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実例から学ぶ

犯罪捜査のポイント

編著/監修
監修:大谷晃大
編集協力:范 陽恭
体裁
A5判  312ページ
本体価格+税
2,800 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-1260-0
C3032 \2800E
発行日
平成23年6月10日
初版発行
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本書の特長

  • 『捜査研究』の人気連載「実例捜査セミナー」から待望の単行本化!
    東京地方検察庁検事によるリレー連載「実例捜査セミナー」の中から選りすぐりの事件を掲載。今、必要な事件だけを集めました。
  • 掲載事件は全て実例!
    執筆者自身が携わった事件について、捜査手法、証拠収集の問題、擬律判断の問題点等につき、具体的に執筆。
  • 収録事件数は33件!
    強行犯、知能犯、組織犯、窃盗犯、その他に分類し、各分野網羅的に掲載。あなたの参考になる事件もきっとあります。

執筆者一覧

所属は、平成23年1月末現在のものです。

第1編 強行犯関係
佐久間佳枝(司法研修所検察教官)
畠山光太郎(長野公証人合同役場)
塩澤 健一(東京地方検察庁検事)
磯部 真士(磯部法律事務所弁護士)
佐久間 進(静岡地方検察庁沼津支部検事)
岸   毅(東京地方検察庁検事)
岡本 安弘(司法研修所検察教官)
吉浦 邦彦(札幌高等検察庁検事)
児玉 陽介(宮崎地方検察庁次席検事)
岩村 大助(さいたま地方検察庁検事)
松本貴一朗(東京地方検察庁検事)

第2編 知能犯関係
横井  朗(慶應義塾大学法科大学院教授(出向中))
田口 健治(東京地方検察庁検事)
茂木 善樹(日本司法支援センター(出向中))
河原 克巳(法務省法務総合研究所総務企画部付)
信田 昌男(さいたま地方検察庁次席検事)
鈴木 敏彦(霞門法律事務所弁護士、明治学院大学教授)
吉田  稔(東京地方検察庁検事)
平野 辰男(東京地方検察庁検事)

第3編 窃盗犯関係
古賀由紀子(さいたま地方検察庁検事)
渡部 洋子(ラオス司法省・最高人民検察院・最高人民裁判所派遣専門家(検事))
勝山 浩嗣(法務省法務総合研究所教官)

第4編 組織犯関係
吉野 太人(名古屋高等検察庁検事)
野村 安秀(東京地方検察庁検事)
椿  剛志(東京高等検察庁検事)
菊川 秀子(新富法律事務所弁護士)
杉本 秀敏(横浜地方検察庁横須賀支部長)
山口 貴亮(法務省刑事局付検事)

第5編 その他
吉田 誠治(仙台地方検察庁検事)
奥谷 千織(京都地方検察庁検事)
沖田美恵子(株式会社産業革新機構(出向中))
名倉 俊一(札幌地方検察庁検事)
清水真一郎(名古屋地方検察庁検事)

監修にあたって

捜査官に求められているものは,ひとえに真相の解明である。何らかの犯罪が行われたのではないかとの疑いが生じれば,捜査官は,過去の事実を可能な限り再現すべく必要な捜査を行うこととなる。ただ,必要な捜査といったところで,事件には,それぞれ個性があり,あらゆる事件に適用し得る万能薬のような捜査手法があるわけではない。基本に忠実な捜査が重要であることはいうまでもないが,それとて,複雑困難な事件に当たったときに,今一度そこに立ち返るという意味で一つの道標にはなるものの,一義的に何かを示してくれるものでもない。結局は,そのような事件を担当することになった捜査官が,これまでの経験を活かし,事件の特性・特質を踏まえつつ,イマジネーションを働かせて,当該事件においては,どのような捜査をどのような手順で行えば,どのような証拠が集まり,どのような事実を発見できるのか(真相を解明できるのか)ということを繰り返し自問自答しながら,粘り強く,かつ,無駄をおそれることなく,一歩一歩前に進んでいくしかないように思われる。しかし,そのような時に,一条の光明となるのが,同様のあるいは類似の事件の捜査を担当したことのある先輩,同僚等の創意工夫を重ねた貴重な経験である。実際,私自身,これまで,幾度となく,そのような先達の経験に助けられた。捜査に携わる者にとって,このような先達の経験は宝物であり,これを活かさない手はない。本書のような事例研究書の存在意義もまさにそこにあるのではないかと思う。

さて,本書は,東京法令出版の発行する『捜査研究』に連載された「実例捜査セミナー」の論稿の中から,捜査の第一線にある警察官,検察官等にとって,それぞれがその職責を適正に果たす上で,あるいは現に担当している事件の捜査を進めていく上でも現実に役立つであろうもの,また,捜査手法や捜査技術等の習得あるいはその自己研鑽をはかっていく上で参考になるであろうものを,東京地検検事・范揚恭ほかの協力を得て1冊に取りまとめたものである。このような試みは,まず,昭和63年から平成3年にかけて連載された「実例捜査セミナー」の論稿の中から抜粋して取りまとめた『犯罪捜査の実際』(平成4年4月初版)の刊行に始まり,次に,平成3年から平成4年にかけて連載された論稿の中から抜粋して取りまとめた『続犯罪捜査の実際』(平成8年1月初版)の刊行に続くものであり,本書では,平成4年以降に連載されたものについて,前同様の観点から取りまとめた。

