改めまして、被害に遭われた方々に謹んでお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興を祈念いたします。
(記事中の所属、役職、年齢、法令の規定等は、当時のものです。)


この特設サイトは東日本大震災から10年を機に、2021年3月に開設致しました。

福島を支える力強い警察

〜県民とともに、復興を目指して〜

福島県警察本部警務部長
小笠原 和美
(捜査研究2012年3月号)

……「もう遺体なんか見たくない。」そう思わせるほど数多くのご遺体が至る所にありました。「がれきが邪魔で通れない道を、靴底を釘で踏み抜きながら、徒歩で片道30分以上かけて安置所へ運ぶ。さっきまであったご遺体が引き波で流されたのか、もうない。もっと早く運べていれば……。ご家族が見守る中、あせる気持ちと使える道具が『手』しかない現実のはざまで無力感に苛まれる。」そのような述懐が、幾人からもこぼれます。

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震災の経験から得た警察官としての自覚

相馬警察署地域課
齋藤 圭
(月刊警察) (月刊警察2011年9月号)

…高台まで避難し、乗客全員の無事を確認した直後、私たちの眼下を津波が瓦礫や車を飲み込んで流れていきました。そのあまりの光景に、私の背筋をゾクッとするものが走りました。避難していた人たちからも、「怖い、怖い」と泣き叫ぶ声が聞こえてきました。今、自分たちがいる場所まで津波が来るのではないかという恐怖が、その場に居合わせた人たちの脳裏に浮かんだことは間違いありません。 

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希望の木

岩手県陸前高田市、高田松原の7万本の松の木の中で、東日本大震災でただ1本生き残った「奇跡の一本松」。1本だけ残った松が、次世代にかろうじて手渡すことができた命。その「奇跡の一本松」を擬人化した「少女レイラ」の物語は、命が過去・現在・未来と続いていくことを伝えていきます。

殉職、救助

―任務全うに感謝

産経新聞社会部編集委員
将口 泰浩
(月刊警察2011年5月号)

…「大きな津波が来ます。高台に避難してください」 「津波が来ますよ、急いで避難してください」 映像から聞こえる拡声器の落ち着いた声が、耳に残っている。住民を避難誘導している警察官の声だ。最後の最後まで住民に避難を呼びかけている。 高台に避難した住民が撮影した映像では、かなり低い所で住民を誘導しているようだった。あの警察官は、無事でいるだろうか。

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信頼される警察のために

―日航機事故を経て、今、被災地を思う

元群馬県警察本部警察学校長
飯塚 訓
(日航機墜落事故 遺体身元確認班長)
(月刊警察2011年7月号)

…検視と身元確認作業は、連日、深夜から朝方まで続いた。宿泊施設などは、全くなかった。班員は県下各署からの寄せ集めだ。遠い署は、車で片道2時間もかかる。朝方帰って、シャワーを浴びて、1時間も寝れば、また出動時間だ。交替要員はいない。棺のそばに段ボール箱を敷いて寝る署員もいる。 最初の約1週間、私も1〜2時間寝ては、伝令の迎えの車で公舎を出た。体育館に着くと、朝のうちは皆、元気に挨拶を交わすが、午後になると皆、無口になる。顔はどす黒く、血の気がない。 (睡眠不足が一番まずい、どうにかしなければ……)と思っていた矢先、第一副班長のM警部が倒れた。幸い1日の休養で元気になって任務に就いてくれたが、他の班員も疲労困憊で、限界だ。どんなに鍛えられた身体でも、精神力だけでもつものではない。

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東日本大震災最前線の証言

発災直後から休みなく活動した被災地の隊員、緊急消防援助隊の受け入れや関係機関等との調整に奔走した本部職員、発災直後から長距離を走破して現地に駆け付けた緊急消防援助隊、福島第一原発への注水作戦に同行した医師など、震災時、さまざまな立場・局面にいた人々の証言を集めました。

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