廃棄物の処理は、地球温暖化と並んで、最も注目されている問題です。
これまで、最終処分場の確保、処理施設建設に伴う地元とのトラブル、ダイオキシン問題、岩手、豊島、青森などの不法投棄など廃棄物に関わる様々な課題が次から次へと起こり、廃棄物問題はひっ迫しています。
この事態を打開するため、廃棄物の処理の範疇からより広い概念でとらえ、「循環」という観点で問題を解決しようという方向の流れがあります。
ところが、廃棄物発生過程をはじめその処理・再生においても複雑で多岐にわたっており、全体像をなかなか理解し難い上に、廃棄物処理法がその時点での問題解決のため、何度も改正がなされ、環境諸法の中でも最も理解しにくい内容となっています。
一方、企業、自治体においては、環境・廃棄物についてよく内容を理解している人材が大量退職し、それぞれの職場がますます手薄となってきています。
このため、廃棄物処理法を中心として、廃棄物を十分理解できていない人でも理解できるように、初級向けの解説書を作成しました。また、今回の改訂に当たって、平成27年7月現在の内容としました。
都道府県や市町村の担当者、廃棄物処理業者、排出企業、技術管理者などの幅広い分野の方々にご活用いただき、廃棄物の適正な処理に資することを切に希望しています。
平成27年11月
英保 次郎