フォレンジックの重要テーマを最もコンパクトに解説した入門シリーズ、3部作完結!
本書では、デジタル・フォレンジックにおける「証拠保全」について述べております。
そもそもデジタル・フォレンジックとは、「インシデントレスポンス(コンピュータやネットワーク等の資源及び環境の不正使用、サービス妨害行為、データの破壊、意図しない情報の開示等、並びにそれらへ至るための行為(事象)等への対応等をいう。)や法的紛争・訴訟に際し、電磁的記録の証拠保全及び調査・分析を行うとともに、電磁的記録の改ざん・毀損等についての分析・情報収集等を行う一連の科学的調査手法・技術」(デジタル・フォレンジック研究会)をいい、また、「犯罪の立証のための電磁的記録の解析技術及びその手続」(警察白書)と定義されております。
本書におきましては、ISO/IEC27037による「デジタル証拠の特定、収集、取得及び保全に関する指針(Guidelines for identification, collection, acquisition and preservation of digital evidence)」を主題として、デジタル・フォレンジックを実施する上で、特に重要となる手法・技術・手続について、当協会において1年間にわたり調査研究を行い、その成果として、エッセンスを凝縮して取りまとめたものです。
また、デジタル・フォレンジックにおける証拠保全に必要な知識・ノウハウについて、図表等を豊富に取り入れ、初心者にも読みやすく記述し、法執行機関担当者等の業務の参考となるよう工夫しました。
既に『デジタル鑑識の基礎』(上)及び(中)を上梓しているところですが、シリーズ3部作の最終巻として、『デジタル鑑識の基礎(下)』を上梓するものです。
関係各機関等における業務運営にとって、本書が少しでも参考になれば幸甚です。
平成31年2月吉日
一般財団法人保安通信協会
理事長 有馬 康之