歩行者の側方通過時の安全間隔保持、徐行義務免除の特例
      • 7 車両通行帯に従わない通行の特例
      • 8 バス専用通行帯等の通行の特例
      • 9 路線バス等優先通行帯通行の特例
      • 10 路外に出る場合の右左折の方法に従わない特例
      • 11 車両横断禁止標識、転回禁止標識等に従わない特例
      • 12 進路変更禁止場所での進路変更の特例
      • 13 二重追越しの特例
      • 14 追越し禁止場所での追越しの特例
      • 15 交差点での右左折方法に従わない特例
      • 16 進行方向を指定した通行区分に従わない特例
      • 17 横断歩道接近時の減速義務免除の特例
      • 18 自転車横断帯接近時の減速義務免除の特例
      • 19 横断歩道及びその手前三〇メートル以内での追抜き禁止除外の特例
      • 20 自転車横断帯及びその手前三〇メートル以内での追抜き禁止除外の特例
      • 21 最高速度の特例
      • 22 交通事故を起こした場合の運転継続の特例
      • 23 本線車道での横断、転回、後退ができる特例
      • 24 加速車線を通行しないで本線車道に流入できる特例
      • 25 出口に接続する車線又は減速車線を通行しないで流出できる特例
      • 26 座席ベルトの装着義務が免除される特例
  • 緊急自動車に、駐車の特例はないけれども
    • 三 駐車に関する特例の手法
  • 白バイ・交通パトカー等には別の特例がある
    • 四 交通取締車の特例
    • 五 その他警察用車両の特例
  • 緊急自動車はどのように優先するか
    • 六 緊急自動車の優先
    • 七 高速自動車国道等における本線車道出入りの優先
  • 歩行者は避譲義務があるか
    • 八 歩行者が避譲する根拠
  • 緊急自動車が、特例を受けそうで受けないものは
    • 九 緊急自動車でも特例を受けない行為
  • 緊急自動車が、その要件を欠いたり、認められた特例以外の行為をしたら
    • 一〇 正当業務行為について(違法性阻却事由)
  • 緊急自動車を運転するにはどのような資格がいるか
    • 一一 緊急自動車の運転資格
    • 一二 大型緊急自動車・中型緊急自動車の運転資格
    • 一三 普通緊急自動車の運転資格
    • 一四 大型自動二輪及び普通自動二輪緊急自動車の運転資格
  • 緊急自動車運転の資格審査はどのようにして行われるか
    • 一五 緊急自動車の運転資格審査
    • 一六 技能審査の要領
  • 緊急自動車は他の自動車を誘導できるか
    • 一七 緊急自動車の誘導
  • 緊急自動車に誘導される自動車の資格、要件などは
    • 一八 誘導される自動車の資格、要件
    • 一九 誘導される自動車の特例等
  • 誰でも緊急自動車を所有できるか
    • 二〇 緊急自動車の所有
  • 緊急自動車の赤色灯とサイレンの基準は
    • 二一 緊急自動車の警光灯
    • 二二 緊急自動車のサイレン
  • 緊急自動車の塗色は
    • 二三 緊急自動車の塗色
  • 緊急自動車の指定・届出・登録はどのようにすればよいか
    • 二四 指定・届出・登録先
    • 二五 届け出るだけでよい緊急自動車と届出の手続き
    • 二六 指定を受けなければならない緊急自動車
  • 緊急自動車の使用者(事業主等)は、どんな義務があるか
    • 二七 緊急自動車の使用者の義務
  • 緊急自動車の指定証・届出確認証はどこに収納しておくか
    • 二八 指定証等の備付け
  • 緊急自動車の指定証・届出確認証の記載内容に変更が生じた場合はどうするか
    • 二九 指定証等の記載事項の変更要領
  • 緊急自動車の指定証・届出確認証を亡くしたり、汚したりしたときはどうするか
    • 三〇 指定証等の再交付