本書で取り上げられた事例は,いずれも執筆者が,その所属する検察庁又は過去に在籍した検察庁において,自ら捜査処理等を担当した具体的事件であり,成功した事例ばかりではなく,失敗事例を含めて,捜査を行っていく上での様々な隘路,事実認定上の問題点,法律上の問題点等にぶつかりながら,いかにしてこれを乗り越えていったのかについて,捜査担当者としての苦労談や反省点も交えつつ執筆されたものであって,現に同種又は類似事件を担当している捜査官にとっては大いに役立つであろうし,そうでないとしても,捜査技術等にみがきをかける上で大いに参考となるものと確信している。

なお,『捜査研究』には,現在も第一線の検事による「実例捜査セミナー」の執筆・連載が続いている。先に述べたように,あらゆる事件に適用し得る万能薬のような捜査手法はない上,社会の急激な変化に伴って,事件はますます複雑化,多様化していることから,第一線の検事が様々な事件を前にして創意工夫した捜査手法もまた事案に応じて多様であり,書き留めておくべき事柄は尽きないであろう。併せて引き続きご愛読願いたい。

最後に,本書の監修出版に当たり,これを快くご了解下さった執筆者各位に厚くお礼を申し上げたい。

平成23年5月

大谷 晃大


目次

  • 第1編 強行犯関係
    •  
      • CASE 1 乳児せっかん死事件における死因の特定と司法解剖(佐久間佳枝)
      • CASE 2 90歳の老母と癌に罹患している息子による家庭内殺人(畠山光太郎)
      • CASE 3 被害者の死亡状況の解明と殺意の有無の認定が問題となった事件(塩澤 健一)
      • CASE 4 現住建造物等放火事件における犯人性立証(磯部 真士)
      • CASE 5 薬物を使用した準強姦事件における薬物の特定方法―被害女性が供述する症状からの特定―(佐久間 進)
      • CASE 6 実父による実娘に対する強姦等事案の捜査処理について―被害者保護の視点から―(岸 毅)
      • CASE 7 睡眠薬を用いた犯罪の捜査について(岡本 安弘)
      • CASE 8 被疑者が強取行為を自認したものの強盗殺人罪での起訴を断念せざるを得なかった殺人事件(吉浦 邦彦)
      • CASE 9 ある泥酔者による傷害致死事件の捜査について(児玉 陽介)
      • CASE10 祖母及び父親による児童虐待傷害事件について―包括的共謀の成否―(岩村 大助)
      • CASE11 失明寸前という後遺症の立証について工夫した事案―適正な量刑を得るための捜査について―(松本貴一朗)
  • 第2編 知能犯関係
    •  
      • CASE12 帳簿等証拠資料が散逸して不完全な中小企業における業務上横領を立件した事例(横井 朗)
      • CASE13 横領で送致された事件を詐欺で起訴した事例(田口 健治)
      • CASE14 在宅送付された長期未済の詐欺告訴事件について被疑者を逮捕し犯意を立証して捜査を遂げた事件(茂木 善樹)
      • CASE15 ある背任事件の捜査について―組合による多数回の立替払の実行等を背任行為と捉えた事案―(河原 克巳)
      • CASE16 選挙における陣中見舞の賄賂性について(信田 昌男)
      • CASE17 正式申立てをされた公職選挙法違反事件の捜査・公判を通じた反省(鈴木 敏彦)
      • CASE18 公職選挙法違反事件(事前買収罪)において、時間外勤務手当名目で買収金が供与された事案(吉田 稔)
      • CASE19 被害金額の大きい業務上横領における情状立証の必要性(平野 辰男)
  • 第3編 窃盗犯関係
    •  
      • CASE20 情況証拠の積み重ねにより犯人性と共謀を立証したピッキング盗及びそれに引き続く預金払戻し詐欺事件について(古賀由紀子)
      • CASE21 非現認の侵入盗事案における自白の信用性について(渡部 洋子)
      • CASE22 起訴後に被告人が常習性を否認した万引き事案(勝山 浩嗣)
  • 第4編 組織犯関係
    •  
      • CASE23 迷宮入りと思われていた拳銃使用殺人未遂事件の捜査処理について(吉野 太人)
      • CASE24 敵対する元暴力団組長を殺害したとして警察に自首した暴力団組員の自白の信用性を検証した事例(野村 安秀)
      • CASE25 航空機を利用した外国人による覚醒剤大量密輸事件(椿 剛志)
      • CASE26 薬物の認識を否認する事犯における捜査情報共有の必要性(菊川 秀子)
      • CASE27 現行犯逮捕により検挙したカジノ賭博事件が、起訴後出された新たな弁解により紛糾した事例(杉本 秀敏)
      • CASE28 組織的犯罪処罰法を積極的に適用した「計画型取込詐欺」において、粘り強く大胆な捜査手法と立証視点の転換が功を奏した事例(山口 貴亮)
  • 第5編 その他
    •  
      • CASE29 食中毒事件の因果関係(吉田 誠治)
      • CASE30 ある無認可保育所での幼児の死亡事件―注意義務の認定について―(奥谷 千織)
      • CASE31 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律違反の捜査と公判について(沖田美恵子)
      • CASE32 ある痴漢事件の捜査について(名倉 俊一)
      • CASE33 被疑者、被害者ともに知的障害者であった事案の捜査・公判(清水真一郎)

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