  • 緊急自動車を廃車にしたときなどは指定証等はどうするか
    • 三一 指定証等の返納
  • 緊急自動車のまねをしたら
    • 三二 緊急自動車類似行為の禁止
  • 緊急自動車を運転するときの基本は
    • 三三 緊急自動車運転の守則
  • 緊急自動車の運転に向かないタイプとは
    • 三四 交通事故を起こしやすい性格
  • 緊急自動車の運転に関する判例にはどんなものがあるか
    • 三五 判例紹介
      • 1 消防タンク車を運転する場合の一般的注意義務(昭三二・一〇・一五札幌高裁)
      • 2 消防自動車を運転する場合の一般的注意義務(昭三三・二・一九横須賀簡裁)
      • 3 消防自動車を運転する場合の一般的注意義務(昭三四・一・二四東京高裁)
      • 4 消防自動車を運転する場合の一般的注意義務(昭三〇・一二・二一名古屋高裁)
      • 5 歩行者が道路中央附近にいる場合の消防自動車の運転者の注意義務(昭三三・二・一九横須賀簡裁)
      • 6 消防自動車が定員を超えて消防要員を乗車させた場合の違法性(昭三四・一・二四東京高裁)
      • 7 定員オーバーの消防自動車の運転者の注意義務(右同)
      • 8 群衆の群がる街角付近を通行する消防タンク車の運転者の注意義務(昭三二・一〇・一五札幌高裁)
      • 9 騒音の高いミキサー車の運転者が緊急自動車のサイレンを聴く義務の程度(昭四四・四・二四東京高裁)
      • 10 赤信号の交差点に進入する緊急自動車の注意義務(右同)
      • 11 赤信号の交差点を通過する緊急自動車の運転者の注意義務(昭四四・一一・二一札幌地裁)
      • 12 緊急自動車のサイレンを聞きながら青色信号の交差点に進入した自動車の注意義務の内容(昭三八・四・二五東京高裁)
      • 13 交通パトカーが二〇メートルに車間距離をつめて追尾測定する行為の適法性(昭五三・六・二〇大阪高裁)
      • 14 交通パトカーが四〇メートルに車間距離をつめて追尾測定する行為の適法性(昭五四・一〇・二九八王子簡裁)
      • 15 パトカーが赤色灯をつけないで追尾し行った速度測定の正確性と適法性(昭六〇・一・二四札幌高裁)
      • 16 パトカーの追跡を受け、赤信号を無視して交差点に進入し、青信号に従い進行中の車両と衝突した事例(昭六一・二・二七最高裁第一小法廷)
      • 17 パトカーが赤色灯をつけず、サイレンも鳴らさずに行った暴走車阻止で生じた事故に対する損害賠償責任(平二〇・七・四最高裁)
      • 18 交通整理の行われている交差点での緊急自動車(救急車)と乗用車との衝突事故につき緊急自動車の運転者の過失を否定した事例(昭六三・九・一六札幌地裁)
      • 19 交通整理の行われている交差点での緊急自動車(救急車)と普通貨物自動車との衝突事故につき緊急自動車の運転者の過失を認めた事例(平一四・三・二八千葉地裁)
  • 緊急自動車の運転に関する学説にはどんなものがあるか
    • 三六 緊急自動車に関する学説(元東京地裁判事補・片岡安夫氏)
      • 1 許された危険との関連
      • 2 緊急自動車の運転者の注意義務
      • 3 判例について
      • 4 結論
  • 緊急自動車が起こしやすい交通事故は
    • 三七 緊急自動車が起こしやすい主な交通事故事例
  • 道路維持作業用自動車関係はどうか
    • 三八 道路維持作業用自動車の種類
    • 三九 道路維持作業用自動車の要件
    • 四〇 道路維持作業用自動車の特例
    • 四一 道路維持作業用自動車の塗色
    • 付 緊急自動車関係法令(抜すい)
      • 道路交通法令
      • 消防法
      • 水防法

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